一致することもあればしないこともあります。

経済的利益

企業にとっての経済的利益は
活動の元手である資金が
活動の稼ぎによって増加すること。

わかりやすいのが
100円で仕入れたりんごを
150円で売るという行為。

50円の経済的利益が生まれます。

単純化してしまえば
ただこれだけのこと。

これを何回も何十回も
繰り返して、その規模が
拡大していきます。

会計の世界ではこれを
「売上150」「仕入100」
両者の差額として「利益50」
と表現します。

税金削減

会社なら法人税、
個人事業者なら所得税、
ともに儲けに対して
課税される税金です。

儲けに対して一定の税率を乗じて
税額が計算されます。

したがって、税率を乗じる前の
儲けを少なくすれば
税額は少なくなります。

いくら納めたところで
引換に恩恵がないのが
税金です。

であれば、その納付額が減少すれば
それだけメリットがあるはず。

そう考えがちです。

少なくなるにこしたことはないと
なんとか削減するために
あの手この手を考えたくなる
気持ちもわかります。

しかし、それが本当の意味で
事業の経済的利益と一致しているかは
立ち止まって考える必要があります。

一致と不一致

両者が一致する場合

生産性が向上する設備投資をしたり、
従業員への給料を増加すると、
社会に対して貢献してくれたということで
「税額控除」という恩恵が与えられます。

その名のとおり納付する税額を
控除(減額)するというもの。

これはまちがいなく、
経済的利益に繋がる
税金の削減です。

迷うことなく取り入れましょう。

どういったものがあるかについては
時代の変化と共に変化します。

こうした制度へのフォローを
逃さないためにも
税理士に相談することを
オススメします。

両者が不一致の場合

本来必要のない備品を購入したり、
本来必要の無い飲食費を使ったり、
こうしたことは両者が不一致になります。

つまり、こうした行為で税金は削減できますが、
それ以上に会社の資金が減少します。

なぜなら、税率が100%を超えることはないからです。

税率が30%とすると、
10,000円使ったら
税金が3,000円減ります。

一方で、10,000円支払いをしたら
10,000円の資金がいったん減少します。

つまり、10,000円使って
3,000円安くしているんです。

もう少し高額の設定にしても
答えは同じ。

50,000円使ったら
税金が15,000円減ります。

一方で、50,000円使ったら
50,000円の資金がいったん減少します。

つまり、50,000円使って
15,000円安くしているんです。

前者なら7,000円、
後者なら35,000円、
手元資金は減ってしまうんです。

これって損してますよね・・・。

その備品がどうしても必要だった、
その飲食は必要不可欠だった、

ならば、それは経営判断として
オッケーだと思いますが、
「どうせ税金を払うくらいなら」
という思考が働いたなら要注意です。

目先の税金納付の痛みに惑わされて
結果的に財産を減らしてしまいます。

経営者の意識すべきことは
事業財産の最大化、
もしくは最適化です。

その意思決定が本当にそこに繋がるか、
きちんと精査する習慣をつけていきたいです。

最後に

そうしたアドバイスをわれわれ専門家は
きちんと伝え続ける必要があります。

毎日乗っている車が
動かなくなったとします。

その原因を修理業者に尋ねたときに
5年前と同じ症状だったとしても
「前に言ったやん」と言われたら
「そんなん覚えてないよ」って
なると思うんです。

専門知識ってその畑にいる人でなければ
通り過ぎたら忘れ去るものなんです。

だからこそ、しつこいくらいに
指摘しないと伝わらないなって
思っていますし、
経営者がそこを忘れていたとしても
それは仕方ないよなって思います。

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【編集後記】
暑い日が続いていますね。
明日は長男を連れて
初めてのキャンプです。
遊びすぎないように
注意しなければ。

【昨日の一日一新】
エアベッド

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❐石田修朗税理士事務所HP

石田修朗税理士事務所[姫路]

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。