給与と外注費、判断するポイントの紹介です。

給与なのか外注費なのか

ある人の業務に対して
支払いが発生した場合、
それが給与なのか外注費なのか、
税務上は慎重に判断する必要があります。

外注費という扱いになれば(特定の業務に該当しなければ)

・源泉徴収しなくていい
・支払総額の8/108を消費税の納税額からマイナスできる

といったメリットがあるため、
外注費という扱いを希望されることも多いです。

また、雇用契約を結んでないんだから
給与になるはずがないと信じ切っている方も
いらっしゃいます。

ですが、契約形態は判断材料の一つにはなり得ますが
それをもって結論が出るといったものではありません。
その実態を基に判断する必要があります。

「いやいや、契約がそうなってるやん」とおっしゃられても
そう簡単に押し通すことはできません。

それが通るようであれば、契約書さえ整えたら
実態を覆せるのかという話になります。

それはおかしいですよね。

税務当局の見解

税務当局の内部資料からすると、
次のようなジャッジがなされます。

1.代替性

その人自身が働かなければ対価が発生しないものなら「給与」
下請けや従業員が業務を行ってもいいなら「外注費」

2.指揮命令監督

業務の進め方や時間、場所等に関して指揮監督を受けるようであれば「給与」
いつどこで等は不問、納期までに仕上げればいいというのであれば「外注費」

3.リスク負担

不可抗力によって業務が遂行できなかった場合でも報酬が発生するなら「給与」
業務が遂行できなかった場合には報酬が発生しないなら「外注費」

4.材料や作業道具の提供

業務遂行に必要な材料や作業道具を支払い側で用意しているなら「給与」
業務遂行に必要な材料や作業道具を自分で用意しているなら「外注費」

こうした論点で「給与」に該当するケースならば
当局は積極的に「給与」と認定しようとするでしょう。

具体的には以下のケースで
「給与」と認定されています。

・使用者の指揮命令による役務提供 → 給与
・使用者から空間的、時間的な拘束を受けている → 給与
・自己の計算と危険において独立して営んでいない → 給与
・営利性、有償性がない → 給与

たとえ、
「業務請負契約」を締結していて、
「請求書」による請求実態があり、
先方が「売上」として認識していたとしても、
それをもって「外注費」の根拠とはなりません。

「外注費」を「給与」と認定された場合、
どのような追加負担が生じるかは
こちらを参考にしてください。

給与?報酬(外注費)?について知っておくべきこと 〜影響編〜 | Relax & Focus 〜姫路を拠点にする税理士のブログ〜

最後に

経営者の方が「これは外注費だ」と
感覚的におっしゃられる気持ちは
よく理解できます。

が、一方で、こうしたリスクが
税務上存在することも事実です。

もし、現状が「給与」に認定されるようなケースなら
そのままの状態で「給与」として処理するのか、
それとも「外注費」という認識に合うように
業務内容や条件を変更するのか、を検討すべきです。

大切なのは、世間の常識だけを基に
安易にジャッジしないことです。

残念ながら、税務調査の舞台において
世間の常識というのはそれほど
大きな意味を持ちません。

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【編集後記】
昨日、昼前から空が明るくなってきたので
山写氏の動画で学んだタイムラプス撮影を実践。
これ、楽しい。

【昨日の一日一新】
X-T2でインターバルタイマー撮影
PremierePro(タイムラプス作成)

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❐石田修朗税理士事務所HP

石田修朗税理士事務所[姫路]

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。