見ているよ、というメッセージが大切です。

典型的な不正事例

経費精算

経費精算での不正といえば
私的流用や私物混入です。

会社の給油カードで
自家用車に給油するなどが
典型的なケースです。

仮に月に一度5,000円の
不正利用をしていた場合、
年間で60,000円です。
5年間だと300,000円。

これだけ積み重なってから
発覚したら、不正していた人は
社内での信用とポストを失うだけでなく
その負担で生活が困窮するかもしれません。

一方、会社は負担する必要のない金額を
支払っているわけですから、資金繰りに
悪影響を及ぼすのはもちろん、
そのガソリン代については修正申告によって
追加の税金納付が発生します。

これに伴う罰金的性質の税金もあります。
これもまた会社にとっては損害です。

廃棄物の下取り

鉄くずや段ボールなどの廃棄物は
有料で引き取ってくれます。

会社のゴミとして存在するこうした廃棄物を
勝手に持ち帰って処分換金する行為もまた
不正行為に該当します。

本来であれば、その下取りで換金したお金は
会社の財産ですので、会社の財産のパクった
という図式になります。

この場合もまた、会社への返金が当然必要ですし、
社内での信用とポストを失うことになります。

一方、会社においては
廃棄物を換金したことについて
収入が生まれるわけで、
それに基づく税金の追加納付が
発生します。

困るのは誰か

もちろん、被害者は会社です。

が、困るという観点でいえば
(自業自得ですが)不正を
働いた人も相当に困ります。

会社にとって従業員は財産です。

財産である従業員がこのような事態に
陥らないために何が必要か、
それは不正ができない仕組みの構築です。

「社員教育こそ必要だ」という声も
わからないわけではありません。

が、人の価値観は生まれたから
現在に至るまで接してきた大人たち、
とくに両親や親戚、教師、近所の人、
こうした人たちからの学びで形成されます。

そこにやや問題がある社員がいたとして
会社が教育プログラムでどうこうしようとしても
そう簡単にはいきません。

もちろん、教育することも大切ですが、
それよりなによりまず第一にやるべきは
不正ができない、すぐにバレる仕組みに
することです。

そうすれば、魔が差すことも減らせます。

「あかん、絶対にバレる」と思えば、
悪事に手を染める可能性は激減します。

コンビニで、棚に並んだお菓子を万引きする人は
一定数いたとしても、レジの前にあるお菓子を
店員さんの目の前で万引きする人はいないです。

バレると思えば、抑止力が働きます。

そうすることは、社員を信用していないのではなく、
たとえ精神的に弱くなって揺らいだとしても
一線を越えさせないための会社の優しさでもあります。

不正を防ぐ仕組み

随時棚卸しの実施、と
経費精算チェックの徹底、
これは多くの事業に有効です。

売れ筋商品ほど、持ち帰ったら
転売できる可能性が高いです。

こうした人気商品がある場合には
日々棚卸しで在庫数と販売数を
チェックします。

そして、チェックしていることを
社内に周知します。

そうすることで、不正は減ります。

経費精算もちゃんとチェックして
気になったことはどんどん聞くべきです。

出勤日でない日に給油している、とか、
行くはずのないエリアの店の
領収証が出てきた、とか、
そうしたことがあればその都度確認です。

それがあれば、うかつにプライベートを
紛れさせられないと思いますし、
それがなければ、「あれ、これって
プライベートのものを混ぜても
バレないんじゃ??」という囁きが
聞こえてくる可能性があります。

その囁きに流されて不正を働いたら
最終的に困るのは当人です。

その人もわが社を選んでくれた仲間です。

仲間をそんな窮地に追い込まないためにも
不正ができない仕組みづくりが大切です。

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【編集後記】
今週のタックスマン対応は
今日で一応終わりました。
ピッカピカの会社なので
安心していましたが、
ピッカピカのお墨付きを
いただけたので一安心です。

【昨日の一日一新】
レオフォト 三脚

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❐石田修朗税理士事務所HP

石田修朗税理士事務所[姫路]

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。