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納税義務判定の基礎となる『基準期間』について、おさらいします。

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消費税の納税義務者判定の基礎

消費税においては、納税義務の免除規定があります。

免除されるかどうかの判定の際に必要となるのが
『基準期間における課税売上高』です。

そして、『基準期間における課税売上高』を計算するには
まず『基準期間』を正しく捕捉する必要があります。

そこで、私が法人についての問題を解く際に使っているのが
上記画像にあるタイムテーブル。やや変則ですよね。

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これを使って、『基準期間』を正確に捕捉する
クセをつけるようにしています。

法人の基準期間の基礎

法人の基準期間は原則『前々事業年度』です。

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しかし、前々事業年度が1年未満の場合には、特例があります。

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法人の基準期間の特例

たとえば、こんな事業年度構成の法人があったとします。

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課税期間からみたときに、前々事業年度は8ヶ月しかありません。

このときには、上記特例が発動し、
『基準期間』は16ヶ月となります。

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同じように、前々事業年度が8ヶ月しかない次の事例。

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『基準期間』は8ヶ月になります。

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では、こんな構成の法人について、連年で見てみましょう。

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まず、平成28年4月1日から平成29年3月31日の課税期間については、
その前々事業年度がちょうど1年ですので、
そのままそれが『基準期間』となります。

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しかし、翌課税期間については前々事業年度が6ヶ月しかありません。

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ここでは特例が発動します。

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このように、『基準期間』の判定においては、
“その事業年度開始の日の2年前の日の前日から1年を経過する日”が
一つの判定材料になります。
その間に開始した事業年度をまとめて『基準期間』とするからです。

もちろん、1年ずつのきれいな事業年度構成の問題も数多くありますが、
それゆえに突然1年未満の構成にされると、正解を導くことが難しいです。

ならば、最初からその特例にも原則にも耐えうる解き方をすればいい!
ということで、上述したタイムテービルを毎回書くようにします。

そうすることで、1年未満の場合の判定基準を
忘れにくくする狙いもあります。

基準期間が1年でない場合の売上高計算

『基準期間における課税売上高』の計算は以下によります。

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しかし、この算式で全てに対応すると、基準期間が8ヶ月の
法人は有利になり、16ヶ月の法人は不利になります。

そこで、基準期間が1年でない法人については、
月数按分を行うことになっています。

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この際に気をつけるべきことは“除して、乗じる”
つまり、“割ってからかける”ことです。
けっして、“かけてから割る”ことのないようにしてください。

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そして、この規定は基準期間が1年でない法人の特例計算です。
「複数の事業年度をもって『基準期間』とする」こととは無関係です。

どういうことかというと、6ヶ月法人については、
前々事業年度が1年未満になるものの、『基準期間』は
ちょうど1年になります。

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この場合、1年でない場合の特例計算における月数按分は不要ですので、
“除して乗じる”ことのないように気をつけましょう。

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【編集後記】
今日は午前1件、午後2件と、アポイントが
集中してしまっています。
マイナンバー導入に伴う特殊事情なのですが、
いいことではありませんね。
管理能力を高めていかないと・・・。

【昨日の一日一新】
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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。