輸出物品販売場、いわゆる免税ショップについて、
まずは現行制度を紹介します。

TAX-FREEのちから

近年、日本を訪れる外国人旅行者が増えています。

2013年現在、日本を訪れた外国人旅行者は約1,036万人。
日本国としては、五輪開催の2020年には2,000万人、
2030年には3,000万人を目標指標としています。

彼らは円安効果もあいまって購買意欲も非常に高く、
経済を後押ししてくれています。

そして、外国人旅行者が日本にやってきたとき、
財布のひもが緩むきっかけとなるのがこのマーク。

TAX-FREE、いわゆる免税店ですね。

「ここで買い物したら免税で(安く)買える」という動機付けは
万国共通で強大な威力を持っているのではないでしょうか。

このマークを取得するには所轄する税務署において
「輸出物品販売場」の許可をもらう必要があります。

許可申請手続についてはこちらをご覧ください。

どのような審査がなされるかというと、次の5つです。

この手続は、個人事業者でも法人でも行うことができますが、
消費税の免税事業者は免税店となることはできません。

そもそも、「なにが・なぜ」免税なのか?

「なにが」→ 消費税が免除されます。

「なぜ」 → 日本で消費しないからです。

消費税には、「消費地課税主義」という考えがあります。

外国人旅行者が日本でカメラを購入して、
それを帰国してから使う場合、そのカメラは
日本では一切消費(使用)されていません。

であるなら、日本での消費に課税する日本の消費税を
負担させるのはおかしい、ということで免除されます。

つまり、「日本で消費しない(使わない)」ことが
免税される根拠となります。

従来の対象物品は電化製品や衣料品などでした。

これらについて、外国人旅行者が免税店で購入する際には、

このような手続が必要です。

平成26年10月の改正

そして昨年、この制度に変革がありました。
平成26年10月1日からの対象物品の拡大です。

いままでは対象物品として認められていなかった
食料品、化粧品、医薬品といった消耗品についても
免税手続の対象物品とすることとなりました。

「日本のお菓子はとてもきれいで美味しい」
「日本の化粧品は自国でとても人気がある」
「日本の医薬品はとても信頼性が高い」
外国人旅行者の多くがこのような理由を消耗品を
お土産や帰国後の利用を目的として買って帰ります。

観光立国を目指す日本として、そのニーズに
応えたということですね

ただし、こういった消耗品は日本国内の旅行行程中に
消費される可能性もあります。
免税制度は日本国内で消費しないことが要件です。

そのために、消耗品を免税品として販売する際には
指定された方法により包装する必要があります。

販売の際の手続の流れはこちらです。

包装について、具体的にはこのように決められています。

このようなルールは、店舗が免税店許可を受けるハードルを
図らずも上げてしまっています。

三大都市圏の比較的旅行者の多い地域では、
これらの手間に対応するだけのメリットがあるので
免税店が数多く存在しますが、地方観光地などでは、
なかなか免税店許可を取得されていないのが現状です。

観光庁の発表では、69.9%が三大都市圏に集中しています。

これでは、同じような買い物をしても
都市圏であれば免税になって、地方では
免税にならないという現象が生まれます。

日本全国津々浦々を観光してもらい、
日本観光に満足してもらうことで
日本へのリピーターがうまれ、
観光立国が可能になります。

また、地方創生の観点からも、
現在の三大都市圏集約状態は
決して好ましいことではありません。
地方の観光地のお土産屋さんなども
免税店としての許可を受けて、
外国人旅行者のもつ高い購買意欲の
恩恵を地方も受けていきたいです。

そこで、平成27年4月1日から、新たな制度が創設されます。

「手続委託型免税店制度」です。

また、「クルーズ船寄港地における免税店に係る届出制度」も
創設されます。

これらについて、次回レポートしたいと思います。

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【編集後記】

錦織選手、無事に一回戦突破ですね。
ショットのキレはよくないものの、
勝負所のポイントをもぎ取ってました。
この強さ、本物だなぁ。
添田選手もフルセットにもつれる
激闘を制し、一回戦突破。
両者ともに二回戦が楽しみです。

【一日一新】

キーコーヒー氷温熟成「エチオピアモカ」

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。