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これはカレー店開業を決意したオトコの軌跡である。

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前回までのおさらい

彼の名前は苅田玖珉(カルダクミン)。
学生時代になんとなく参加した
海外ボランティア活動で訪れた
スリランカで出会ったカレーに
魅了されたオトコである。

<第一章 開業決意までの日々>

カレー店開業記 〜第一章 開業決意までの日々〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜

<第二章 経営理念の策定>

カレー店開業記 〜第二章 経営理念の策定〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜

店舗においてこだわる点

店内の調度品イメージ

物件を探そうにも、まず自分が
どんな店にしたいのか、を
決めておく必要がある。

それによって、物件の場所や
雰囲気もかわってくるからだ。

お店で提供するカレーは、
自身がスリランカで感動した
現地のカレーである。

これをそんなに広くない店舗で
提供していくことに決めている。
だいたい15〜20席くらいであろう。

店内の装飾にはこだわりたい。

安っぽい絵や置物が飾られている
ビストロはあまり好きではない。
それなら何も置かなければいいのに、
といつも思っている。

とは言っても、なにか大がかりな
調理器具が必要なわけではない。

こだわりたいのは、床材と壁、
そしてカウンターの木材だ。

これらは、いったんお店がスタートすると
やり直しがきかないため、最初から
きちんとお金をかけなければなるまい。

あとは、現地の空気を感じられるものを
2つ3つカウンターに置けば、それ以上は
とくに必要ないと思っている。

SNSへの対応

それともう一つ、今の時代、
SNSによる情報拡散を
無視することはできない。

お店が発信してもそれほど反応は
ないかもしれないが、カレー好きの
コミュニティーで誰かが発信すれば、
それはたちまちコミュニティー内の
カレー好きに拡散される。

そのときに、うちのカレーには
できるだけ“いい顔”で
写っていてもらいたい。

だから、カウンター席の上の照明には、
デザインだけでなく、角度や照度まで
こだわるつもりである。

ここは譲れない・・・。

ひとり営業を想定した間取り

カレー店のお客さんの回転は早い。

訪れるお客さんは、テーブル席でゆっくり
まったりした時間を過ごしたいと思って
カレー店に足を運ぶことはないだろう。

また、苅田側からしたら、ひとりで営業を
行うのであれば、動く時間を増やしたくない。

店の座席の大半は、カウンターに設置したい。

カウンター10席とテーブル一つ、くらいが
ちょうどいいかな、と考えている。

価格帯と客層、エリア決定

価格帯

次に、価格帯について、である。

仮に、週休1日、月25日営業で
一日平均40食を提供したとする。

ワンプレート800円だと一日の売上は32,000円。

カレーの原材料費を35%と見積もると、
原材料費を除いて手元に残るのは20,800円。

週休1日で、月25日営業と仮定すると、
520,000円が手元に残ることになる。

ここから家賃・光熱費などを捻出すると
なるとそれほど余裕はない。

これだと商売として行き詰まるおそれがある。

ワンプレート1,000円だとすると、
同様に計算すると、月25日営業で、
650,000円が手元に残る。
{1,000円×(100-35)%×40食×25日}

これだと、なんとか回っていきそうだ。

しかし、自分が感動したあのカレーは
本当に1,000円でいいのか?

いまどき、ファミリーレストランで
食事をしても1,000円かかってくる。

そこと勝負するために店を持つのではない。
そうした資本主義一辺倒の店に負けない、
オンリーワンの顔が見える店にしたい。

であれば、彼らよりもいいものを提供する以上、
価格もそれに合わしておかなければ辻褄が合わない。

1,000円にしてしまえば、ファミレスの食事と
同等のものですよ、と言っているようなものだ。

1,200円にすると、780,000円が
手元に残ることになる。
{1,200円×(100-35)%×40食×25日}

これなら、原材料を40%にしても、
720,000円が手元に残る。

原価率35%にこだわらずに、
40%までは許容範囲としよう。

そして、その代わりに、味に妥協せず、
いいものを提供して1,200円の上代を
いただこう。

苅田はそう決意した。

そういえば、かの京セラ創業者である
稲盛和夫氏も、著書「実学」の中で
“値決めは経営である”とおっしゃっている。

やはり、値決めは難しい。

客層

誰が、誰と、どんなときに
利用する店でありたいのか?

苅田は来てほしい客層を考えた。

まず、1,200円という上代を
出してくれる世代は、決して
10代ではない。

10代の多くは、カレーを食べるために
1,000円以上の支出はしないであろう。

ある程度、お金を出してでも
美味しいものを楽しめる年代。

「30代くらいになると、ある程度の
出費をしても美味しいものを食べたいはず」

日本ではなかなか味わえない現地の
カレーをリピートしてくれる年代。

「50代より上の世代は、異国情緒
溢れるカレーをリピートするほど
好むようには思えない」

ターゲットとする客層が絞り込めてきた。

「美味しいものを楽しむには、
ある程度のお金を出す必要が
あることを理解していて、
実際にその資金力もある
30代〜40代の人」が
ターゲットである。

彼らが、気の許せる友人や恋人と
たまに行うプチ贅沢として選ばれる、
そんなお店にしていきたい。

ドトールではなくスタバに、
ガストやサイゼリヤではなく、
ロイヤルホストや神戸屋に
足を運ぶ人のイメージである。

エリア

神戸の街は東西に広い。

厳密にいえば、北側にも
有馬温泉という温泉地を構えるが、
店舗候補地を選ぶにあたっては、
さすがにあそこはない。

海沿いのエリア、具体的には、
東は甲南山手から西は舞子まで、
その中で場所を決めていく。

ここで、価格帯のことを考える。

ワンプレート1,200円のカレーを
食べようとする人をターゲットに
している時点で、かなり限定されている。

であるならば、できるだけ広範囲から
アクセスできる立地が好ましい。

神戸から西を見ると、明石、加古川、
姫路、と中規模の都市が続く。

爆発的な人口はない。

東を見ると、芦屋、西宮、尼崎、と
中規模の都市だけでなく、その後ろには
大阪という日本有数の都市が構えている。

価格帯を高めに設定する以上、
この大阪からもアクセスしやすい
立地の方がいいのではないか。

結果、大阪からのアクセスにも
抵抗が起きにくい、三宮以東で
探すこととする。

アクセス

駅から徒歩10分以内にこだわった。

地元住民に密着したお店を目指す場合、
とくに駅近くにこだわる必要はないかも
しれない。

が、苅田が作りたいカレー店は、
高価格帯の本物志向の店である。

やはり、他地域からのアクセスにも
気を配っていたい。

地域からの集客だけではおそらく、
このビジネスモデルは成り立たない。

そして、瓶ビールを提供したいことも
立地にこだわる理由の一つである。

ドリンクを増やしすぎると、在庫を抱えて
資金繰りがしんどくなりかねないが、
ビールだけなら、少なくこまめな仕入でも
対応しやすい。
そして、瓶ビールなら、ビールサーバーの
メンテナンスも不要である。

ビールを提供する以上、電車からのアクセスは
かならず確保しておかないといけないであろう。

そして、不動産屋へ

こうした条件をかためて、
苅田は三宮以東の不動産屋さんを
訪ねることにした。

(続く)

※ この物語はフィクションです。

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【編集後記】
赤の点滅信号では、
ゆるゆると進入しては
いけません。
必ず一旦停止しましょう。
昨夜、2点と7,000円を
失うこととなりました。
反省です。

【昨日の一日一新】
一旦停止不履行による違反切符
JAZZ喫茶 M&M

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■ 石田修朗税理士事務所HP

開業支援・経営計画支援の石田修朗税理士事務所

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。