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どちらに向かって進むのか。開業前から決めておきましょう。

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起業者のもつ共通点と相違点

税理士という職業をしていると、経営者の方と
お話しさせていただくことが多くあります。

これはこの仕事の魅力の一つです。

この仕事を始めるまで、経営者の方と話す機会は
決して多くなかったからです。

事業されている方に共通する点は「行動力」です。

とくにご自身で起業された方の「行動力」は
抜きん出たものがあるように感じます。

起業を決意されてから現在に至るまでの経緯などを
お聞きしていると、感嘆の声しか出ないこともしばしば。

そうした方とお話をさせていただくことで、
自らの「行動」にも多くの「刺激」をいただきます。

一転、一口に経営者と言っても本当に違うなぁと
感じるのが「管理能力」です。

この場合の「管理能力」とは、物の整理のみならず、
人同士の関係性への嗅覚、適正な仕事配分などです。

例えば、デスク回り。訪問させていただいたときに
拝見することがありますが、ここは二分されます。

整理整頓されているデスクとそうでないデスク。

どちらがいいとも言えないように感じます。

整理整頓ができていないということは
悪のようにレッテルを貼られがちですが、
そうした経営者の方が事業に不向きかというと
必ずしもそうではないと思うのです。

実際に後者のタイプの方で順調に利益を上げて
おられる方を何人も見てきました。

税理士業界にある2つの流れ

10数年、税理士試験の予備校で講師をしていますが、
今は税理士資格を取得しても、独立開業を選ばずに
勤務税理士や企業内税理士として勤めの道を選ぶ方も
少なくありません。
むしろ、開業に慎重な意見を持つ方が増えてきている
ようにすら感じます。

そんな中、開業しようとされる方は業界内に
二つの流れがあることを意識しましょう。

・「小規模事務所」を作り上げる
・「大規模事務所」を作り上げる

前者はマンパワーが限られるので収入には限界があります。
その分支出をコントロールして、利ざやを稼ぐ意識が必要で、
つまり「管理能力」がカギになります。

前者の極端な例はいわゆる「ひとり税理士」でしょう。

いつも刺激をいただいている税理士の井ノ上さんの
最新刊は「ひとり税理士の仕事術」(大蔵財務協会)
独立開業を考えられている方は必読です。

一方、後者の道を進む場合は、まずは売上を上げて、
そしてそれに対応するために人を雇うという
「売上」→「雇用」のサイクルを繰り返します。
(「雇用」→「売上」のサイクルもあります)

ここでは、「大きく稼ぐこと」がカギになります。
顧客を獲得する能力が無ければ、大規模化はムリです。
しかし、成功すれば業界内で一定の評価がされ、
人の雇用などで優位性を持つことになるでしょう。

開業するまでに決めておくべきことはベクトルの向き

開業をする時点で、行動を起こす力、すなわち
「行動力」については備えもっているでしょう。

ただし、「管理能力」はその人の生い立ちや
学びによって大きく異なります。

その「管理能力」と「稼ぐ力」を掛け合わせて
将来のスタイルを考えるべきでしょう。

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ただし、自分の特性に開業後の事業スタイルを
限定することは決して必要ありません。

あくまで、このマトリックスは現状把握のためです。

「大規模化」を目指す人は「稼ぐ力」が必須ですし、
「小規模化」を目指す人は「管理能力」が必須です。

目標に対して足りないなと感じることなんて
一生あると思います。
大切なのは、現状での足りない点を自覚して、
それを補うことに意識を向けるかどうか、です。

「大規模事務所」を目指すのか、
「小規模事務所」を目指すのか、

まずその軸を定めて、そのために必要な力を
身につけようと意識することが、納得のいく
独立開業のために必要なことはないでしょうか。

場合によっては、「稼ぐ力」のある人を雇い入れ、
大規模化を進めることだってありでしょう。

もちろん、開業して進んでいく中で
大きく舵を切る可能性はあるでしょう。

しかし、開業前にまず自身が納得する方向性を決めることで
勤務中から仕事の進め方であったり情報収集であったり、
いろいろと準備ができます。

こうした視点を持った状態で勤務することで
「稼ぐ力」や「管理能力」の向上が期待できるのです。

勤務している事務所の書庫が整理できていない場合には、
まずは自分の事務所と思って整理してみましょう。

わたしは勤務時代、許可をもらって
書庫や書棚を整理していました。
その経験は今に活きていますし、
それよりもなによりも就業環境が
改善できてとても快適でした。
意外とクセになるかもしれませんよ。

では。

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【編集後記】

ウィンブルドン決勝、フェデラーは
あと一歩のところでいったのですが
ジョコビッチに力及びませんでした。
フェデラーの鬼気迫る攻撃を全て受け止め
反撃に転じるジョコビッチの守備能力の
高さにあらためて感心しました。

【昨日の一日一新】

子どもを連れてIKEA&神戸空港
上島珈琲 モカグラニータ

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。