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「いきなり法人」はダメなのでしょうか?

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「個人」→「法人」が一般的

事業を始める際には、
まずは個人事業で開業して、
軌道に乗った段階で
法人を設立、というのが
一般的なステップでしょう。

私自身、相談された場合には
そのように回答しています。

では、なぜ最初から法人を
設立するという道を
選ぶ人が少ないのでしょう?

そこには3つの理由が
あります。

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「いきなり法人」でない3つの理由

税率の差

個人に対する税率は「累進課税」といって
儲け(稼ぎ)が多くなればなるほど、
税率が高くなる仕組みを採っています。

低所得者にも一律に課税することは
好ましくない、という考え方です。

一方、法人(中小企業)に
対する税率もまったく一律と
いうわけではありませんが、
個人に対するものほど
格差が設定されている
わけではありません。

儲けが大きくなれば
法人の方が有利なのですが、
儲けが少ないうちは
個人事業者の方が
税率が低くて有利です。

開業してすぐって
なかなか儲けが
出ないことも多いですよね。

ですので、
個人事業者を選択する方が
有利なことが多いのです。

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開業時のコスト

ここでいうコストは
金銭的なものだけでなく、
時間的要素も含まれています。

まず、個人事業を開始しようとする場合、
やるべきことは税務関係への届出です。

「開業届」を提出すれば、
今日から個人事業主です。

事業所得かどうかという問題は
ありますが、それはおいといて・・・。

一方、法人を設立して事業を始める場合、
いきなり税務署に届け出ることはできません。

その法人をまず世の中に誕生させないと
行けないからです。

それが法人の設立登記。

まず、法人の商号を決めて
印鑑を作ります。

そして、定款の作成・認証、
資本金の払い込みを経て、
法務局に登記を申請します。

株式会社であれば25万円くらい、
合同会社であれば10万円くらいの
初期費用が必要となります。
また法務局に申請をして
謄本を取れるようになるまで、
2〜3週間かかります。

謄本が取れなければ、
法人名義の口座を
開設することも
税務署に届け出ることも
できませんので、
必然的に時間がかかります。

謄本を取得してから、
税務関係への届出、
社会保険・労働保険関連の
届出を行います。

このように、法人設立の場合には
個人事業の開業と比べて
やるべきことが多いです。

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消費税問題

くわえて、消費税の有利不利問題があります。

現行の税制では、小規模な事業者に対して
消費税の納税を免除する措置がとられています。

小規模かどうかの判定基準は、
原則として2年前の売上。
これが1,000万円以下であれば
「小規模事業者」として
本来納付すべき消費税を納付せずに
そのまま自分のお金として
使っていいことになっています。

“ポッケナイナイ”ですね。

厳密にいうと、2年前の売上が
1,000万円以下でも、
前年上半期の売上(給料)が
1,000万円を超える場合など
一定の要件に該当すれば
免税事業者でなくなることも
あります。

したがって、多くの開業者が
最初2年間免税優遇を受けています。

ここで注目すべき点が
「個人」で事業を始めて
「法人」に組織変更する場合、
(これを「法人成り」といいます)
「個人」時代の成績はいっさい
考慮されないということです。

「法人成り」した場合、
当然その直前まで個人事業として
商売をしているので、
商売自体の実績はあります。

しかし、法人というのは、
個人とは別の人格という扱いでして、
「法人成り」の場合には
それまでの個人事業の実績は
いっさい引き継ぎません。

したがって、個人事業で開業して
免税事業者の優遇措置を受け、
優遇措置がなくなってから
「法人成り」することで、
優遇措置を2回、計4年
受けることが可能になります。

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「いきなり法人」を選ぶ場合

もうけ(稼ぎ)が見込める

上記理由の一つ目で
税率の話を紹介しました。

逆転の発想をすれば、
初年度から多くの利益が
見込まれる場合には、
法人にしておいた方が
税負担は軽減されます。

いきなり一千万円を超える
利益が見込まれるのであれば、
役員報酬などの法人独自の
節税効果を考慮すると、
「いきなり法人」が
有利かもしれません。

この場合には、消費税の免税期間を
2年捨ててもなお有利か、という
判断も必要になりますので、
慎重に予測する必要があります。

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社会的信用力

信用力といった点で、
法人であることが
必要な場面もあります。

事業を展開していくうえで、
法人でないと取引が
できないような事例も
あるでしょう。

上述の3つの理由は
お金と時間の問題です。

事業に支障をきたしてまで守るほど
尊いものではありません。

「個人」として開業することで
事業に支障が出るのであれば、
迷わず「いきなり法人」を
選択しましょう。

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【編集後記】
昨日はひさしぶりに動画を
記事に入れてみました。
サイズ圧縮に使ったのが
macX Video Converter Pro
というフリーソフト。
直感的に使えて便利です。
ウィンドウズ版も
あるみたいですね。

【昨日の一日一新】
辻川山公園 天狗など

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❐石田修朗税理士事務所HP

開業支援・経営計画支援の石田修朗税理士事務所

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。