踏み絵(返納)ではなく供給側での対策をしてほしいものです。
免許返納に頼れない実状
自動車の危険な運転による
いたましい交通事故のニュースが
毎日のように飛び込んできます。
高齢者の判断・反応能力の低下を
指摘する声も少なくありません。
そして、免許返納を促す声が
日に日に強くなっていきます。
これを言うのは簡単ですが、
実際に返納するには
勇気が要ります。
特にモータリゼーションの恩恵を受けて
生活環境が整えられてきた地方都市では
自動車なしでの生活は相当不便になります。
関西において自動車なしで快適に生活できるのは
京阪神の都市部くらいではないでしょうか。
インフラ整備も現状維持が精いっぱいで
利便性が高まることは期待できません。
とすると、返納に頼る安全対策は
遅々として進まないことは
目に見えています。
別の手を考えなければいけませんし、
それはおそらくそうむずかしくはありません。
おおよそ、10年も経てば車は買い換えます。
自動ブレーキ設置の義務化
もっとも有効な安全対策は
今後国内で販売される自動車に対して
自動ブレーキの設置を義務化することです。
こうすれば、10~15年のうちに
国内の自動車の9割以上は
自動ブレーキ搭載車になります。
シートベルトやチャイルドシートが
法律で義務化されて以降、
そのおかげで多くの方の命が
救われています。
義務化はされていないものの
標準装備化しているエアバッグの
恩恵もあります。
自動ブレーキも特別な仕様として考えるのではなく、
1tを超える鉄の塊を高速で走行させるために
なくてはならない安全装置として普及させましょう。
急な飛び出しなど、防げない事故もあります。
が、防げる事故、助かる命もたくさんあるはずです。
モラルに頼らない安全対策を
自動ブレーキがあれば防げた事故があることは
多くの方の共通認識でしょう。
ただし、
「これまで大きな事故を起こしていないベテランドライバーが」
「自動ブレーキ搭載車を選択しないという選択肢もある中で」
「自動ブレーキが搭載された(好みでない)割高な車両を購入する」
というのはけっこうハードルが高いです。
現在、自動ブレーキ搭載車を購入するとなると
まず車両の選択肢が狭まります。
ほしい車に搭載されていないかもしれません。
また、搭載することで価格が高くなる場合もあります。
そして、今までついてなくても大丈夫だったという
自信のあるドライバー意識もあります。
もちろん、自発的に免許を返納する人も
いらっしゃるでしょうが、その大半は
インフラが整備された都市部の方であって
地方都市の現状としては返納したくても
その後の生活を考えると返納できない、
というのが実態でしょう。
こうしたジレンマを抱えたドライバーのモラルに
安全対策を頼るのではあまりにも消極的ではないかと。
高齢者だけでいいのか
現実問題として若年層のドライバーにも
その技術の未熟さ、判断能力・安全意識の低さ、
といった問題点が見受けられます。
高齢者の運転がやり玉に挙げられますが、
団塊の世代が高齢者にカテゴライズされ、
少子化による人口減少が避けられない現状は
国民に占める高齢者の割合は当然高まります。
さらに、所得格差の問題や傾向として
若年層の車離れが著しく、
年齢層別自動車保有比率を出すと
おそらく人口に占める高齢者の割合よりも
さらに上回る数字が出てくることが予想されます。
ということは、交通事故の原因に
高齢者の能力低下があるのも事実ですが、
ドライバーに占める高齢者の比率自体が
高まっていることも考慮する必要があります。
それらを考慮すると、
「高齢者の運転は危ない」というのは
いささか強引な指摘であり、
危ない運転をする人は高齢者に限りません。
したがって、高齢者だけを封じ込めても
安全対策としては万全を期したことにはなりません。
自動車メーカーの反発などがあるかもしれませんが、
20年ほど前に自動ブレーキ・自動運転の開発を妨害し、
安全対策を遅れさせたと言われている国交省は
今度こそきちんと対策を講じてほしいものです。
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【編集後記】
ブログとHPの問い合わせフォームからの
自動返信エラーを修正しました。
やらねばならぬ、と思いつつ、
後回しにしていたことが
やってみればあっという間で
なんでもっと早くやらんかったと
反省しています。
【昨日の一日一新】
あみのエーワン 42cm網
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❐石田修朗税理士事務所HP
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石田 修朗
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