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同じ源から流れる滝もルートによって受ける抵抗がちがいます。同じ場所に流れ着くのに。
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目次
税理士資格を取得するには
税理士資格を有するためには
② 税理士試験を免除
③ 弁護士
④ 公認会計士
のいずれかに該当する必要があります。
②の免除制度は以下のとおり。
修士または博士の学位を授与された者は、試験の一部が免除される
<国税従事者における免除>
一定期間税務署に勤務した国税従事者に認められる制度
後者は一般的な挑戦者が選択できる道ではないので
現実的には前者が主たる免除制度となります。
この前者の制度こそが大学院ルートと
呼ばれるものです。
大学院ルートについての主観的感想
王道と抜け道
税理士試験の主たるルートは試験合格です。
それとは別に大学院ルートが存在します。
この大学院ルートを“抜け道”だとか
“裏道”だとかいう話があります。
まず試験制度があって、
それを“免除”するという仕組みですので、
“抜け道”という表現が適切であって
さすがに“裏道”ってのはないだろうと
いうのがわたしの感覚です。
そして、“抜け道”というとどことなく
姑息なイメージを抱かれるかもしれませんが、
それはまったくありません。
“抜け道”だって立派な道です。
それを迎え撃ったのは函谷関。
秦国は巨大な門壁を利用して必死の防衛。
合従軍の面々が函谷関攻略に力を注ぐ中、
合従軍の司令塔、李牧は南道(脇道)から
秘密裏に侵略して王都咸陽に襲いかかる。
こんなシーンがキングダムにありました。
王道(主たる道)が強固な壁となって
立ちはだかるならば、それを打ち破ろうと
正面突破を図ることも立派な戦略ですし、
別の道を模索して壁の裏側に入り込むのも
また立派な戦略です。
どちらを選ぶかは戦略のちがいです。
負担度合い
では、大学院ルートは試験突破に比べて
負担が軽いのか、というと
「一概にそうとは言えない」と聞きます。
わたしは経験していないので
あくまでも伝聞によるものです。
とくに、幼少期から本をあまり読まず、
文章を書くのも苦手で、メール一つでも
誤字脱字が多い友人はかなり苦労したと
言っていました。
また、近年は人気のルートでもあります。
主要なルートになってくると
ますます注目度が上がり、
人が集まります。
するとその通過抵抗は
大きくなることが予想されます。
楽をしたいから大学院へ
というのは、手痛いしっぺ返しを
くらうかもしれません。
ご注意ください。
件(くだん)の合従軍においても
李牧はその抜け道の先にある要所
蕞(さい)で返り討ちにあっています。
ただ、いつ合格できるかわからない試験よりも
卒業(修士課程終了)で免除されるという
明確に時間が計算できる安心感はあります。
業界内での評判
「試験組だの大学院免除だの、
そんなの関係ないじゃない」と
いう人が同世代の同業者や
経営者の方には多い印象です。
が、特に年配の同業者層に
大学院免除をよく思っていない方が
一定数いらっしゃるのは事実です。
その昔、会計系の修士で会計2科目、
税法系の修士で税法3科目、
大学院2回で5科目免除という
“ダブルマスター”制度がありました。
これがなかなかに悪名高きもので、
この制度を利用してまったく
会計や税に精通していないものが
5科目免除で有資格者という
地位につくことができていたのです。
こうした人たちのことを身近に知り、
また雇って困った経験のある先人の中には
“大学院免除”イコール“ダブルマスター”と
いうイメージがこびりついていて
辛辣な言葉を吐く人も未だにいます。
今の制度はそうした素人がスルーされる
制度ではないので、同じように考えるのは
まちがってる、と思うんですけどね。
人の思想に関することですので、
頭かち割って脳みそグルグルする
わけにもいきません。
そうした評価を受け流す覚悟は
必要でしょう。
実務での武器
大学院で税法を研究し、
修士課程を卒業した方は
税法の体系的な理解など
試験にない鍛錬をされている
ことが多いと感じます。
逆に、税理士試験の現状は
そうした理解を求めるよりも
規定を正しく暗記した上で
アスリートが如く出題内容に
すばやく反応して、反射的に
正しい答えを羅列していく、
そんな特性を持つ人に
有利な試験となっています。
また、ときに理不尽なことも
起こったりもしますが、
それに負けない精神力も
求められます。
感覚的には、正解が何かよりも
勝負にこだわれるかがポイントで、
負けずぎらいの楽観主義者が
向いている試験、と思っています。
こうした特性を鑑みると、
納税者の相談に対する回答能力は
どちらのルートからでも
鍛えられるのでないでしょうか。
ロジカルに、そして、粘り強く
いずれも必要な要素です。
また、それ以前に必要な
コミュニケーション能力などは
どちらのルートかは関係ないです。
家庭や学校で育まれてきた
これまでの人格形成がモノをいいますし、
苦手であれば変わらないといけません。
そういえば、ブスのマーケティング戦略に
「合コンがなんちゃら」というくだりが
あるそうな。読んでみよう。
目的と手段の位置づけ
そもそも、税理士試験に挑む人の目的は
税理士資格の取得です。
税理士試験の合格、はその手段であって
目的ではないはずです。
その目的を達成するための道が複数あるならば
自分にとって合う道、歩きやすい道を選択して
進めばいいのではないでしょうか。
税理士試験はいま、混沌としています。
消費税法は多少ましになっていますが、
未だに重箱の隅をつつくような問題も
出題されていたりもします。
一つひとつの資料にこだわってしまう
近視眼的な人にとっては単純に
相性が悪いといえるでしょう。
試験制度が合わないという判断をどこで下すかは
むずかしいところです。
真剣に取り組んで2回ないし3回不合格であれば
相性が悪いと考えていいのではないでしょうか。
真剣かどうかは本人のみが知ることです。
講師目線からして「本気になれよ」と
思うケースも正直ないことはないですが、
それが本人の本気だというならば
それはそうなんでしょう。
その場合には、大学院ルートを検討することも
積極的に行ってほしいです。
目的は税理士資格取得なわけですから。
ただし、先にも述べたように
大学院ルートは時間こそ計算できるものの
その修士課程の研究の負荷が試験に比して
必ずしも軽いわけではないということを
申し添えておきます。
お金の問題?たしかにそれはあります。
でも、奨学金だって使えるらしいです。
<kensukeさんのブログより>
これらも含めて、検討してみましょう。
もちろん、絶対に5科目合格にこだわるんだという
姿勢を否定するものではありません。
そのときは、ぜひTACをごひいきにm(_ _)m
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【編集後記】
昨日、電車移動していると
お客さんからうれしい報告が。
ふだんは困ったときや悩みが出たときに
連絡をいただくことが多く、
うれしい報告をいただくというのは
ある意味で新鮮なものでした。
こちらもうれしくなりますね。
【昨日の一日一新】
たねやの寒天
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❐石田修朗税理士事務所HP
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石田 修朗
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