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木曜日は税理士受験シリーズ。引き続き、退職給付会計について、です。

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今春できるもりのみやキューズモールでは屋上に設置された
ランニングトラック「エアトラック」で走れるそうです。

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退職給付引当金の増減

先週のブログで確認したように、「退職給付引当金」の増減要因は、
「退職給付債務」の増減と「年金資産」の増減です。

そして、これら二つの要素の増減要因は、
その性質上二つに分けることができます。

「お金が動くもの」と「お金が動かないもの」です。

前回はお金が動いたときの状況について確認しました。

今回はお金が動かないのに増減するとき、を確認しましょう。

お金が動かない増減要因

この状態から、お金の動きに関係なく、
これらの要素が増減することがあります。

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勤務費用

退職給付の主な発生要因は従業員の労働です。

退職給付会計においては、退職給付は労働の対価として
支払われる賃金の後払いである、という解釈です。

したがって、日々の従業員の労働によって、
退職給付のプラス要素である退職給付債務が増加します。

この、労働による増加分のことを“勤務費用”といいます。

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利息費用

次に、退職給付債務は、支払までの期間が長期になるので、
適正な評価をするために割り引き計算をしています。

1年時が経てば、昨年末の退職給付債務の金額は
1年分だけ、割引計算を戻さないといけません。

この、割引計算の戻しのことを“利息費用”といいます。

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期待運用収益

お金が動かないのに増減する要因は年金資産にもあります。

年金資産は、企業の外部組織によって管理・運用されます。

当然、毎年運用によって少しずつ増えていくことが予想されます。

その、運用による増加分のことを“運用収益”といい、
期首時点で一年間の運用を見積もる場合、
これを“期待運用収益”といいます。

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「退職給付費用」という科目での処理

これら3つの要素が、お金が動いていないにもかかわらず、
退職給付引当金を増減させる要因です。

これらの要因について、理屈で仕訳を切ると、このようになります。

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退職給付債務と年金資産の差額が退職給付引当金のため、
これら二つの項目を退職給付引当金に置き換えます。

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退職給付会計では、勤務費用、利息費用、期待運用収益を
「退職給付費用」という一つの科目にまとめて表現します。

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ということで、会計帳簿上での処理は
次のようになります。

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先週と今週のまとめ

先週の「お金が動く要因」とあわせると、
このようにまとめることができます。

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実際には、これ以外に“差異”という変動要因がありますが、
ここまでの説明では省略しています。

では。

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【編集後記】

昨夜はテニススクールでレッスン受講。
やはりコンスタントに練習しないと
当たりが悪くなる一方です。
その中で、サーブだけは日頃の
素振りと研究の効果がありました。
ビュッと音を出ることが大事!

【昨日の一日一新】

地域の回覧板作成・回覧
新しいサーブのフォーム

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。