課税期間を短縮するという特例の使い勝手について。

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課税期間の短縮

「課税期間」というのは

確定申告の対象期間です。

 

消費税の確定申告は、

「課税期間ごと」に

行うことが定められています。

 

そして、法人の場合には

その「事業年度」を

「課税期間」とすることが

原則とされています。

 

ただし、届出書を提出することで

3ヶ月ごと、または1ヶ月ごとの

期間をもって「課税期間」とする

特例があります。

 

この特例を“課税期間の短縮”といいます。

 

たとえば、3月決算法人で考えてみると、

原則的には年に一回、5月末日を期限とする

確定申告をして納税または還付となります。

(便宜的に中間申告は無視します)

 

それが、3ヶ月ごとに短縮をすると、

4〜6月の3ヶ月に対して8月末に、

7〜9月の3ヶ月に対して11月末に、

10〜12月の3ヶ月に対して2月末に、

1〜3月の3ヶ月分に対して5月末に、

計4回の確定申告が必要になります。

 

確定申告って手間がかかります。

普通に考えると、原則の方が楽ですよね。

 

なのに、なぜ、課税期間を

短縮する事業者がいるのでしょう?

 

そこには2つの動機があります。

 

 

早く還付を受けたい

代表的な目的として掲げられるのは

『早期還付の実現』です。

 

還付というのは、国から

税金が戻ってくること。

 

ある日、口座に税務署から

お金が振り込まれます。

これ、うれしいですよね。

 

ただし、誰しもができる

ものではありません。

 

消費税を上乗せした売上よりも

消費税が上乗せされた仕入・経費の方が

多かった場合にその旨を確定申告することで

還付を受けることができます。

 

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なお、簡易課税を選択している場合には

還付申告は不可能ですので、

還付を受けたい場合には

還付になる課税期間が始まる前に

原則計算に戻す必要があります。

ご注意ください。

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そう、還付申告は“確定申告”によって

還付の旨を国に伝えるという流れです。

 

3月決算の法人の場合、

原則では5月末日の年一回です。

 

ですが、課税期間を3ヶ月に

短縮しておくとどうなるでしょう?

 

消費税の確定申告は

「課税期間ごと」に

行うように定められています。

 

そう、3ヶ月に短縮することで、

年4回に分けて確定申告を

することができます。

 

恒常的な還付が想定される場合、

こまめに還付を受けることができます。

 

年間1,200万円の還付が見込まれる場合、

1年待って全部還付されるよりも

3ヶ月ごとに300万円ずつ還付される方が

資金繰りは楽になります。

 

そこで、課税期間を短縮するという

動機が生まれます。

 

 

届出の失念補てん

もう一つの動機は

届出を忘れた場合の

リカバリーです。

 

消費税の世界には

その課税期間が始まる前に

届出を出してねという

慣習があります。

 

先ほどちらっと触れた

簡易課税という制度も、

その制度を使いたい、

もしくはやめたいのであれば、

その課税期間が始まる前に

その旨を届け出してね、と

いうルールになっています。

 

その課税期間になってからでは

計算方法の変更はできません。

 

「うわ、こんなことなら

簡易課税にしておけば、

(簡易課税をやめとけば)」

となったときにできる方法として

“課税期間の短縮”があります。

 

そうすれば、数ヶ月遅れにはなりますが、

来期を待つよりも損害は少なくて済みます。

 

この届出失念で注意すべきは

「簡易課税」と「課税事業者の選択」です。

 

この2つは税負担が大きく変わるだけに

納税者への影響がとても大きいです。

 

コミュニケーション不足で事前に対応が

できなかったとしても、最後の砦として

“課税期間の短縮”という奥の手を

そっと懐にしのばせておきましょう。

 

受験生時代には「早期還付のため」という

とおり一遍のテキスト解説で抑えていましたが、

実務的には「届出失念補てん」という

リカバリーシステムとしての役割も

小さくありません。

近年の本試験の理論は実践的なことが

出題される傾向にありますので、

受験生の方は頭の中心ではなくても、

頭の片隅に置いといてくださいね。

 

 

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【編集後記】

最近、夜明け直後の姫路城の東側に

分厚い雲が出ることが多いです。

きっと男山配水池公園からだと

いい景色になってそうです。

ただ、200段近くの階段が、、、

冒頭の写真はついついサボって

事務所からの一枚です。

 

【昨日の一日一新】

経営サポート会議

 

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開業支援・経営計画支援の石田修朗税理士事務所

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。