光熱費やカード払いの燃料費など、について。

本来やるべき方法

8月分の電気代が9月に口座から引き落とされる

これってよくある動きです。

利用実態と支払いがズレるケースです。

これを会計データとして入力する際に
8月の日付(例えば31日)で入力するか、
9月の口座引き落としの時点で入力するか、
という問題があります。

<前者>

<後者>

どちらが正しいかというと
前者が正しいです。

しかし、前者による場合には

8月31日
水道光熱費 ×× // 未払費用 ××

9月(引き落とし日)
未払費用 ×× // 普通預金 ××

という風に、2つのデータを
生成することになります。

これが後者によると

9月(引き落とし日)
水道光熱費 ×× // 普通預金 ××

という風に1つのデータ生成だけで
完結できます。

そこで、煩雑さを理由に
後者の処理方法を
採用している会社も
まだまだ多いです。

その場合のデメリットは、
その月に本当に使った(消費した)
電気代や水道代が反映されない
(一月遅れで計上される)というもの。

具体的には、毎月の利益の計算が
正確性を欠くことになります。

毎月ほぼ一定だし気にならんよって場合には、
それほどのデメリットではないかもしれません。

一方、後者の処理はシンプルで
担当者の負担が軽いうえにミスが
おきにくいメリットもあります。

このようなバランス関係を理解したうえで
後者を選択することは否定しません。

けれども、1年間の成績を確定させる
決算だけは最低限きちんとしたいです。

後者のパターンでいくと
正しい計測が行えていません。

その結果、会計情報も実態を反映しない
まがいものということになります。

これはなんとかしないといけません。

そこで、4月に支払うもののうち
3月末日までに発生しているものは

〇〇費 ×× // 未払費用 ××

として処理します。
(3月決算の会社の場合)

すると、1年間の合計値としては
正しい数値が計測できます。

今日の議題はこのあとについて、です。

翌期になって

決算が終わって次の期に入ります。

4月に支払いがあるもののうち、
前の決算で未払処理したものを
どう扱うか、です。

未払計上した費用を支払った場合、

未払費用 ×× // 普通預金 ××

とするのが通常の流れです。

そして、今度の3月にふたたび
4月支払分を未払費用で処理すれば
正しい数値が計測できます。

しかし、このやり方だと
思わぬ弊害が生まれます。

それは、月次比較(月ごとの比較)が
できなくなるという点です。

上記のとおりに処理をすると

4月はその費用が計上されません。
5月以降は支払いに応じて
費用が計上されます。

実態はというと、4月も5月も6月も
そのサービス提供を受けているにも
かかわらず、です。

これでは会計情報が会社の実態を
反映しているとはいえません。

そこで、4月の支払時にあえて

水道光熱費 ×× // 普通預金 ××

と処理して、未払費用を
残しっぱなしにします。

こうすることで、4月以降の費用の
月次比較が可能になります。

ひずみは生じる

翌期に入って、ふたたび
支払いベースで入力していくと
12回の支払いで12回分の経費が
データとして入力されます。

で、その次の年の4月の支払いは
3月分だよねってことで
また未払計上の処理をすると
13回分の費用が計上されます。

あれ、どこがおかしいのか、、、

そう、それは4月分です。

前年に未払で計上したにもかかわらず
ふたたび今年計上したことで
ダブってしまっています。

これをなんとかしないといけません。

そこで、次の3月の決算のときに

未払費用 ×× // 水道光熱費 ××

とデータ入力します。

これによって、前年の決算で
計上されていた未払費用は
解消されます。

もともと、4月に支払った水道光熱費は
前の決算ですでに計上していたので
このデータ入力によって
4月に支払ったときに入力した
水道光熱費を年間計測額から
マイナスします。

なぜなら、前の決算のときに1回、
4月の支払時にもう1回、と
計2回計上されていたからです。

これで、月次比較も、年間トータルも
ズレることはありません。

気持ち悪いのはすでに4月に支払った
「未払費用」の残高が来年3月まで
残りっぱなしになるという点です。

この状態を受け入れてでも、
月次比較に有効性を持たせたい

というのがわたしの持論です。

毎月未払計上するのが
理想なんですけどね。。。

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【編集後記】
金曜日に予定していた人間ドックは
諸般の事情で延期にしました。
人生初の胃カメラに
ビビったわけではありません。
のっぴきならない理由です。

【昨日の一日一新】
NakazakiCoffee WinterBlend

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❐石田修朗税理士事務所HP

石田修朗税理士事務所[姫路]

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。