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前回に引き続き、青色申告についてです。

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青色申告の承認は一生有効ではありません

先週金曜日のブログで、「青色申告は百利あって一害なし」と
お伝えしました。

そんな青色申告制度について、いったん承認されると
ルールに従ってきちんと申告を続けるかぎり、
その承認の効果は継続します。
多少のミスがあったとしても、それをもって
承認が取り消されるということはありません。

ただし、「多少のミスだよね」では済まされない事実に該当すると
税務署側から「承認を取り消します」という通知が届きます。

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青色申告の承認を受けていることで、数々のメリットがありました。

赤字会社であれば、その損失(欠損金)を9年間繰り越せたり、
黒字会社であれば、一定の設備投資や従業員への給与増加で
税額控除を受けることができたりします。

これらがすべて、できなくなってしまいます。

では、どういった場合に、承認が取り消されるのでしょうか。

青色申告の承認が取り消される主なパターン

青色申告の承認が取り消されることになる
主な事例を紹介します。

税務調査で帳簿を提示しない場合

税務調査において、調査官が帳簿書類の提示を求めたにも
かかわらず、その提示を拒否した場合には、提示されなかった
帳簿にかかる事業年度のうち、最も古い事業年度以後の
事業年度について、その承認が取り消されます。
<法人税法第127条第1項第1号>

税務調査の場面において、調査官がある台帳の提示を求めてきます。

これに対して、法人の担当者が
「なんでこれまで見せなあかんねん。見せまへんで」
と拒むとします。
これで“一発取り消し”とはなりません。
調査官は、承認取り消しの事由に該当する旨を担当者に告げて
再三再四説得に努める義務があります。
それでもなお、提示しないとなった場合には、
その承認が取り消されることになります。

税務署長の指示に従わない場合

帳簿書類の備付け等について税務署長の指示に従わない場合には、
その指示にかかる事業年度以後の各事業年度について、
その承認が取り消されます。
<法人税法第127条第1項第2号>

これも指示を無視しただけで“一発取り消し”にはなりません。
税務当局は、指示に従わないことが取り消し事由に
該当する旨を告げて説得をします。
それでも会社がその指示に従わない場合に、
その承認が取り消されることになります。

隠ぺい、仮装等の場合でその金額が多額である場合

隠ぺいした所得金額が総所得金額の50%を超える場合には、
青色申告の承認が取り消されます。
<法人税法第127条第1項第3号>

ある事業年度において、売上除外などで1,200万円の所得(利益)を
隠ぺいしたとします。その年の総所得金額は500万円でした。
その後、税務調査において指摘を受けて修正したところ、
総所得金額が1,700万円になりました。

1,700万円の50%の850万円を超える1,200万円の
隠ぺいですので、これはこの規定の対象となります。

なお、隠ぺい等による所得が500万円未満の場合において
今後適正な申告をする旨の申し出を行った場合には、
承認取り消しの処分は見合わせられます。

2期連続で期限後申告又は無申告となる場合

2事業年度連続して期限内に申告書の提出がない場合には、
青色申告の承認が取り消されます。
<法人税法第127条第1項第4号>

「どうせ赤字だし申告せずに放っておこう」と
数年間放置していた会社があるとします。
ほどなくして、承認が取り消されます。
数年後、ある儲かる事業を思いついたときに
「そういえばあの会社、赤字続きだったから
欠損金があるんじゃない?
あの会社使ってこの事業をしたら、最初数年間
無税になるんちゃう?」
というときに、この会社の累積赤字を使って
税負担を軽減することができなくなります。

将来、何がどんな風に転がるかわかりません。
赤字続きでも、会社を作ったのであれば、
きちんと申告しましょう。

再度承認を受けることはできる?

再度承認を受けることはできます。

ただし、取消しの日から1年間は再申請ができません。
早くても1年を経過した日から、です。

会社の設立事業年度の場合には、
事前に申請することができないため、
「“設立後3ヶ月を経過した日”か“事業年度終了の日”の
いずれか早い日の前日まで」に提出することで、
その事業年度から青色申告の承認を受けることができます。

ただし、青色申告の承認申請の基本的な仕組みは
次のようになっています。

「青色申告によって申告書を提出しようとする事業年度
開始の日の前日まで」に承認申請書を提出すること

申請書を提出した日の属する事業年度の翌事業年度からしか
青色申告を行うことはできませんので、
再度承認を受けて税額控除の適用を考えている場合などには
承認時期には十分に留意しましょう。

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【編集後記】
シンシナティで行われているW&Sオープンで
フェデラーがジョコビッチを破って優勝!
今大会7度目の優勝です。
世界一速いといわれるここのハードコートは、
フェデラーにとって相性がいいのでしょう。
また、ドルゴポロフがベスト4まで勝ち上がり、
ジョコビッチをあと一歩まで追い詰めました。
センス溢れるプレイスタイルで、小柄なのに
超攻撃型、大好きな選手の1人です。

【昨日の一日一新】
東条湖おもちゃ王国
ピエール・ポワソン

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。