税理士試験攻略シリーズ。今日は財務諸表論(計算)で悩んでいる人への
資料整理方法の紹介です。

財務諸表論の計算問題の出題パターンはワンパターン

財務諸表論の計算問題も、カリキュラムの3分の1を
経過するあたりから急に難しく感じることが多いようです。

9月から勉強を始めている方にとっては、ちょうどこの11月から
12月にかかる時期が最初の山場のように感じます。

実は、財務諸表論の計算問題の解答要求事項はワンパターンで、
ほぼ毎年「会社計算規則に準拠したB/S及びP/Lの作成」です。

出題形式もほぼ一定で「会社作成の残高試算表」が与えられます。
そして、「決算整理の未済事項及び参考事項」が与えられ、
必要な調整・修正を加えてB/S、P/Lを作成していきます。

この流れの中、財務諸表論の計算問題が難化する場合、
そこにはどういった特徴があるでしょう。

財務諸表論の計算問題分析

先ほどの出題パターンをもう少し詳細に表すと
以下のようになります。

会計というのは、会社の行った取引を記録して伝達する手続ですので、
その会計行為の始まりは「取引」にあります。

そして、その「取引」を「仕訳」で記録して、
それを集計したものが「試算表」であり、
そこから「B/S、P/L」が作成されます。

実は、財務諸表論の計算問題では、このスタート地点である
「取引」自体が複雑怪奇で、正しい「仕訳」を導くことが
難しいという資料は出てきません。

財務諸表論の計算問題で試されるのは、「正しい財務諸表を
作成する力があるかどうか」です。

様々な取引に対して正しい仕訳を切る力の有無のチェックは
“簿記論”で行われます。

したがって、財務諸表論の計算問題が難化する場合というのは
与えられる資料が非常に長文になり、どのように手をつけて
いけばいいのかわからない、ということがほとんどです。

5〜6行にわたって文章で飼料が与えられると、読んでいるうちに
何をどうすればいいのか、わからなくなってきます。

これに対して、効果的な資料整理方法を紹介します。

問題を解くときの必須アイテムは多色ボールペン

問題には、正解を出すために必要な資料が与えられます。

その資料を基に、追加仕訳・修正仕訳を切り、
正しい財務諸表を作成していきます。

資料を読んでいくときに意識すべきなのは次の2点です。

「取引の内容」「会社が行った仕訳」

この2点を確実に捕捉し、必要な追加・修正仕訳を導きます。

資料を整理する際にも、この点を意識するための工夫があります。

それは、解答の際の資料整理を、この2点の違いを意識しながら、
必要事項を洗い出すという作業にする工夫です。

そのためにおすすめなのは、カラー整理です。

具体的にはこのような方法です。

例えば、このような問題があったとします。

この場合、以下のように整理するクセをつけます。

こういう風に色分けしてチェックするクセをつけることで、
資料を見た際に常に「取引の内容」と「会社が行った仕訳」を
意識しながら資料を読む習慣がつきます。

財務諸表論の計算問題で、一つ一つの処理は理解できているのに、
問題になるとうまく解くことができない、という人は
一度この解き方を実践してきてください。

1ヶ月くらい継続してもらうと、きっと資料整理での悩みが
解消されることと思います。

==============================

【編集後記】

昨日の朝、東遊園地を通りかかると、
イタリア人技師がルミナリエの電飾の
点灯確認を行っていました。

ルミナリエは12月4日から15日です。
長時間の歩行で非常に冷えますので、
暖かい格好でお越しください。

==============================

The following two tabs change content below.

石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。