それは、支給基準の事前開示です。

賞与の意味合い

賞与ってそもそも何だろうという点から。

労働基準法では、賞与は

定期または臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて
支給されるものであって、その支給額が予め確定されて
いないもの

とされています。

労働者の感覚としては
会社・個人の業績いかんによっては
支給されないこともあるものの、
ある程度計算に入れている臨時収入です。

経営者の感覚としては
会社の業績、個人の貢献度合いを勘案して
支給対象者の功績をたたえるためのもの、
であることが一般的です。

また、非正規雇用労働者(パート、有期雇用、派遣)の方には
支給されないことが多いですが、こちらについては政府からの
「同一労働同一賃金ガイドライン」で正社員と非正規雇用労働者
との間で待遇差の解消が求められています。

現在はガイドラインですので法的拘束力はありませんが、
このガイドラインの下で法改正が進むことが予想されます。

支給の効果は最大限に

経営者として考えるべきは投資効率です。

何らかの効果を目的にしてお金を使う以上、
その投資効率は常に意識したいです。

それは賞与も同じ。

せっかく支給するならば、
その効果は最大化したいです。

賞与に「支給対象者の功績をたたえる」という
意味合いを持たせているのであれば、

・支給対象者のさらなる力を引き出す
・支給者以外の者のやる気を引き出す

こうしたことを意識したいです。

これを狙うために必要なことは

事前に賞与の支給基準を開示する

これに尽きます。

これを行っていない会社もまだまだ多いですが、
開示されていない会社の賞与(ボーナス)には
上述の効果はあまり期待できません。

受け取った側の気持ちが動きにくいからです。

さらに、前年比で減額とかになっていて
その理由が伝えられなければ
受け取った側はブーイングしかありません。
もらっているのに。

このギャップを埋めるためにも
支給の前に支給基準を開示することが
大切です。

たとえば、目標利益と現状利益の開示など。

その数字の開示がむずかしければ、
せめて前年比の伸び率とかで表現して
明らかにすることもできなくはありません。

この理由の開示は事後的では意味がありません。

事前に「こうなったらこれだけ出す」といった
開示を行うことで初めて説明が可能になります。

あとで開示するということは、何を言っても
ただの言い訳になってしまいます。

最後に

せっかく少なくないお金を支給するのであれば
しっかりと心に響く支給にしたいです。

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【編集後記】
日曜日の朝、宍粟市のミツマタの
ロケハン(下見)に行ってきました。
8割方咲いていて、見ごろでした。
アイキャッチ画像はミツマタの森に
生きる苔(コケ)です。

【週末の一日一新】
ミツマタのロケハン

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❐石田修朗税理士事務所HP

石田修朗税理士事務所[姫路]

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。