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延払基準の勘どころについて。
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目次
時期の特例の趣旨
所得税や法人税で認められている
『延払基準』『工事進行基準』は
消費税においても認められます。
そもそも、消費税では
資産の譲渡等の時期の原則は
『引渡基準』とされています。
会計・税務においても同様ですので、
なんら抵抗感のないところでしょう。
消費税としてはこれで完結しても
いいわけですが、
困ったことに『引渡基準』による
経理がされないことがあります。
たとえば、代金を長期分割で回収する
長期割賦販売等を行った場合には
『延払基準』を適用することで
収益の分割計上が認められます。
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『延払基準』とは、回収に応じて
売上を計上するルールのこと。
これによると、入金に合わせて
売上を計上できるため、
未入金部分への課税が防げ、
納税資金の確保が容易になります。
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そのためには『延払基準』の方法により
経理することが要件とされています。
そうすると、会計帳簿(仕訳帳、元帳)や
それに基づく損益計算書・貸借対照表は
『延払基準』で処理されたものができあがります。
この場合、経理処理は引渡基準になっていません。
そのときに、消費税が
「いや、うちは引渡基準しかあかん」と
突っぱねたら事務負担がかかりますよね。
ですので、その場合には消費税においても
『延払基準』を認めようという話です。
消費税が単独で『延払基準』を認めるのではなく、
経理処理との整合性を取りたいだろうから
特例として設置してあるのです。
したがって、会計の段階で
『延払基準』の方法で経理しないなら
消費税においてその適用はありません。
『工事進行基準』についても同様です。
会計処理との整合性を保つ方が
消費税の計算がしやすいということで
その特例が設けられています。
また、両者ともに消費税では“できる”規定です。
『延払基準』で経理 → 消費税でも『延払基準』を使ってもいい
『工事進行基準』で経理 → 消費税でも『工事進行基準』を使ってもいい
たとえ『〜〜基準』で経理されていたとしても
原則どおり『引渡基準』を採ってもいいのです。
あえて引渡基準もあり
『延払基準』で経理している場合、
消費税の計算も『延払基準』で
行うのが圧倒的に楽チンです。
しかし、『引渡基準』によっても
なんら問題はありません。
以下に示す場合には、
あえて『引渡基準』によることで
メリットが出てきます。
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ベースとなる売上が4,500万円の
課税事業者があります。
あるとき、月一回30回払いの割賦販売で
3,000万円の売上が発生しました。
毎月100万円ずつ、30ヶ月にわたって
回収していきます。
分割での受取りだと、資金繰りは苦しくなります。
法人税では、納税による資金負担を考慮して
『延払基準』で経理することにしました。
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このときに、消費税で『延払基準』を適用すると
3年間すべて5,000万円を超えることになります。
それぞれの2年後は原則課税しか採れません。
都合、3年にわたって、原則課税が
適用されることになります。
一方、『引渡基準』によれば、
初年度の売上は7,500万円ですが、
残り2年の売上は4,500万円のままです。
原則課税への縛りは1回だけで、
あとは(届出を出していれば)
簡易課税の適用が実現します。
一時的な納税負担に耐えられるのであれば
簡易課税による(実質益税の)メリットを視野に
こういうやり方も検討する価値はあります。
工事進行基準を適用するような工事を
受注する会社の売上は簡易課税の
選択の範囲ではないかと思いますが、
長期割賦販売等については
こうした可能性がないとはいえません。
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【編集後記】
冒頭の写真は、先週末に大手前公園で
開催されていたクラシックカーの祭典、
COPPA DI HIMEJI の一コマです。
割賦でも買えないスーパーカーの
パレードは壮観でした。
【昨日の一日一新】
ホワイトテープ(非伸縮性)
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❐石田修朗税理士事務所HP
開業支援・経営計画支援の石田修朗税理士事務所
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石田 修朗
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