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税制改正大綱の発表までもう一息。気になる点は人それぞれ、、、

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もうすぐ税制改正大綱が発表されます

与党の税制調査会から平成28年度税制改正大綱案が
公表されました。

まだ正式に決定したものではありませんが、
早ければ本日中に大綱として発表されるようです。

この税制改正大綱は、改正案的な位置づけのもので、
過去の流れからして、実現可能性の極めた高いものです。

企業向け税制から、個人向け税制まで、多岐にわたって
税の新設、軽減、見直しが公表されています。
消費税の軽減税率に関する調整が難航している模様です。

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(読売新聞HPより)

「景気」とは文字通り“気”から来る要素も強いので、
より経済が前向きになるように、さまざまな軽減措置が
組まれることは必要なのかもしれません。

収支バランスがありえないことに

しかし、一方で忘れてはいけないのが、国の一般会計の税収と歳出。
収支バランスです。

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(財務省HPより)

このグラフは昭和60年以降ですが、たったの一度も
税収(収入)が歳出(支出)を上回ったことはありません。

過去30年一度たりとも、です。

こんな状況下で、はたして耳障りのいい政策を
次々と通していていいのだろうか、と。

たとえば会社で、、、
毎月100万円の固定経費がかかるのに、
売上が60万円しか無かったら焦りますよね?
これまで貯めていた資金がどんどん減っていきます。

さらに、営業マンが取引先の顔色を窺って
5万円とか10万円を値引きしてきたらさすがに
「そんなことしてたら、会社つぶれるよ」って言いますよね?

たとえば家庭でも、、、
毎月30万円の給料での生活なのに、
長男がテニスのプロを目指したい、といって月10万円、
長女がピアノを習いたい、といって月10万円、
母はきれいでいたい、といってエステに月10万円、
父は仕事のつきあいが断り切れない、といって月10万円、
どう考えても、どんどん貯金が食いつぶされていきます。

そんなとき、一家の財布を管理するのがお父さんだとしたら、
「まずおれが、不毛なつきあい酒を一切止める。
だから、少し安い練習環境に替えてテニス頑張ろう。
レッスン回数を減らしてその分自主練習でピアノ頑張ろう。
お母さんは今のままでじゅうぶんきれいだよ。
みんなが協力してやりたいことを少し我慢するか、
見直そう」ってなると思います。

政府は今まで、国民の顔色を窺いすぎていたのでしょう。
「いいよいいよ、足りない分はよそから借りてくるから」

その結果、毎年借金は膨らみ、この平成元年と比べて
平成27年はおよそ5倍になっています。

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(財務省HPより)

税とは政治であり、税とは選挙である

もちろん、この間には世界的な不況や災害など、
外的要因もたくさんあったでしょう。

しかし、一番の問題は採算を度外視した毎年の予算編成です。

そして、そのばらまきともいえる政策を生んでいるのは国民です。

税制改正をするのは、国会であり、国会議員です。

国会議員は選挙によって選ばれます。

「政治家が悪い」という声もよくあがりますが、
その政治家を選んでいるのは国民です。

「政治家が三流の国は国民も三流。
国民が一流の国は政治家も一流」と
故三宅久之さんがよくおっしゃられていました。

ポピュリズムに走る政治家を落選させない国民が
この大きな借金を生んだ一番の要因です。

今般、公明党のごり押しによって
軽減税率の導入が行われようとしていますが、
前にこのブログでも述べたように、軽減税率には
課税の公平性を確保するための合理性がありません。

あるのは、痛税感を抑えるというまやかしだけです。
つまり、ポピュリズムの最たるものです。

おそらく自民党は、この公明党の主張を聞き入れる替わりに
次の選挙での協力を取り付けていることでしょう。

自分たちの政策を通すために相互に協力することが
決して悪いとは言いません。

ですが、その代償として失っているものの大きさにも
目を向けるべきではないでしょうか。

税における公平性が失われることは、国民にとって
決して軽視できるものではないと思います。

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【編集後記】
租税教育において伝えたいことを書き綴ってみました。
これからの若者世代には、ぜひ税制の表面に現れる現象
だけでなく、マクロの視点も持っていただきたいです。
それを伝えるのが、彼らより少しばかり長く生きている
大人の役割ではないか、と感じております。

【昨日の一日一新】
成城石井 ティラミスパフェ

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。