特定新規設立法人の判定対象者について。

(蓼科、女神湖湖畔 fujifilm X-T2)

特定新規設立法人とは

「特定新規設立法人」とは
「新規設立法人」のうち
一定の要件を満たすもの、
という位置づけです。

「新規設立法人」とは
基準期間のない法人で
期首資本金が1,000万円
未満のものを指します。

この「新規設立法人」のうち、
事業年度開始の日において
他者から株式の50%超を保有される、
いわゆる支配される関係にあって、

かつ、

その支配する他の者、または
その他の者が完全に(100%)支配する
法人(特殊関係法人という)の
2年前や1年前の売上が5億円を超える

ケースに該当した場合、その新規設立法人は
「特定新規設立法人」とカテゴライズされ、
納税義務の免除が適用されません。

直接の株式のホルダーである他の者が
判定対象となる場合には
それほど複雑化しませんが、
問題は「他の者が完全に支配する法人」まで
その判定対象者が広がる点
にあります。
ここがとてもわかりにくいです。

今回はわかりにくい「特殊関係法人」について
ピックアップしていきます。

特殊関係法人

特殊関係法人の範囲は
消費税法施行令第二十五条の三に
規定されています。

一 他の者(親族を含む)が完全に支配している法人
二 他の者(親族を含む)と前号の法人が完全に支配している法人
三 (省略)

シンプルなケースがこれ。

この場合、A社は特殊関係法人となるため、
A社は5億円の判定対象者となります。

次に、こんなケース。

A社はもちろんのこと、オーナーとA社によって
完全に支配されているB社もまた特殊関係法人と
なります。
したがって、このケースではA社とB社が
5億円の判定対象者となります。

他の者には親族も含まれます。

したがってこんなケースも。

オーナーの妻が完全に支配するC社もまた
特殊関係法人となります。

したがって、このケースではA社、B社、C社が
5億円の判定対象者となります。

となると、こんなケースでは
D社も判定対象者になるのでしょうか??

非支配特殊関係法人

上述した「特殊関係法人」の規定では
文末において

非支配特殊関係法人以外の法人とする”

と規定されています。

非支配特殊関係法人の規定は
同じく消費税法施行令第二十五条の三の
第2項にあります。

一 当該他の者と生計を一にしない他の者の親族等が完全に支配している法人
二 (省略)
三 (省略)

他の者と生計を一にしない他の者の親族等を
「別生計親族等」と規定し、それが完全に支配する
法人については「非支配特殊関係法人」として
5億円の判定対象者からのぞいています。

したがって、上記のケースでは
オーナーとその父が別生計親族で
あればこうなります。

まとめ

この規定があるので、法人成りの際にも
事業規模が5億円を超えている場合には
たとえ資本金300万円とかで設立しても
いきなり課税事業者となるケースが
出てきます。

消費税は走りながらの調整が難しく
制度設計の段階で勝負がつくことが
多々あります。

それだけに受験生には
選択を強く勧めたい科目です。

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【編集後記】
世間では明後日から
10連休というところも
多いようですね。
わたしは明日から
ひとまず3連休に。

【昨日の一日一新】
サガラ

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❐石田修朗税理士事務所HP

石田修朗税理士事務所[姫路]

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。