人も軽トラもリヤカーもカゴも、原価です。

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製品の原価を正しく把握する

自社で製品を生産する場合、その生産現場でかかる
コストはすべて原価として把握するべきです。

そうしなければ、製品一単位あたりの製造原価が
正しく把握できないからです。

ある食品加工会社があるとします。
その会社の工場では、材料を仕入れて、加工します。

加工を終えた製品は、各販売店に出荷する、
もしくは通販サイトからの購入者に直接配送します。

この場合、その工場で働く人たちの人件費(コスト)は、
製造原価に含めて把握しなければいけません。

その人たちの労働は製品の生産加工に不可欠であり、
会社はその労働に対してお金を支払っているからです。

また、工場の水道代、電気代、ガス代はもちろんのこと、
使用される消耗品や清掃用品などのコストももちろん
製造原価に含めていくべきでしょう。

さらに、工場で使用している固定資産(建物・機械・備品等)の
減価償却費(コスト)も製造原価に含めて把握すべきです。

材料仕入れのみならず、人件費や消耗品、減価償却といった
コストを生産量で除する(÷)ことではじめて、
製品一単位あたりの原価を把握することができます。

障壁への対処

しかし、これらのコストを原価に算入せず、販売管理費に
計上している決算書がまだまだ多いのが実情です。

理由として考えられるのが、
「人件費や消耗品をいちいち原価と販売管理費に
わけるなんてできない。製品単価は別途Excelで
管理すればいい」という現場からの抵抗、でしょうか。

もちろん、そういった個々の事情も配慮すべきかもしれませんが、
決算書には会社の真実の姿を載せるべきです。

『企業会計原則』の「一 一般原則」の一番最初に書いてある
「一般原則一(通称 真実性の原則)」では

企業会計は、企業の財政状態及び経営成績に関して、
真実な報告を提供するものでなければならない。

と規定されています。

その『企業会計原則』に基づいて作成される会社の決算書は
やはり“真実”なものでなければなりません。

とするならば、会社の決算書の基となる会計ソフトへの入力は
きちんと原価項目を設定して、細分化して入力していくべきだと
いうことになるでしょう。

そして、期末の棚卸在庫の計算においても注意が必要です。

製品の棚卸原価は、製造原価から算出されます。
その製造原価に入るべきコストが算入されていなければ、
製造原価は過小であるということになります。

製造現場での人件費は本来、当期の売上に対応するものだけが
原価として利益から控除され、未販売製品に対応する部分は、
翌期に繰り越さないといけません。

これができない、つまり人件費を販売管理費として処理すると
どういうことになるか、それは期末棚卸原価が過小となります。

期末棚卸原価が過小、ということは、売上原価が過大、ということで、
売上原価が過大、ということは、利益が過小、ということになります。

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つまり、決算書において会社の利益が正しく計算されません。

こういった現象が起きてしまうと、会社にとっても損失です。
即刻手を付けるべきでしょう。

また、「今さら分けて経理すると前年比較ができなくなるので
そこまでやらなくていいのでは・・・」という会計事務所からの
珍アドバイス(?)もあるそうです。

これは本末転倒です。

過去の誤ったデータと比較することに何の意味があるでしょう。

たとえ過去と比べることが困難になったとしても、
正しい姿を映し出す決算書を目指すことが正解です。

また、こういったアドバイスが来る場合、
「面倒くさいからやりたくない」が会計事務所側の
本音であることが多いでしょう。

区分するためのコツ

そのために大切なのは、“会計ソフトを触る前”です。

会計ソフトへの入力にそれほど困難はありません。
根拠となるデータを反映していくだけだからです。

大切なのは、その根拠づくりの時点で区分できているか。

材料代金以外のコストについて、「生産現場」でかかったものと
そうでないものとに区分できているかどうか、が分かれ目です。

これができれば、正しい決算書の完成はそう遠くありません。

人件費は、給与計算ソフトにおいて部門設定を行い、
生産現場の人間への給料がいくらあるかの小計が
一覧表から拾える形に整えておきましょう。

減価償却費は、会計事務所にその計算を依頼されている企業が
多いと思われますが、その場合は会計事務所にリクエストして
現場の固定資産とそれ以外の固定資産の各減価償却費を
教えてもらって、それを12等分して毎月計上しましょう。

消耗品をアスクルなどの業者に発注している場合は、
現場からの発注とそれ以外の発注を区別して
小計を出してもらうように依頼するか、もしくは、
現場からはアスクル、それ以外はカウネットという風に、
思い切って業者を区別してしまうのも一つの手でしょう。

・給与計算ソフトで部門を分ける
・減価償却費の現場小計をリクエストする
・業者に小計を依頼する、もしくは業者を分ける

このように、最初に少しだけ手間をかけることで
真実なデータを揃えることができます。

給与一覧表から、特定の人の分だけを抜き出して集計する作業を
毎月やるとなるとやっぱり面倒ですよね。
消耗品の請求書の一覧から、製造現場にかかるものだけを
抜き出して集計していく作業も面倒です。

これらの面倒は、最初に一手間を加えておくだけで取り除けます。

最初の一歩を正しく踏み出して、会社の利益を
正しく計算できる体制を整えましょう。

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【編集後記】
昨日は恒例の全国陶器市へ。
今年で28回目。
全国から多くの窯元が集結して、
自信の品やB級品が並びます。
毎年この時期に姫路城眼下の
大手前公園で開催されます。
明日、11月3日が最終日です。

【昨日の一日一新】
小赤壁公園

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。