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冷蔵庫の中にも在庫は潜んでいます。

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利益の計算要素は基本的に相手との照合がある

個人事業であっても、会社であっても、
利益の計算方法は変わりません。

本業での売上高(と預金利息などの本業以外の収入)から、
『売上原価』と『経費』をマイナスして、利益を計算します。

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収入については、相手からの入金に裏付けされます。

一方、控除される“マイナス項目”ですが、
『売上原価』と『経費』で異なる点があります。

『経費』は、支払先からの証拠資料を積み上げて
集計されますが、『売上原価』は必ずしも
そうなるわけではなりません。

『売上原価』の構成要素は、
「期首商品棚卸高」
「当期商品仕入高」
「期末商品棚卸高」
です。

このように計算されます。

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このうち、「当期商品仕入高」は、支払先からの
証拠資料に基づき、計上していきます。

しかし、「期首商品棚卸高」と「期末商品棚卸高」
(以下、「棚卸高」いいます)は、自社で
カウントすることで把握するデータです。

もちろん、その数字に根拠は必要ですが、
数え方によって大きく変動してしまいます。

相手先に支払うことで成立する他の経費では、
数字が変動するということはありません。

つまり、「棚卸高」は他社の目が入らない数字であり、
自分で調べる以外に出てこない数字なんです。

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この「棚卸高」というのは、“在庫量”のことで
実在する在庫をカウントして把握します。

年に一度の在庫カウントで大丈夫?

卸・小売業や製造業、飲食業など、一定の在庫を抱える商売では
決算時にこの“在庫量”を把握して、最終利益を確定しますが、
毎年一回しか在庫カウント作業をしなければ、
必ずしも正確とは限りませんよね。

年に一回の作業で、ミスをするなという方が酷かもしれません。

この在庫カウント作業にミスが出ると、
どういった影響が出てくるでしょうか。

それは、最終利益にまで影響が及び、
結果的に税金の計算に影響します。

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たとえば、ここに年に一回の棚卸の結果の
売上原価の推移があります。

この中で、在庫カウント作業にミスがあるかどうか、
わかるかといえば、わかりづらいですよね。

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第3期の在庫が少なくカウントされていますので、
ここは少しおかしいのではないか、と感じます。
あと、第6期は少し多いような気がしますね。
第3期の期末において、仕入れを少し減らすなどの
在庫調整をされたかどうか、第6期の期末に
仕入先からの仕入要請を受けたか、などの
確認しなければいけません。

たとえば、第3期の在庫が本当は1,500であって
在庫が1,000少なくカウントされたとすると、
1,000だけ利益が少なくなり、このミスが
税務調査で明らかになると、修正申告による
追加税額が発生します。

また、第6期の在庫が本当は2,000であって、
在庫が1,000多くカウントされたとすると、
1,000だけ利益が多くなり、結果的に余分な
税金を第6期に納めていたことになります。
(その分は第7期の税金の減少に繋がりますが、
一時的にキャッシュがムダに流出してしまいます)

つまり、在庫カウント作業の精度が低いと、
追徴税金を後で納めたり、
一時的に多めに納めてしまったりと
いうことが生じるのです。

こういったムダはなくしたいですよね。

在庫カウントは月ごとにおこなうべき

しかし、これを月ベースで在庫カウント作業をして、
こんな感じで出てきたとします。

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こうして毎月在庫カウント作業をすると、
「棚卸高」に対する「仕入高」の割合が低くなるので、
“在庫量”の異常に、より気づきやすくなります。

月末棚卸高を比べると、5月の500と6月の3,000は
異常値っぽいですね。

これに、それぞれの仕入金額と月初棚卸高を加味して、
売上原価まで計算してみると、より見つけやすくなります。

売上のボリュームにもよりますが、
売上原価が6月は500,9月は200と、
明らかにおかしい感じがします。

逆に5月の売上原価は2,500で、
これは正常かもしれません。

売上のボリュームと仕入れのボリュームを加味して、
初めて在庫の適正性を探ることができます。

そして、年ベースでの数字よりも、月ベースの数字を見る方が、
在庫チェックの精度を測るのに適していますね。

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そして、在庫カウント作業自体の精度も
月ベースで行った方が間違いなく向上します。

担当者のカウントスキルの向上、
ミスの蓄積による防止策の改善が
期待できるからです。

月次決算を進めていく上でも、毎月の在庫カウントで
「棚卸高」を毎月把握していくことが不可欠です。

「今月の仕入れ」だけでは、
本当の売上原価が把握できないからです。

在庫カウントをすることによって
「棚卸高」を正確に把握することができ、
これによってはじめて利益が掴めます。

この在庫のカウントが適当だと、
本当の利益は把握できません。

まとめ

在庫を毎月カウントすることによる
メリットは主にこの3つです。

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在庫カウントが決算の恒例行事になっている会社も
多いと思いますが、毎月末の恒例行事に格上げ?して
会社にとってより有益な作業にしましょう。

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【編集後記】
締め切り効果を狙って23時クローズのスタバで
22時過ぎからブログを書き始めたものの
23時に間に合わず、近くのカフェバーに
移動して書いています。
最初からこっちに来ればよかった・・・。
締め切り効果の過信は禁物と学びました。

【昨日の一日一新】
パルナソスホール
せいかつ発表会

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。