個人が認定NPO法人に対して寄付をした場合について整理します。

(DP0quattro)

認定NPO法人への寄付

平成29年1月31日現在、
1,004件のNPO法人が認定を受け、
認定NPO法人として活動しています。

特定非営利活動(NPO)法人のうち、
一定の基準を満たすものとして
「認定」を受けた法人が
認定NPO法人となります。

認定NPO法人になると、
税制上の優遇措置を受け、
非営利活動をいっそう
円滑に進めることが
可能になります。

その一つが寄付金税制。

認定NPO法人に対する
寄付については
個人・法人を問わず、
寄付を行った側において
税制上の優遇規定があります。

それによって、寄付を促進する
効果が期待できますね。

今回は個人が認定NPO法人に対して
寄付を行った場合について
整理していきます。

寄付した個人に対する税制上の恩恵

所得税での取扱い

認定NPO法人に対して
個人が寄付をした場合、
「所得控除」か
「税額控除」を
選択できます。

スクリーンショット 2017 03 01 15 05 22

「所得」に「税率」を
乗じて計算されるのが
「税額」です。

スクリーンショット 2017 03 01 15 06 28

「所得控除」と「税額控除」の
金額が同額であれば、
「税額控除」を選択する方が
絶対に有利です。

税率は100%になることは
ないからです。

しかし、現実は
そう単純ではありません。

「所得控除」と「税額控除」は
それぞれ次のように計算されます。

スクリーンショット 2017 03 01 15 10 09

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両方に共通する留意事項として
寄付金の額の合計額は
寄付する個人の総所得金額の
40%相当額が限度となります。

稼ぎに対してあまりに高額の寄付は
制度の対象から外れます。

また、「税額控除」の場合には、
配当控除前の所得税額の
25%相当額を上限として
税額の控除が認められます。

こちらも同様、稼ぎに対して
あまりに高額の寄付は
制度の対象から外れます。

さて、どちらが有利になるか、
それについて検討するには
所得税の税率について
確認する必要があります。

「所得控除」は税率を乗じる前の
課税対象額からおおよそ支出額を
引いてくれます。

「税額控除」はおおよそ支出額の
40%の税額を引いてくれます。

ということは、税率が40%に
満たないのであれば、
基本的には「税額控除」が
有利になりますよね。

所得税では、累進課税といって
稼ぎのいい人(高所得者)ほど
高い税率になります。

スクリーンショット 2017 03 01 15 45 52

所得税の税率が40%に達するのは
課税対象となる所得が1,800万円を
超える方です。

スクリーンショット 2017 03 01 15 46 51

課税対象所得が1,800万円を
超えるというのは、かなり
レアケースです。

したがって、大体のケースでは
「税額控除」を選択することが
有利になります。

「所得控除」が有利になるのは、
稼ぎのいい人が、相当な額の寄付を
実行した場合に限られます。

【「所得控除」が有利な場合】

たとえば、課税対象所得が
2,000万円の人がいたとします。

普通に所得税を計算すると、
5,204,000円。

この人が5,002,000円の
寄付をしたとしましょう。

「税額控除」だと、
40%相当の2,000,000円を
控除したいところですが、
上限枠は配当控除前の
税額5,204,000円の
25%相当額、
つまり、1,301,000円。

「税額控除」を選択した場合、
5,002,000円の寄付による
軽減税額は1,301,000円です。

次に、「所得控除」を
試算してみます。

20,000,000円から
5,000,000円を控除した
15,000,000円が
課税対象所得となりますね。

総所得金額の40%には
達していないので、
5,000,000円まるまる
控除できます。

15,000,000円に
対する所得税は
3,414,000円です。

当初の税額よりも、
1,790,000円も
税金が軽減されました。

「税額控除」よりも
「所得控除」の方が
489,000円も税負担が
軽減されます。

お気づきのように
かなりレアケースです。

一般的な数字で試算すると、
「税額控除」の圧勝です。

“高所得”&“高額寄付”の場合には
「所得控除」が有利になるかも
しれません。

住民税での取扱い

認定NPO法人への寄付金が
無制限に優遇を受けることは
ありません。

お住まいの市町村や都道府県において
条例で指定されている場合に限って
優遇措置があります。

こちらは選択ではなく、一手のみ。

スクリーンショット 2017 03 01 15 58 15

この算式による金額が
住民税額から控除されます。

10%の内訳は
市町村が6%、
都道府県が4%です。

寄付の対象となった認定NPO法人が
いずれか一方の地方団体でしか
指定を受けていない場合には
上記算式の10%のところを
6%、もしくは4%で計算した額に
ついての税額控除となります。

認定NPO法人への寄付は、
住民税では必ずしも
税金上の恩恵があるとは
かぎりません。

法人から「恩恵がある」と
言われて寄付したところ、
大阪府・市において
指定されておらず、
所得税でしか恩恵が
出なかった話も聞きます。

認定NPO法人に対して、
税金上の優遇を見越して
寄附される場合には、
事前にじゅうぶん
確認しましょう。

どうせ寄付するなら、
気持ちよくしたいですしね。

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【編集後記】
今朝は事務所近くの小さな山に登り、
ホームページ用の写真を撮影。
DP0quattro、空や海、山といった
風景写真では独特の個性を発揮する
いい相棒です。

【昨日の一日一新】
エヴァンゲリオン新幹線とドクターイエローのコラボ観賞

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■ 石田修朗税理士事務所HP

開業支援・経営計画支援の石田修朗税理士事務所

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。