会社(法人)には、様々な義務があります。
今日はその中の会計にまつわる話を書きます。
2つの制度会計
制度会計とは、法律や規則によって強制される会計のことをいいます。
誤った情報によって利害関係者が判断を誤らないようにするために、
特定の外部報告に対して法律上の規制を設ける必要があるのです。
代表的なものとして、会社法に基づく「会社法会計」と
金融商品取引法に基づく「金融商品取引法会計」があります。
「会社法会計」は、会社法の適用対象であるすべての会社に
適用される制度会計です。
「金融商品取引法会計」は、金融商品取引法の適用対象である
上場会社等に限定して適用される制度会計です。
そして、これらの制度会計の別によって、
義務づけられている財務諸表も少し異なります。
義務づけられている財務諸表の体系
1.会社法会計
(1)貸借対照表
(2)損益計算書
(3)株主資本等変動計算書
(4)注記表
(5)事業報告
(6)附属明細書
2.金融商品取引法会計
(1)貸借対照表
(2)損益計算書
(3)株主資本等変動計算書
(4)キャッシュ・フロー計算書
(5)附属明細表
大きな違いは「キャッシュ・フロー計算書」です。
会社法会計ではその作成は求められませんが、
金融商品取引法会計では、作成義務があります。
言い換えれば、上場会社等には
キャッシュ・フロー計算書の作成が
義務づけられていますが、
中小企業にはその義務はありません。
「勘定合って銭足らず」という言葉があります。
売上、利益はしっかりと確保できているのに
手元のお金が底を尽きて倒産に至る、いわゆる
「黒字倒産」を防ぐ意味でも、キャッシュの流れを
チェックすることは非常に重要です。
その義務はなくても、企業の規模にかかわらず、
キャッシュ・フローのチェックはしっかり行いましょう。
(なお、詳細は省略しますが、「注記表」や「事業報告」に
ついては、事実上のギャップにはなりません。)
財務諸表(会社法においては計算書類等)は
法律や規則によって義務づけられているため、
「作成しないと仕方がない」という性質のもの
なのかもしれません。
しかし、せっかく財務諸表(計算書類等)を
作成したのであれば、その後において
それを利用しない手はありません。
財務諸表の使い方
財務諸表には経営のヒントや判断材料が詰まっています。
この財務諸表を利用して、現状の分析はもちろんのこと、
“経営の羅針盤”を手に入れることができます。
大海原の上を目標に向かって進むには“羅針盤”が必須です。
未知の世界(未来)にむかって会社の歩みを進めていく上でも、
“羅針盤”は必ず意思決定の助けとなることでしょう。
財務諸表の作成を「義務」で終わらせることなく、
「経営資源」として活用する。その一例として、
「経営計画」という“経営の羅針盤”の作成を
検討してみてはいかがでしょう。
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【編集後記】
USオープンテニスで錦織圭選手が、230㎞サーブ魔神の
ラオニッチ選手をフルセットで下しました!
試合時間は4時間18分、試合終了時刻は午前2時26分と
まさに死闘を制しました。
次はベスト4をかけて、全豪王者のバブリンカと対戦です。
ここまでくれば、決勝でのフェデラー戦が観たいですね。
クルム伊達選手もダブルスでベスト8進出です。
反対の山にはヒンギス選手がいます。この対決も観たい!
今年のUSオープンはまだまだ目が離せません。
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石田 修朗
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