経理業務マニュアル作成の成否のカギはリーダーの舵取りです。

マニュアル作成で意識すべきこと

複数の人で手分けして経理業務マニュアルを
作成する際に意識すべきこと、それは
「マニュアル使用者のレベル感」です。

ここを統一しておかなければ
マニュアルの使い勝手は
すこぶる悪くなります。

たとえば、30万円の家賃を支払った事実について

(借方)地代家賃 300,000 (貸方)普通預金 300,000

家賃を支払った場合には「地代家賃」を(借方)に登録して
(貸方)には「普通預金」を登録しましょう

なんてやっていたら、
そのマニュアルは肥大化し、
使いものになりません。

かといって、たいていの会社には
その会社独自の特殊事情もあります。
そこを「自分で判断してね」で
済ませてしまうと、入力者によって
科目選択などにばらつきが生じる
可能性があります。

それではマニュアルとして機能しません。

このあたりのさじ加減が難しく、
かつ、ここの統一感こそが
マニュアル作成のキモです。

個々のマニュアル作成者とは別に
それを統括するポストを用意して、
横断的にチェックをすることで
各者のマニュアルのレベル感を
統一させていきたいです。

いきなり完璧を求めない

マニュアルの作成に期限を設けることは
作成スピードを保つために必要ですが、
その作成期限がやってきたら
一切加筆修正できないかというと
そんなわけではありません。

マニュアルに沿って業務を進める中で
よりよい方法が見つかった場合には
むしろ臨機応変にマニュアルを
加筆修正すべきでもあります。

そう、マニュアルは
その時点でベストのものを
作成する気概は大切ですが、
常に進化を続けるものです。

「もっといい方法はないか」
「もっといい表現はないか」
「もっといい見せ方はできないか」

こうした想いがマニュアル作成の
スピードを鈍らせがちですが、
そこは“のちの加筆修正はOK”と
リーダーが明示することで
各作成者の精神的負担を
軽減することが大切です。

業務と並行して作成する

とくに中小規模の事業者における
経理担当者は人数も手薄で
多くの仕事を抱えていることが
少なくありません。

マニュアル作成だけに集中して
他の業務がストップするのは
得策ではありません。

また、マニュアル自体が
その業務の手順書なわけですから
業務と並行して作成するのが
もっとも効率的です。

作成を指示された担当者によっては
そのことに気づかずに真面目に
マニュアル作成に向き合いすぎる
ことも予想されます。

リーダーが業務の交通整理をして
効率的に進められる方法を
ともに模索することが大切です。

最後に

ただでさえ日常業務がたいへんなところに
「マニュアル作成」なんていう
センシティブな業務を指示されると
経験のない人は大きく困惑し、
不安になります。

上司からしたら
「そんなことくらいで」
と思うかもしれませんが、
現場のみんなが前向きに
ポジティブに取り組めないと
困るのは会社であり
責任者たる上司です。

ごきげん取りをする必要はないですが、
担当者を上手くのせてあげることが
マニュアル作成プロジェクトの責任者の
最重要任務であると感じています。

<関連記事>

経理業務マニュアル作成時の勘どころ

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還元された分の使い勝手も
悪くなさそうですし。

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❐石田修朗税理士事務所HP

石田修朗税理士事務所[姫路]

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。