ツイートしましたが、ブログでもこの問題を書き記しておきます。
現状
保険診療報酬、消費税は非課税
現在、公的医療保険でカバーされる、
いわゆる社会保険診療の報酬については
政策的な配慮から「非課税取引」と
されています。
日本医師会からの強い要望のもとで
実現したと言われています。
事実、そのような記述が
厚生労働省の資料に残っています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002gaxb-att/2r9852000002gb30.pdf
伴さん、情報ありがとうございます!
医療の消費税非課税措置は、消費税導入時に医業界の要望により実現したものなんですよね。
仕入税額控除の制限によって病院経営が圧迫されているのは事実ですが、墓穴掘ったとしかいえません…😅 pic.twitter.com/4Cc2RwXpGi— ばん よーたろー@7月25日マジカチ名古屋#2 (@ban_tax240) 2019年7月18日
課税仕入れの消費税が控除できない
消費税は消費者が負担する税金です。
ただし、消費者個人が納付することは
現実的ではないので、消費者にモノや
サービスを提供した事業者が消費税を
預かって、それを納付する仕組みが
採られています。
また、事業者が仕入時に「支払った消費税」は
その相手方で「預かった消費税」と認識・納付
されることになるので、「預かった消費税」から
「支払った消費税」を差し引いた残額を
納付すればよいことになります。
したがって、納付税額は次のように計算します。
<関連記事>
【消費税への提言】〜その1〜 消費税の仕組みと現行制度の問題点 | Relax & Focus 〜姫路を拠点にする税理士のブログ〜
ここで、一つ問題が生じます。
「非課税売上のために行った課税仕入れ」に
含まれる「支払った消費税」については
それをマイナスすることが認められていません。
つまり、医療機関が行う薬品や設備機器の仕入は
課税取引ということで消費税が上乗せされた代金を
支払うのですが、そこで「支払った消費税」は
納税額の計算上マイナスできません。
その結果、その「支払った消費税」を
消費者でもない医療機関が負担するという
悲劇が起きてしまいます。
自己負担は気の毒だから
自己負担となることを看過しているわけではなく、
消費税相当額を“診療報酬に上乗せ”することで
医療機関が自己負担とならないように
配慮されています。
これで、医療機関のキャッシュは
いちおう守られました。。。
問題点
非課税なのに、、、
①診療行為に消費税は不適当であり非課税とすべき
②非課税となると、医薬品や設備購入の際の消費税が自己負担になる
③自己負担が生じないように診療報酬を改定して上乗せする
ということで、患者さんが支払う診察代や
薬科代は非課税という立場を守りつつ、
医療機関が不利益を被らないように
診療報酬にその分を上乗せして対応する。
おぉ、これは各方面に配慮された
すばらしい仕組みが構築されている・・・、
とはなりませんよね。
「診療報酬に上乗せ対応している」って
それって医療行為の受診者が消費税を
負担しているということですよね。
「非課税」じゃねえじゃん
ってことになります。
対応策がなければないで、、、
かといって、診療報酬への上乗せという
対応策がなければないで、
医療機関が税の趣旨に反する負担を
強いられることになります。
課税されるもので、その負担者は消費者である
これが大原則ですので、
対応策がないのもまた問題です。
解決策
非課税から免税へ
実は、税負担をゼロにする形式は
「非課税」だけではありません。
もう一つ、「免税」という扱いがあります。
こちらは「非課税」とはことなり、
「免税売上のために要した課税仕入れ」に
含まれる「支払った消費税」は納税額の
計算上、マイナスすることができます。
すると、どんなことが起きるか。
スポットをあてたいので、消費税相当額を
診療報酬に上乗せしている話は度外視します。
保険診療が非課税という扱いだと
徴収する国側からみれば、
消費者には「非課税ですよ」と
アピールしておいて、実際には
ちゃっかり消費税をある程度
回収している構図になります。
それが免税という扱いにすると
診療所に後日2,400円を
還付(返金)することで
診療所が仕入の際に支払った
消費税相当額を自己負担する
ことを回避できます。
両者を比較すると
このようになります。
これなら、“診療報酬上乗せ”という
国民へのまやかしをすることなく
この問題を解決できます。
たしかに医師会側の強い要望で
「非課税取引」となった経緯は
ありますし、
そこで「免税取引」を要望しなかった
医師会のミステイクは否めなせん。
けれど、その当時のやりとりに固執して
不必要な負担を国民に強いている現状は
このまま放置してよいものではありません。
財務省(旧大蔵省)も当時のことはそれとして
扱いを変更する対応も必要ではないでしょうかね。
税収が減る???
かわりの財源はどうするんだ???
そもそも税収が発生しないのが「非課税」ですから
その税収をアテにすること自体が趣旨に反しています。
その点、わたしは消費税廃止論者ではなく、
むしろ消費税絶対必要かつ増税論者であり、
「所得課税中心からの脱却が必要」という
スタンスです。
<ウルトラC>非課税をなくす
そもそも、「非課税取引」という概念を
すべて「免税取引」に吸収すれば
消費税の世界はシンプルになります。
<関連記事>
【消費税への提言】 〜その4〜 非課税売上と課税仕入れの関係 | Relax & Focus 〜姫路を拠点にする税理士のブログ〜
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【編集後記】
今日は長男がこども園の
お泊まり保育です。
人生初のお泊まりで
どんな感想になるのか、
明日帰ってきて
話を聞くのが楽しみです。
【昨日の一日一新】
SATECHI
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❐石田修朗税理士事務所HP
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石田 修朗
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