木曜日は税理士試験攻略シリーズ。今週は財務諸表論(計算)について、です。

「借入金」の貸借対照表への表示科目

毎年のように出題される項目として、「借入金」があります。

企業経営において、金融機関からの借り入れというのは
主たる資金調達手段ですので、借り入れについて
財務諸表への表示を適切に行えるかどうかは
出題項目として当然でしょう。

借り入れを行った場合、仕訳はこうなります。

そして、この「借入金」を貸借対照表に計上する場合、
“1年基準”によって、次の3つの表示科目のいずれかに
振り分けられます。

各表示科目への振り分け

各表示科目への振り分け基準(要件)は次のとおりです。

表にするとこんな感じになります。

オーソドックスな判定の手順は、以下のとおりです。

解答手順

「借入金」の表示を考える上では、まず
借入先をチェックする必要があります。

取締役等の役員からの借り入れの場合や、
関係会社からの借り入れの場合には、
貸借対照表に関する注記や特別な表示が
必要となるからです。

そこをチェックしたら、次に確認したいのは返済方法です。

「一括返済」の場合と、「毎月末均等額返済」の場合があります。

「一括返済」の場合は、返済期日が到来するまで一円も返済しません。
「毎月末均等額返済」の場合は、毎月一定額を返済します。

「一括返済」の場合は、返済期日=返済日ですが、
「毎月末均等額返済」の場合は、返済期日=最終返済日であって、
返済期日までの間、毎月返済が発生します。
つまり、翌期に入ってからも、毎月返済がありますが、
これは借入金の一部返済ということになります。

ですので、「毎月末均等額返済」の場合で、
返済期日が翌々期以降のときは、その借入残高は
“1年以内返済長期借入金”と“長期借入金”に
わかれて貸借対照表に計上されることになります。

以下、解答手順をまとめてみました。

なお、本試験では、流動負債の区分に、
“1年以内返済長期借入金”を記載するスペースが
設定されていないことがあります。

その際は、“短期借入金”に含めて表示してください。

以上、本試験頻出項目である借入金対策でした。

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【編集後記】

今日、山陰地方のズワイガニ漁が解禁されます。
今年は香住町の松葉ガニを狙っています。
山陰地方まで車で2時間と少し、
姫路はいいところです(^-^)

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。