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これはカレー店開業を決意したオトコの軌跡である。

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前回までのおさらい

彼の名前は苅田玖珉(カルダクミン)。
学生時代になんとなく参加した
海外ボランティア活動で訪れた
スリランカで出会ったカレーに
魅了されたオトコである。

<第一章 開業決意までの日々>

カレー店開業記 〜第一章 開業決意までの日々〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜

<第二章 経営理念の策定>

カレー店開業記 〜第二章 経営理念の策定〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜

<第三章 店舗コンセプトの決定>

カレー店開業記 〜第三章 店舗コンセプトの決定〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜

<第四章 物件を即決>

カレー店開業記 〜第四章 物件を即決〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜

<第五章 融資の相談へ公庫に行くも、、、>

カレー店開業記 〜第五章 融資の相談へ公庫に行くも、、、〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜

<第六章 税理士に開業の相談>

カレー店開業記 〜第六章 税理士に開業の相談〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜

<第七章 間借り交渉>

カレー店開業記 〜第七章 間借り交渉〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜

<第八章 “ラクして得をする”ために>

カレー店開業記 〜第八章 ”ラクして得をする”ために 〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜

ついに開店へ

プレオープン

ひととおりの手続きを済ませたのち、
苅田はまず友人に声をかけて、
第1回プレオープンを実施した。

本格的なオープンを前にして
この間借り店舗の使い勝手を
知っておきたかったからだ。

そして、SNSでのカレー繋がりの
フォロワーさんに声をかけて、
第2回のプレオープンを実施。

当たり前だが、カレー好きは
カレー店にめっぽう詳しく、
ボリュームや盛り付けから、
備品の配置に至るまで、
さまざまなアドバイスや
提言をもらった。

こうして、間借りを始めてから
1ヶ月が経った7月の第1日曜日、
『SUNDAYSPICE』は開店した。

オープン

プレオープンに来てくれたSNS仲間が、
そのときのカレープレートの写真と
ともに店の情報をInstagramで
拡散してくれた効果は絶大だった。

7月は4週とも、14時には
売切れ閉店する程であった。

まずは上々の滑り出しである。

オープン後の気づき

事務負担

iPadを利用したレジシステムは
思ったよりも操作が簡単で、
チェック時にお客さんを
お待たせすることもなかった。

レシート発行についても、
問題なくできている。

MFクラウド確定申告への連動も
スムーズで、クレジットカード
払いの経費の計上も簡単。
通帳の収支も毎日連動している。

収支チェック

7月の全4回の営業を終えた8月1日、
MFクラウド確定申告のアプリを
開いて第1回経営成績を見ると、
見事に黒字達成であった。

フードメニューは
1日40食限定の
カレープレートのみ。
1,200円である。

これにドリンクのオーダーが
ときおり入った結果、
4回合計の来店人数は160人、
売上総額は200,000円強、

間借り家賃が1ヶ月3万円。
その他にかかった材料代や
経費を差し引くと、手元に
およそ8万円が残った。

これを本業ベースに換算すると、
単純に週6日営業として、
単純に6倍すると48万円。

このペースで店を回すことが
できると、悪くない数字だ。

おそらく、現在40%かかった
材料コストはもう少し下がるだろう。

日持ちする食材はまとめ買いが
できるので、それによるコスト
削減が見込まれる。

オープン祝儀的なこともあるので、
客数は少し減るだろうが、
暮らしていくのに十分な
稼ぎが生まれている。

採算ベースで見ると、
カレー店開業の第一歩は
まずまずのようだった。

望まざる客の存在

ここからは毎週日曜が苅田には勉強であった。

そんな中で、少し気になることが起きていた。

飛び込み客や口コミ客が増えれば増えるほど
苅田にとっていい感じを受けない、そんな
お客さんがちらほらと現れ始めたのである。

こちらは一人で営業しているので、
失礼はないように気をつけているが、
至れり尽くせりの接客なんてムリだ。

スリランカでも、街中の食堂では
ホスピタリティもへったくれもない。

苅田ももちろん、そんなところに
必要以上に力を注ぐつもりはなかった。

しかし、それを要求してくるような類いの
お客さんがときおり来店してくる。

売上が必要だし、来客自体はうれしい半面、
「来てほしくない」という感情が生まれてきた。

理想の店の追求

理想の店のマスター

苅田が将来目指すのは、自分とお客さん、
双方にとってHAPPYなお店である。

望まざる客がやってくる現状は
そんな将来の姿に繋がるとは思えない。

そのためにはどうするべきなのか、
苅田はまず、いきつけの居酒屋で
マスターに相談した。

この店は、お客さんがマスターの
性格をよく理解し、注文するときも
お会計するときも、マスターの手の
空いているときを見計らう。
一人で店をされているので、
料理中に「お会計!」なんて
言おうものなら、刺し殺されそうな
鋭い視線が飛びかかってくる。

やりたい放題である。

しかし、みんなはこの店が好きで
いつも常連客で賑わっている。

ある意味、理想形である。

マスターからのアドバイス

そんなマスターのアドバイスは
次のようなものだった。

マスターの対策は「店の場所を
あえて駅から少し距離のある
ところにした」ことと、
「外から見て入りにくい雰囲気に
している」というものだった。

たしかに(笑)、、、
この店は入りにくい。
何屋さんか、わからない。

「うちのスタイルを知って、
そのうえでわざわざ来てくれる
人が集まる店にしたいねん」

「通りかかりのいちげんさんは
ウチのターゲットではないからね」

それはそうと、あの視線は??

お客さんがタイミング悪く
声をかけてしまったときの、
あのマスターの目線は、
まったく計算していない
天然だったようだ。

最後まで、対策の話に
あがることはなかった。

炎上なんてしないっすよ

「カルちゃんの場合、今は間借りやから、
場所は選びようがないし、通りかかりの
いちげんさんも入ってきてしまうよなぁ」

「SNSで情報が拡散しているなら、
“こんな人とは合わない店です”って
発信してみたらどう?」

え?そんなことして大丈夫??

炎上して、総スカンくらったりしない???

苅田は思わず、口にした。

それを聞いた常連客の一人が口を開いた。

彼は見た目は学生さんっぽく、
この店の常連では一番の若手だった。

「カルさん、大丈夫っすよ。
炎上しようと思ったら、それなりに
注目されるアカウントじゃないと。
よほど差別的なことでも書かないかぎり、
絶対に、絶対に、炎上なんてしません!」

「それにコメントとかでつっかかってくる奴は
無視しときゃ大丈夫。そういう人は、そのうち
別のターゲットを見つけるんで。他人に
匿名でかみつくのが趣味の人っていますから」

話を聞くと、彼はNPO法人を作って
活動しているらしく、そのTwitterや
Facebookには数万人のフォロワーが
いるのだそうだ。

そんな彼はときおりむしゃくしゃして
過激なことを書いてしまうそうだが、
炎上なんて全然おきないそうだ。

それどころか、ますますファンが増え、
同じような空気を持つ人ばかりと
つきあいが深まるんだそうだ。

そうか、いやなものはいや、と言い切ることも
情報発信の上では大切なんだ。

情報発信

苅田はブログを立ち上げ、
店としてのTwitterのアカウントを取り、
店の営業スタイルを発信することにした。

「お客は友人。過度の接客はしません」

「至れり尽くせりのサービスがほしい人は
ディズニーランドかリッツカールトンへ」

こんなことをときおり書いてみたが、
炎上することはまったくなかった。

それよりも、スリランカという国が
いかに魅力的かということを、
ほぼ毎日のように書き込んでいると、
少しずつではあるが、それに対する
反応が出始めた。

そして、毎週のように来てくれて
「今週の書き込み」について
一言の感想を伝えてくれる
物静かな男性が現れた。

苅田にとって、この男性の登場は
ひとつの転機となった。

(続く)

※ この話はフィクションであり、実在する名称とは
一切関係ありません。

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【編集後記】
トップ画像は、姫路城の堀に
住み着いたヌートリア。
望まざる客・・・でしょうね。

【昨日の一日一新】
スタバ ベイクドチーズケーキフラペチーノ

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■ 石田修朗税理士事務所HP

開業支援・経営計画支援の石田修朗税理士事務所

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。