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姫路駅前にコミュニティサイクルがやってきました。

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交通改革が進む広場に突如出現した「姫ちゃり」

姫路駅周辺は、数年前からの再開発工事を機に
(バスやタクシーを除く)一般車両の乗り入れを
制限する大胆な交通整理改革を行っています。
そのおかげで駅周辺はとても歩きやすくなり、
ちょっと休憩するスペースなども増え、お年寄りや
体の不自由な方に優しい街に生まれ変わっています。

そうしてうまれた駅前広場の一角に、
10月1日、多くの自転車が立ち並ぶ
ステーションが出現しました。

「みんなの自転車 姫ちゃり」

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姫路は良くも悪くもソウルフルな都市で、
決して治安(品?)がいいとは言えません。
「傘とちゃりは天下の回りもの」なんていう
迷言がまかり通ってしまうくらいですので、
「みんなの自転車」というフレーズには
“おいおい”と突っ込んでしまいましたが、
今回のこのサービスは観光客にとってとても
便利なものですので紹介したいと思います。

コミュニティサイクル「姫ちゃり」の仕組み

(株式会社IHIエスキューブHPより引用)
コミュニティサイクルとは、町中にいくつもの
自転車貸出拠点(ポート)を設置し、利用者が
どこでも貸出・返却できる新しい交通手段です。
「自転車シェアリング」「サイクルシェアリング」
「都市型レンタサイクル」等とも称されます。

街中に自分の自転車(マイチャリ)がなくても、
自由に自転車が利用でき、街のにぎわいづくりや
自動車から公共交通+コミュニティサイクルへの
転換が期待できると考えられています。

「姫ちゃり」の場合、駅(お城)周辺の7つの
ステーションのどこで返却してもオッケーで、
何度借りても一日100円です。

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7つのステーションはこちらです。

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ステーションは
① 姫路駅前
② 大手前通
③ 大手前公園
④ 姫路城前
⑤ 文学館
⑥ 図書館
⑦ 美術館
の7カ所です。

この7カ所の設定が実にすばらしいのです。
その理由を含めて、おすすめコースを案内します。

おすすめコース案内

駅前からお城周辺までは約1㎞あります。
①で借りて③か④で返して姫路城散策。
うん、お城まで歩くよりだいぶん楽です。

④のステーションには取材が来ていました。
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④からの姫路城はこんな感じです。

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姫路城から美術館までは歩いてすぐですので、
美術館に行かれる際には④まで戻って
自転車を借りるより、歩いた方が早いです。

ここの美術館では、毎年「絵本原画展」があり、
楽しみにしている方も多いです。
すぐ北側に博物館もあります。
播磨地方縁の常設展示などを
楽しまれてはいかがでしょうか。

そのあと、姫路文学館へは少し距離があります。
1回100円のバスがありますが、本数が少なく、
文学館前のバス停から100メートル以上歩きます。
こんなときには「姫ちゃり」が便利です。

⑦から⑤まで、自転車だとあっという間です。

⑦のステーションはこちら。

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そして、このルートがおすすめなんです。
文学館へ向かう途中、姫路城の裏側を通ります。
普通の観光ルートではなかなか通らないこの道、
私の高校時代の通学路で、犬の散歩コースでした。
姫路城、実は後ろ姿もいいんです。
距離が近いので、迫力があります。
後ろからだとこんな感じに見えます。

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そうこうするうちに⑤の文学館に到着です。
小学生時代、砂場遊びやどろけい、野球などをし、
セミやカマキリを捕り、コウモリを見上げた
児童公園がなくなり、この施設ができました。

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ここは安藤忠雄氏設計の建物です。

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そして、姫路文学館から姫路駅に戻るのも、
バスならバス停まで歩かないといけませんが、
「姫ちゃり」ならあっという間に戻れます。

②や③で返却して、みゆきどおり商店街を
ぶらりするのもおすすめです。

また、少しペダルを踏み込めば、昭和41年に
開催された姫路大博覧会に合わせて就航した、
「姫路モノレール(昭和54年に廃線)」の跡地も
仰ぎ見ることができます。

当時、夢の交通をまたいで作られた近未来建造物
「高尾アパート」は、市民の憧れの的だったそうです。
今はもう使われておらず、撤去作業が行われていますが
それも中断しているのか、最近は作業風景を見なくなりました。

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交通ファンの間では有名な建造物のようです。
今でもカメラを向ける人を時折見かけます。

コミュニティサイクルの課題と可能性

実際に、今回の記事を書くにあたって
姫路城周辺を自転車で一周しましたが、
20人くらいの利用者に出会いました。

各ステーションに1人ずつ、計7名の
スタッフを常駐させている現状で
採算が取れているとは思えません。
公共交通機関として予算をつけなければ
継続的に実施することは難しそうです。

そういえば、前に大阪市役所の1Fで
グッドデザイン大賞関連の展示が
あった中にこちらのパネルがあり、
どこか気になり、写真に収めていました。

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これは2012年に名古屋の鶴舞地区で行われた
コミュニティサイクル社会実験「NITY」の様子で、
交通系ICカードのみで認証と決済を行えるようです。

どの程度の設備投資になるのかは不明ですが、
コミュニティサイクルの継続において、
無人サービスの実現は不可欠に思います。

また、実際に運用されるようになれば、
「走行空間の不足」「駐輪空間の不足」と
いった課題も出てくるように思われます。

こういった課題もありますが、市街地・観光地と
自動車の相性は元々決してよくありません。
そして、市街地は放置自転車の問題も抱えます。
こういった問題を解決・軽減する可能性が
コミュニティサイクルにはまちがいなくあります。

駅周辺の交通環境を整え、開発を進める
姫路市が行っているこの試みは、
観光客と生活者の両者にとって優しいサービスで、
自動車・自転車・歩行者の均等化ではなく、
三者の棲み分けを図り、それぞれに適した空間を譲り合い、
シェアしながら共存することを実現するものです。

新しい都市の形として、ヨーロッパの各都市で
実施されているコミュニティサイクルの実現を
ぜひとも成功させてほしいものです。

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【編集後記】
10月10日だというのに、
まだまだ日中は暑いですね。
しかし、朝晩の冷え込みのせいか、
今週は体調不良が続いています。
耳鼻科の先生に診てもらわないと。

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。