マイナンバー法がわれわれ会計事務所業界に与える影響、という話。

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北野にある「サンパウロ」さん、オススメです。
(映画『繕い裁つ人』のロケにも使われています)

前回のおさらい

マイナンバー法の概要については、2月17日のブログ
紹介しました。

簡単におさらいしておくと、

① 国民一人一人に番号が付与される。

② 税と社会保障、災害時のみは利用しないと決めてある。

③ 行政の効率化が可能になる。

④ 国民においても利便性が向上する。

⑤ 公平・公正な社会の実現に一歩近づく。

こういった点が特徴でしょうか。

今回は、このマイナンバー制度が会計事務所業務に
与える影響について、考えてみたいと思います。

個人番号の管理についてのアドバイス

多くの中小企業者にとって、われわれ税理士は
税や会計、時には経営についての相談相手となります。

税と社会保障のために導入されるマイナンバー制度について
当然のことながら助言を求められることでしょう。

とくに、会社は従業員の個人番号を管理する立場にあるので、
その扱いには慎重を期する必要があります。

例えば、会社が従業員から個人番号の提示をしてもらう際に
「税金のために必要」と言って提示してもらった場合、
あとで社会保険の書類にその番号を記載すると、
「社会保険手続のために使う」と伝えていないため、
番号法違反となります。

このような事態を招かないようにするためには、
会社が最初に従業員から個人番号の提示を受けるときに、
今後の利用可能性を考慮して、最大限の利用事由を
記載したものを渡すようにすればよいわけで、
そのあたりのアドバイスが必要になるでしょう。

ロキソニンを買いに来た人に注意事項を
説明しなきゃいけない薬剤師さんの
気持ちがよく分かる人が増えそうですね。

では、いつのタイミングでアドバイスをすべきか、
早ければいいってものではありません。
早すぎると逆に効果はないでしょう。
ある程度、世に浸透してきた時点で
お伝えするのがベストかと考えます。
もちろん、遅きに失してはいけませんので、
個人番号が通知される平成27年10月までには
必ず行うべきでしょう。

また、源泉徴収票への記載はもちろんのこと、
支払調書にも個人番号の記載は必要です。
ということは、顧問弁護士や大家さんにも
個人番号を聞く必要があります。

平成28年分から記載が必要となりますので、
作成するのは平成28年の年末となるでしょうが、
個人番号が通知が始まってから契約する場合は
もちろんのこと、既に契約している大家さんや
弁護士さん、各種講演の講師の方などからも
個人番号を聞いてもらうようにしましょう。

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なお、配当等の支払調書については、
3年程度の猶予期間が設けられます。

会計事務所における管理体制の整備

会計事務所は、顧問先(委託者)から、個人番号を取り扱う
事務の委託を受ける者として、適切な管理をする必要があります。

そして、それだけではなく、番号法では、
「委託者(事業者)は、委託した個人番号関係事務で
取り扱う特定個人情報の安全管理措置が適切に講じられるよう
“委託を受けた者(税理士)”に対する必要かつ適切な監督を
行わなければならない」とされています。

実際には、税理士に丸投げという事業者も多いでしょうから、
「事業者がきちんと監督できているという状況を税理士が
整備する」必要も出てくることでしょう。

もちろん、事業者と税理士の間で、
個人番号取り扱いの委託に関する契約書なり
合意書なりを作成する必要も出てきます。

そして、大変そうなのが、「保管制限と廃棄」です。

個人番号が記載された書類がある場合、
その書類を保管するということは
個人番号を保管するということになります。

個人番号は、その必要がなくなった時点で
できるだけ速やかに廃棄又は削除しなければ
いけません。

ということは、個人情報が記載された書類は、その
保存義務期間が経過した後は速やかに廃棄又は削除
しなければいけません。

7年経過したら、扶養控除等申告書や源泉徴収票、
支払調書などの控えは廃棄しなければいけません。

事務手続を考えると、期限が到来するまで保管するよりも、
期限が到来したものを速やかに廃棄することの方が
数段難しく思われます。
廃棄することを想定して、資料整理をする必要があります。

税務ソフトにおいて、「事務所用控えのみ個人番号が
印字されない」という設定が望まれますね。

お客様の従業員の個人番号は一つのファイルにまとめておいて、
それ以外の書類には一切個人番号が記載されていない状態なら、
退職者の個人番号をその都度消していくことで
「保管制限と廃棄」についての対応がしやすくなるでしょう。

まだまだ不透明な制度ではありますが、今後また
なにか分かりましたら、記事にしていきたいと思います。

<追記>
平成27年10月の所得税改正によって、
従業員に渡す源泉徴収票へのマイナンバーの
記載は省略されることになりました。

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【編集後記】

今日は一気に冷え込みましたね。
神戸では昼から雪が舞いました。
こういう変化が激しいときに
体調を崩しやすいので、
気をつけましょう。

【一日一新】

シャンテクレール アールグレイとリンゴのデニッシュ

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。