できないこともないしな〜、という気持ちとの決別。

選択と集中

事業活動には経営資源が必要です。

人員、資金、独自資産、立地など、

こうしたものがすべて潤沢にある
中小零細企業はほぼないでしょう。

なにかが足りない、あるいは
ほとんどが足りない、みたいな
ところで活動しているというのが
実態ではないかと。

かくいうわたし自身、
そのほとんどが
不足しています。

そんな中小零細企業が
大手資本ではなく
自分を選んでもらうには
なにかしらのメリットで
その足りない部分を
補うよりほかないと
いうのは明らかです。

すると、必要な戦略は
「足りない部分の強み化」
ではなく
「足りない部分の補てん」と
「強みの伸長」です。

限られた経営資源で
こうしたことを実現するには
「選択と集中」が不可欠です。

すべてを追いかけるには
経営資源が不足しているからです。

それはつまり、
「やらないことを決める」ことと
それを守り続けることにつきます。

例外の余地を与えない

適切な仕事量

わたしはひとり税理士として
活動しています。

開業当初は税理士業が少なく
講師業にかなりの時間を
投下していましたが、
現在ではめいっぱい
税理士業に没頭しても
週3日くらいは投下する
必要があるくらいの
仕事量の依頼を
いただいています。

これ以上詰め込むと
自己の鍛錬や研究といった
時間を犠牲にすることになり、
それでは不測の事態に落ち着いて
対処することが難しくなります。

自己の鍛錬や研究の時間は
必要な時間でもあり、
不測の事態に備える
バッファの時間でもあります。

このバランスを維持するために
こだわっていることに

「相続の仕事を引き受けない」
「データ入力業務を引き受けない」

この2つがあります。

相続の仕事を引き受けない

わたしは相続の細かいところまで
精通しているわけではないです。

同業者にはもっとスペシャルな方が
たくさんいらっしゃいます。

彼らが30分で判断がつくところを
2日くらいかけてしまうおそれも
あります。

6月以降だけでも、
近しいところで相続の話が2件あり、
相談を持ちかけられたので
相続に詳しい知り合いの税理士を
紹介しました。

そうすることで、その方は
スペシャリストのサービスを
受けることになりますし、
わたし自身もイレギュラーな業務で
時間を失うことがありません。
そして、その紹介先にとっても
決して悪い話ではないはずです。
(紹介料とかは発生しませんし)

結果的に“三方よし”になるので、
この進め方が気に入っています。

データ入力の仕事を引き受けない

データ入力については
専門的な知識も
持ち合わしています。

が、その代行を引き受けて
対応するだけの時間を
常に用意できません。

資料の遅れや漏れが発生して、
いたずらに拘束されたり
圧迫されたりということが
起きがちな業務だからです。

セカンドオピニオンで
関与している事業者さんは
データ入力をとある会計事務所に
丸投げされているのですが
スピードが遅く、
精度も高くないので、
内容の精査もままなりません。

社長はわたしに「データ入力から
依頼したい」とおっしゃられますが、
それは固辞しています。

経理スタッフを入れて
彼ら彼女らにそのやり方を
教えていくというスタイルなら
やらせてもらいます、と。

最後に

いずれの事案も、別に現状では
受けられなくはない負担です。

が、自社の強みをつくるために
「やらない」と決めたこと、
「やるべきでない」と判断したこと、
これを「今は時間があるから」と
なんとはなしにやってしまったら
ズルズルとなし崩し的に
境界線がなくなる予感がします。

だから、「やらない」と決めたことは
絶対にやらないでいこうと決めています。

くだんの社長からは「頑固もんやなぁ」と
笑いながら言われましたが、、、

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【編集後記】
今日は終戦の日です。
わたしにとっては一年でもっとも
戦争を意識する日でもあります。

大きな渦に巻き込まれてしまうと
抜け出したくても抜け出せない、
そのためにも巻き込まれないことが
大事だということは平和を望む
多くの人の共通認識かと思います。

では、そのためにどうあるべきなのか、

米軍に頼り続けることが最良の策なのか、
自主防衛の道を探るべきなのか、
そのために憲法9条を念仏のように
唱え続けるだけでいいのか、
国軍を保有してそれを誇示するのか、
答えのない問題を突きつけられています。

ひとつ感じるのは、戦争に負けて
「無条件降伏」をしたわけですが、
数十年経って「この憲法は押しつけだ」
というのはやや傲慢ではないかということ。
敗戦国が「無条件」に「降伏」って
そういうことですよね。
わたし自身、憲法改正や
その議論が進むには賛成ですが、
「押しつけられた」を前面に
出されると違和感があります。
「押しつけられたから変えよう」ではなく
「国民の幸せのために変えよう」が
本来あるべき姿のはずです。

【昨日の一日一新】
姫山公園でトンボ捕り

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❐石田修朗税理士事務所HP

石田修朗税理士事務所[姫路]

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。