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木曜日は税理士受験シリーズ。引き続き、退職給付会計について、です。

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今日は故郷姫路にとって大切な日。晴天の下での盛大な祝賀式典。
(画像は航空自衛隊HPよりお借りしています)

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“年金資産”の位置づけ

引き続き、退職給付会計について。

今日は“年金資産”について、考えていきましょう。

退職給付会計とは、「退職給付引当金」勘定を用いて
企業の従業員に対する将来の退職金支払義務を適正に
貸借対照表に負債として計上する制度です。

「退職給付引当金」はどのように計算されるかというと、
“退職給付債務”と“年金資産”の差額として計算されます。

直接的に計算するのではなく、あくまでも差額概念なんです。

その中で、“年金資産”は「退職給付引当金」のマイナス要素です。

“年金資産”とは、退職金について外部に積み立てられた資産です。

企業にとって、退職した従業員について、その退職後何年間も
退職金についての管理・運用・支給を行うことは多大な負担となります。

そこで、生命保険会社などの外部組織に積み立てて、
そこに管理・運用・支給を任せることにします。

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この“年金資産”として認められるためには要件があります。

たとえ、年金支払いのために外部に積み立てられた資産であっても
企業の保有する資産と交換できたり、一時的に企業に戻すことが
できるようなものは原則として“年金資産”として認められません。

要件は以下のとおりです。

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では、この年金資産はどういった要因で増減するのでしょうか。

“年金資産”の増加要因

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まずは増加要因から整理していきます。

増加要因は2つあります。

第一の増加要因“運用収益”

年金資産を管理する外部組織は、それをただ管理する
だけでなく、運用することによって増やします。

つまり、年金資産は毎年の運用によって増加します。

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第二の増加要因“掛金の拠出”

また、企業から外部組織に毎年拠出される掛金の分だけ、
年金財源である“年金資産”が貯まっていきます。

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“年金資産”の増加要因はこの2つだけです。

“年金資産”の減少要因

では、年金資産はどういったことによって、減少するのでしょう。

最初の図を思い出しましょう。

外部組織である年金基金に貯まっている年金資産が流出するのは
従業員に企業年金が支給されるときだけです。
退職一時金の支給は企業から直接行われるため、
年金資産の減少には繋がりません。

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ただし、運用に失敗して損失が生じている場合には、
それは減少要因になるでしょうね。

そのような問題は見たことがありませんが、
大切なのは、それぞれの資料の持つ意味を理解して、
“年金資産”が増加するのか減少するのかを
瞬時に読み取ることです。

「退職給付会計」の問題は、先週の“退職給付債務”と
今週の“年金資産”の増減が理解できていれば、
何も怖くありません。

来週ももう少し続けていきます。

ではでは。

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【編集後記】

後回しにしていたことに着手。
革靴の手入れ。クリーム補給。
事務所で新聞敷いて没頭しました。

【昨日の一日一新】

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。