この本に出会い、大切なことや当たり前のことを再認識しました。
そして、いい方法を知ることもできました。

仕事を任せて部下を育てましょう

様々な方の話を見聞きする中で出てくるのが介護問題です。

団塊の世代が高齢化し、身体のあちこちに不具合が生じ、
介護が必要になることが予想されます。

そして、今は昔と違い、“親世代と別居で、かつ、共働き”
という環境が少なくありません。

そうなると、介護が必要となった時点で、
その方の生活は激変することになります。

それはご本人にとっての大きな変化であると同時に
その方を雇用している企業にとっても大きな変化です。

さらに、介護問題を迎えつつある世代は、
多くの企業にとって中堅社員や幹部社員です。

彼ら(彼女ら)が今までどおりに働けなくなることは
企業にとって大きな損失となるでしょう。

そうなってからでは遅いので、
企業として先手を打つために
いかなる取り組みを行うべきなのか、
そんなことを探ろうと書店に立ち寄ると、
この本に出会いました。

「〇〇さんにしかできない」からの脱却

介護問題にかぎった話ではありませんが、
〇〇さんが突然仕事から離れた場合に困るのは
「〇〇さんにしかできない仕事があること」です。

それをクリアしておくことがリスクヘッジとなります。

そのためには、仕事をチームでシェアすることと、
部下に仕事を任せていくことが必要です。

チームで仕事に取り組み、数人でシェアすれば、
リスクは一定程度軽減できます。
しかし、その企業の規模や業種によっては、
チームで仕事をすることが困難なこともあります。

とくに(人的資源の制約が大きい)中小企業においては、
そのような取り組みは難しいでしょう。

その場合に企業として実行することができる対策は、
「上司が仕事を抱え込まない仕組み作り」です。

本著では、“上司が部下に仕事を任せることのメリット”と、
“任せる仕組み作りのポイント”が紹介されています。

メリットについては、
・上司に時間ができる
・人員不足時代への対応
これらが挙げられます。

仕組み作りのポイントでは、
“なるほど”と膝をうつ点が
いくつかありました。

「任せ上手な上司は、負け上手」

「リーダーは部下と闘って負けることが大切だ」

なるほど!
部下にしてみたら、例え一部分であったとしても、
上司に勝つことで大きな自信を得ることができます。

テニスにおいて有力シード選手と対戦して完敗したとしても、
どこか一つのスキル(ショット)でも上手くいったところがあれば、
「あれだけは強敵にも通用するなぁ」ということで自信になります。

こういった自信は、白黒はっきりするスポーツなどでは
比較的容易に認識することができますが、
仕事においてはそうはいきません。
勝ち負けが顕著にならないことも多いからです。

そんなとき、上司が「これは君にかなわないなぁ」と自ら負けを認め、
それを本人に伝えることで、部下はその勝利を実感します。

そんな自信を積み重ねることで、部下は着実に成長し、
企業にとって貴重な戦力に進化していきます。
そのことは、上司にとっても有益なことです。

これを邪魔する要因は、上司の負けず嫌いです。
張り合わないでください。認めてください。
認めて、その部分の業務を任せれば、
あとは部下が首尾よくやってくれることでしょう。

ただし、これは真剣勝負でなければ効果はありません。
上司が手を抜けば、部下もすぐに分かります。
真剣勝負のうえで、素直に「負けを認める」ことで
部下の能力を上げていきましょう。

それによって、部下に任せることができる仕事が増え、
上司は別のことに時間と能力を割くことができます。

「ほめるマネジメントを徹底する」

「他人を介したほめ言葉は最強のスキル」

なるほど!!
例えば、他のスタッフからの良い評価を伝えることで、
本人の承認欲求を満たすのみならず、スタッフ同士の
団結を生み、チームワークの向上も図れます。

そのために筆者の会社で仕組み化されているのが、
「面談シートに他のスタッフへの気づき欄を設ける」
ことだそうです。

つまり、面談を本人のためだけに使うのではなく、
他の社員へのフィードバックのツールとしても
用いられています。

これはいい方法ですね。
面談や会議を経営資源としてめいっぱい活かして
いくための工夫であり、お金もかかりません。

こういった工夫は、考えられる会社も多いと思います。
自然と行っていることも多いと思います。
しかし、大切なのはこれらを上司が意識して
実行するか(実行しつづけるか)どうか、です。

最初は上手くいかなくても、一定期間続けましょう。
止めてしまったらそこで成長もストップです。

ではでは。

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【編集後記】

今日は朝から、副鼻腔メンテナンスでした。
おかげで鼻すっきりで、快調です(^-^)

【一日一新】

デリカフェで打ち合わせ

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。