消費税について、正しい知識を持ちましょう。

(fujifilm X-T2、XF56mmF1.2)

消費税の仕組み

消費税は取引の種類によって
課税か否かが決定されます。

課税される取引については、
その取引の対価の授受の際に
支払側が受取側に消費税をわたし、
受取側がそれを国に納めるという
仕組みを採っています。

このときの支払側が消費者、
受取側は事業者です。

国内で行われる取引の大半は
消費税の課税対象となります。

したがって、商売をされている場合、
一定額の消費税を支払側(消費者)から
受け取ることになります。

これを税務署に納めないといけません。

このときに、自身が支払った消費税は
差し引いていいことになっています。

(税率10%という設定で説明します)

たとえば、事業者が年間に
2,000万円の商品を販売した場合、
それに10%を上乗せした200万円を
支払側(消費者)から受け取ります。

この200万円をそのまま納めないと
いけないかというと、そうではなく、
事業活動の中で支払った仕入代金と
事務所家賃が合計1,200万円あったとしたら
それらの取引で合計120万円の消費税を
仕入先と大家さんに支払っているはずですね。

これは納付税額の計算において
マイナスしていいことになっています。

したがって、上記の例で計算すると

200万円 ー 120万円 = 80万円

を納付することになります。

赤字でも消費税を納める理由

消費税は、法人税や所得税とちがって
赤字であっても納税が発生します。

正確に表現すれば、
納税が発生する可能性が高いです。

それはなぜかというと、

利益(儲け)に対してかかる税金ではないから

です。

前述の例ですと、利益は

2,000万円 ー 1,200万円 = 800万円

となります。

利益は800万円、消費税納税額は80万円。

なんとなくバランスがいいです。

が、ここで人件費を足してみます。

1年間でかかった給料が900万円あったとします。

すると、利益は

2,000万円 ー(1,200万円+900万円)= △100万円

そう、赤字に転落します。

このときに追加した人件費ですが、
取引の中身としては
従業員が提供する労働役務の提供です。

この労働役務の提供には
消費税は課税されません。

つまり、消費税の支払いが上乗せされません。

給料を計算する際に
消費税を上乗せしないですよね?
そういうことです。

結果、消費税の納税額の計算は

200万円 ー 120万円 = 80万円

となり、さっきと同じです。

そう、赤字でも納付がおきるのは
こうした理屈です。

毎月事業活動の数字を見て、
「儲かっていないから税金はかからないだろう」
と思っていると大きなしっぺ返しを
くらうおそれがあります。

とくに、人件費比率が高い事業者は
注意が必要です。

消費税の納税対策

利益だけを観測していてもわかりにくい
消費税の納税対策のためにやるべきは

①月次データ管理において毎月の発生額を計算すること

②消費税納付のための貯蓄を行うこと

この2点です。

①は税理士のサポートを受けていれば
その要望を出せば大丈夫。

【税抜経理】(売上が税抜金額で集計される)であれば、
仮受消費税と仮払消費税の差額をチェックすることで
概算できます。

【税込経理】(売上が税込金額で集計される)であれば、
概算額を

(概算消費税) ×× // (未払消費税) ××

として計上してもらいましょう。

(概算消費税)は「販売管理費」として
計上することで利益予測も正確に行えます。

②の貯蓄は、①の計算結果を基に
将来の納税額を別口座に移します。

事業で頻繁に使っている口座のお金は自分のお金
納税準備用の口座は人のお金

という意識が必要です。

わたしがこうした取り組みをする会社の
キャッシュ・フロー計算書を作る際には
この納税準備用口座の残高は
別枠で記載するようにしています。

とにかく、自分のお金と誤解しないことが大切です。

税負担者(消費者)から預かった消費税は
滞納することなく国に届けましょう。

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【編集後記】
ここ数日のTLで
ネタをいくつかもらったような
ネタにもならないような・・・。
まぁ、気が向いたら調理します。

【昨日の一日一新】
新大阪でいつもとちがうスタバ
Fireタブレットに時間を聞いた

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❐石田修朗税理士事務所HP

石田修朗税理士事務所[姫路]

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。