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これはカレー店開業を決意したオトコの軌跡である。

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前回までのおさらい

彼の名前は苅田玖珉(カルダクミン)。
学生時代になんとなく参加した
海外ボランティア活動で訪れた
スリランカで出会ったカレーに
魅了されたオトコである。

<第一章 開業決意までの日々>

カレー店開業記 〜第一章 開業決意までの日々〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜

<第二章 経営理念の策定>

カレー店開業記 〜第二章 経営理念の策定〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜

<第三章 店舗コンセプトの決定>

カレー店開業記 〜第三章 店舗コンセプトの決定〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜

<第四章 物件を即決>

カレー店開業記 〜第四章 物件を即決〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜

<第五章 融資の相談へ公庫に行くも、、、>

カレー店開業記 〜第五章 融資の相談へ公庫に行くも、、、〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜

<第六章 税理士に開業の相談>

カレー店開業記 〜第六章 税理士に開業の相談〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜

<第七章 間借り交渉>

カレー店開業記 〜第七章 間借り交渉〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜

<第八章 “ラクして得をする”ために>

カレー店開業記 〜第八章 ”ラクして得をする”ために 〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜

<第九章 オープン、そして望まざる客>

カレー店開業記 〜第九章 オープン、そして望まざる客〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜

間借り営業での気づき

情報発信による効果を体験

ブログやTwitterで店の方針を
(あからさまにではなく)
暗に感じ取ってもらえるように
発信を続けた結果、
スジのちがうお客さんが減り、
理解あるお客さんに恵まれる
ようになってきた。

もちろんその分、お客さんの
出足は少し遅くなったが、
それでも行列ができる時間帯もあるし、
なにより毎週売り切れているので、
収益面ではまったく問題なかった。

「お付き合いする人は選んだ方がいい」

「選ばないと、望まざる客がやってくる」

こうした経験をしたことは大きなプラスであった。

レパートリー

肝心のカレープレートであるが、
チキンのカレーと魚介系のカレーを
メインにして、豆のカレーと副菜が
セットで1,200円。

週ごとに替わるのは魚介の種類だけで
あとは毎回同じメニューである。

これら定番メニューについては。
毎週作ることで味も安定してきたし、
コストカットのための勘どころも
掴めてきた気がする。

毎週のように来てくれるお客さんも
このカレープレートを楽しみにして
くれているので、これはこれで悪くない。

だが一方で、このメニューだけだと
限界があるように感じている。

かといって、何種類ものカレーを
準備するのは難しいし、ロスが
生じる率が高くなる。

そうなると、変化を持たせるには
カレープレートに入る2種類の
メインカレーを両方とも定期的に
変更していくよりほかない。

肉系のカレーは、
チキンカレーとキーマカレー、
魚介系はそのときどきの
旬の魚介を使って
そのときどきの組み合わせで
変化を持たせることにする。

そして、これらのカレーは
プレートでの注文の他に、
単品でのオーダーも
大丈夫なようにした。

カレー女子は基本的に胃袋が大きめだが、
女子のノーマルサイズの胃袋に、
カレープレートは多すぎるという
アドバイスがあったからだ。

・カレープレート
・肉系カレー
・魚介系カレー

一応オーダー形態が3パターン用意できた。

本格営業に向けての課題

さらなる味の追求

当然のことながら、常によりよいものを
目指さなければならない。

そのために苅田が考えているのが、
野菜系カレーの導入である。

“ヘルシー”というキーワードが
使える野菜系カレーはきっと
大きなニーズがあるし、
なにより旬の野菜は
肉や魚介にない
香りと味わいがある。

要は、美味しいのである。

これはなんとか定番メニュー化して、
メインカレーを3種類に、
・メイン一つ、
・二種類あいがけ、
・三種類全部がけ、
というパターンを目指したい。

今は週一日の営業で、そこまで
食材を集めてもロスが出るのが
わかっているので、現状はやはり、
2種類の組み合わせですすめていくが、
本格営業の際には黒い三連星がごとく、
3メイン構想を実現したい。

さらなる集客のためのファン獲得

今来てくれているこの人たちも
毎日オープンになれば
毎日は来てくれないだろうし、
さらなるファンの獲得が
必要になってくる。

「カレーが食べたい」といって
来てくれるのはありがたいが、
「苅田のカレーが食べたい」と
なるのが理想的である。

低価格をウリにしないスタイルなので
リピートしてくれるファン層の獲得が
絶対的に必要なのである。

それがないと、売上のために値下げして、
利益率の低下を量でカバーしようとして、
一皿あたりの質が下がる、といった
負のスパイラルが起こることは
火を見るよりも明らかである。

そうはなりたくない。

そのために何をすべきか、
苅田は身の回りのものを
じっくりと観察し、強烈に
ファンを惹きつけている
モノやサービスにどこか
共通することはないか、
常に考えるようになった。

そして、共通項を見つけた。

ストーリー

『ストーリー』があること。

モノやサービスが優れているのは
もちろんのこと、その背景にある
景色やこだわりといったものが
伝わるストーリーが存在する。

いいモノであるのはもちろん、
そのモノやサービスに対して
オーナーがどれくらい情熱を
注いでいるか、
これを知ってもらう必要がある。

そのモノやサービスを業務として
淡々と取り扱っている人からでなく、
狂っているくらい情熱を注ぐ人から
提供されたい。

そして、そのものやサービスに
提供者自身が誇りを持っているか
どうかも大切な点である。

そうした情熱やこだわりを
感じることができるストーリーを
発信し続けることで、お客様から
ファンにシフトするのである。

有名なロールスロイス伝説をかいつまんで紹介すると、、、

あるお金持ちの紳士が、ロールスロイスで砂漠を横断。

砂漠の真ん中でロールスロイスが故障。

砂漠からロールスロイスに連絡して修理を依頼。

ロールスロイス社からヘリコプターで新車が届く。

いつまで経っても、請求が届かない。

後日、ロールスロイス社に確認。

「そのような事実はありません」

いやいや、持ってきてくれ・・・、

「お客様、ロールスロイスは故障いたしません」

これはフィクションだといわれているが、
これくらいの伝説が響くからこそ、
移動手段である車に5千万円などと
いう値段がつき、それが売れるのである。

ディズニーランドなどでも、キャストの対応に
ついての伝説が数え切れないほどある。

わたしが大好きなG-SHOCKでも、
CMでアイスホッケーのパック代わりに
なったりという、思わず誰かに話したくなる
エピソードがたくさんある。

人はそうした無形資産に、お金を払うのである。

先日飲んだ『よなよなエール』というビールも、
ネットで購入しようとサイトを訪問すると、
どれだけこだわって造っているかが、
暑苦しいくらいに書いてあった。

それを読んでいるだけで飲みたくなり、
「お前はもう買っている」状態に陥った。

このようなストーリーは、万人受けはしないが、
コアな人を強烈に惹きつけるものである。

まさに、苅田のカレー店に必要なモノである。

苅田はお店のブログやホームページで
スリランカについての愛を余すところなく
書き綴っていた。

あれは間違いではなかったのだ。

一見カレーとはほど遠い内容だが、
見る人によっては、その愛情の深さゆえに
苅田の造るスリランカプレートに
関心をもつのであろう。

苅田はもう一度スリランカに
行きたいと思うようになった。

今なら、ちがった視点からあの国の魅力を
伝えることができるに違いない・・・。

そうして間借り営業を続けて3年、
会社を退職し、念願の自店舗を持つ間の
2ヶ月間、苅田はスリランカを歩き回った。

(続く)

※ この話はフィクションであり、実在する名称とは
一切関係ありません。

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【編集後記】
物語形式でのカレー店開業記は
今週でいったんおしまいです。
私がスリランカを訪れて現地取材を
してくることができたら、
続編を書いていきます(笑)

【昨日の一日一新】
山の街駅

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■ 石田修朗税理士事務所HP

開業支援・経営計画支援の石田修朗税理士事務所

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。