税理士試験において、理論暗記は避けては通れません。
まずはなぜ暗記する必要があるのか、を考えてみましょう。
採点者は答案からしか評価しない
税理士受験の理論問題対策の勉強をしていると、
それぞれの内容についてどれくらいの精度まで
高めればいいのか、わからなくなることがあります。
そんなときはその問題において自分がどのように
評価されるのかを考えてみましょう。
内容がだいたい理解できたということで
その項目をクリアしたとするのは早計です。
理解していることと答案に記述することは別物です。
内容がわかっても、それを答案用紙に記述できなければ、
採点者はその人を評価することができません。
まったくわかっていない人と同じ評価となります。
採点者はあなたが書いた言葉と文章で評価を下します。
採点者は答案用紙への記述であなたを評価します。
答案用紙にその知識をしっかりと記述できるように
なったかどうか、を判断基準にする必要がありますね。
理論問題対策に暗記は絶対に必要
前項で答案用紙への記述が必要なことを述べました。
では、なぜ理論問題対策に暗記が必要なのでしょうか?
税法の条文や会計理論を理解しているだけでは
ダメなのでしょうか?
ダメなんです。試験突破には暗記が必要なのです。
では、なぜ理論暗記が必要なのでしょうか?
主に2つの理由があります。
一つは、「試験に時間制限があること」です。
もし試験時間が無制限であれば、条文や会計理論の
記憶を引っ張り出してきて、それらをつなぎ合わせ、
ブラッシュアップして答案を作成できます。
しかし、税理士試験は一科目2時間の勝負です。
この長いようであっという間の時間の中で
正確な答案作成を行うためには、定番の論点に
ついて暗記しておくことが必須です。
そうすることで、定番の問題への対応を迅速に行い、
事例問題や横断的な理論問題など、複数の知識からの
アプローチが必要な問題への対策時間を作ることができます。
つまり、まだ見ぬ難問に取り組む“時間を捻出する”ためにも、
定番の理論についてはしっかりと暗記をして、いつでも
すらすらと書けるようにしておく必要があります。
暗記が必要なもう一つの理由は「用語への慣れ」です。
会計学の世界でも、税法の世界でも、
その言葉や表現は独特のものがあります。
そして、受験ではその世界の言葉や表現を
巧みに使う必要があります。
なぜなら、採点するのは出題者であり、
彼らはその道のプロだから、です。
問いかけに対する解答がたとえ
内容的にズレていなかったとしても、
適切な用語を使いこなせていなければ、
それができている答案と比較されると
やはり点数は低くなることでしょう。
税理士試験は上位10〜15%が合格する競争試験です。
「自分がどれだけできるか」も大事ですが、
試験突破において意識しないといけないところは
「自分が他の受験生と比べてどれだけできるか」です。
同レベルの知識を持ったライバルと
差をつけられないようにするためにも、
またライバルから頭一つ抜け出すためにも、
正しい用語や表現を使いこなすことは必須なのです。
内容を理解することがゴールではありません。
もちろん、訳のわからない言葉の羅列を覚えるよりも
内容をイメージしながらの方が覚えやすいです。
したがって、その内容を理解できているかどうかは、
理論暗記の成否を分ける大きな要素となります。
まずは内容理解に努めましょう。
しかし、それで立ち止まってはいけません。
ゴールは試験突破であり、そのために必要なことは
“正しい用語や表現を駆使した答案用紙への記述”です。
それを可能にするための最適な方法、それが暗記なのです。
全体の流れを意識することで暗記モチベーションを上げよう
「内容理解」→「暗記」が最適な流れですが、
もっとも大事なのは、8月初旬の本試験に向かって
最適なペースで学習を進めることです。
授業のカリキュラムは試験突破に必要な学習の
ペースメーカーです。これに後れを取るということは、
本試験に間に合わなくなる可能性が高まることを
意味します。
ときには、内容がなかなか理解できないときもあります。
たとえ理解が間に合っていなくても、暗記は続けてください。
(暗記することで理解が深まることもあります)
合格へのペースに後れを取ることだけは避けたいのです。
試験突破に必要なペース(カリキュラム)に合わせて、
理論をこつこつと暗記してくださいね。
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【編集後記】
季節が変わり、予想外に冷え込むと
アレルギー反応なのか、咳き込みます。
今年もついにそのときがきました。
咳き込むせいで寝不足になりますが、
腹筋は多少鍛えられます(^^;)
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石田 修朗
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