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さる8月5〜7日に、第64回税理士試験が行われました。

来年8月予定の第65回税理士試験に向けた
9月における科目選択について、
現役講師の思うところを書きます。

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税理士試験の特徴

税理士試験の特徴の一つに「科目合格制度」があります。

税理士試験を突破するには、5科目の合格を必要としますが、
一回で5科目を合格する必要はありません。
「科目合格制度」という仕組みになっています。
一度受かった科目は生涯有効で、複数年かけて
5科目合格をすればよいという制度です。
この制度のせいで、一科目あたりのボリュームが
増えているという弊害もあり、5科目を一年で
合格するということが困難になってもいます。

また、「科目選択制度」という仕組みになっており、
全11科目の中から、5科目を選択して受験します。
11科目は会計科目が2つあり、税法科目が9つあります。

このうち、会計科目である「簿記論」と「財務諸表論」は
必ず合格しなければなりません(必須科目)。
税法科目のうち、「法人税法」と「所得税法」のいずれかも
必ず合格しなければなりません(選択必須科目)。

つまり、「簿記論」「財務諸表論」「法人税法」または
「簿記論」「財務諸表論」「所得税法」の組み合わせは確定です。

残り2科目をどのように選択するかは自由です。
(科目の組み合わせで不可となるものもあります)

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複数年かけて合格するということ

複数年かけて5科目合格を目指すということは、
どの科目をいつ受験するか、を決める必要があります。

最初は会計科目から、そして税法科目へ、という
流れが一般的です。
会計科目の知識がないと取り組むことができない税法科目が
多くありますので、自然な流れでしょう。
(相続税法など、税法でも会計知識が不要の科目もあります)

ここでまず問題となってくるのが、2年目以降の科目選択です。

実務において特に必要とされる税法科目は全部で4科目あります。
「法人税法」「所得税法」「相続税法」「消費税法」です。

もう10年以上講師をしていますが、「簿記論」「財務諸表論」以外の
3科目をこの4つの税法科目の中から選ぶ受験生が一番多いです。

一方で、実務での活用があまり期待できない税法科目として、
「国税徴収法」「固定資産税」「酒税」「事業税」「住民税」があります。

しかし、受験生の中には、5科目中1科目ないし2科目を
これらから選択する方もいます。

実務での活用があまり期待できないにもかかわらず、
なぜこういった科目が選択されるのか、その理由は
学習内容のボリュームにあります。

上で挙げた5つの税法科目は、それ以外の税法科目と比較して、
合格に必要な知識を獲得するための勉強時間が短くてすむのです。
そこにメリットを感じ、選択しているのでしょう。

イメージとしては、こんな感じです。

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法人税法では、9月からみっちりと勉強して、なんとか6月くらいで
合格に必要な知識を習得できるイメージです。
固定資産税では、9月からみっちり勉強すると、2月くらいには
合格に必要な知識を習得できるイメージです。

一見すると、「固定資産税」の方がくみしやすいように感じます。
しかし、一概にそうとは言えません。

「固定資産税」のメリットであるボリュームの少なさが
“合格しやすさ”と直結しないことに注意が必要です。

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税理士試験は競争試験である

税理士試験は、だいたい上位10〜15%が合格する競争試験です。

つまり、90点を取ったとしても上から数えて25%のところにいたら
合格しないのです。

他の受験生に対していかに優位な位置にいるか、が合格の可能性を
高めるカギになってきます。

そこで、先ほどのグラフで紹介した固定資産税について考えてみると、
9月スタートで学習すると、かなり早い時期に合格可能ラインを
突破することができます。
ただし、1月くらいにスタートしても、8月の本試験までに
合格ラインを突破することはじゅうぶん可能です。
たとえ9月スタートで学習を始めて、途中で時間が作れなくなったとしても
十分に挽回して本試験に挑むことができます。

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自分が早い段階で時間をかけて学習を進めることで優位なことに
違いはありませんが、1月スタート(極端にいえば4月スタート)でも、
合格可能ラインを突破してくる受験生がいます。

そんな中で本試験を迎えることになります。

これが学習時間(ボリューム)の少ない科目の特徴です。

一方で、「法人税法」ではどうでしょう。

9月スタートでしっかり学習を進めていって、なんとか本試験に
間に合うという位のボリュームがあります。
これを1月スタートで学習しても、合格はかなり厳しいです。
たとえ9月スタートをしていても、途中でうまく時間を作れなくなると、
本試験までに間に合わせるのは至難の業です。

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自分が早い段階で時間をかけて学習を進めていくことで、
絶対的な優位性を保つことができます。
ただし、絶対的に時間が必要となります。
時間なくして、合格はありません。

これが学習時間(ボリューム)の多い科目の特徴です。

合格しやすさは環境に左右される

受験勉強にしっかりと時間が充てられるのであれば、
ボリュームの多い科目の方が合格しやすいでしょう。

受験勉強にあまり時間が充てられないのであれば、
ボリュームの多い科目の合格は難しいので、
ボリュームの少ない科目で勝負することが現実的でしょう。

受験勉強に時間をたっぷりと充てられるにもかかわらず、
ボリュームの少ない科目を選択すると、自らの受験環境の
優位性を活かすことなく勝負することになります。
(私はこれを経験して苦しみました・・・)

ボリュームの少ない科目は仕上げるまでの時間は短いがライバルが多い。
ボリュームの多い科目は仕上げるまでの時間は長いがライバルは少ない。

“合格しやすさ”というのは置かれている環境によります。
科目の特性とご自身の環境を正しく把握・分析することで、
合格可能性はある程度高くすることができます。

ボリュームが多い科目を受験したい場合には
時間を作ることが絶対条件になりますね。

みなさんの今後の科目選択の一助となれば幸いです。

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【編集後記】

右手首に腱鞘炎発症です(>_<)

タイピングもままなりません。

日曜の早朝テニスまでに直すべく、

テーピングして安静にします。

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❐石田修朗税理士事務所HP

開業支援・経営計画支援の石田修朗税理士事務所

 

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。