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現金取引について考える記事。まずは売上から。
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目次
ある中華料理店でのやりとり
先日、こんなことがありました。
中華料理店で食事をして
代金を支払おうとすると
あいにく5千円札しか
ありません。
「大きくてすいません」と
声をかけながら渡したものの、
憮然とした表情で
「小さいの、ない?」と言われ、
「ないです」と伝えると
「ちょっと待ってよ〜」って、
自身の財布を持ってきて、
そこにもなかったので
従業員に声をかけて工面し、
いらいらした態度で
おつりを渡される・・・。
正直、こちらはお金が足りないと
泣きつく無銭飲食でもないのに
なんでそんな態度を取られるねん、、
こんなことってきっと
多くの飲食店で
起きているでしょう。
カード決済ができれば、
こんなトラブルリスクは
かなり軽減できます。
そこで今日は、
売上代金の受取手法について
その功罪を整理してみます。
売上代金の受け取り
商品・サービスの提供と引換に
お金をいただく。
これが商売の原理原則です。
この“お金の受け取り”について
方法がいくつかあります。
代表的なモノとしては
・現金での受け取り
・銀行への振り込みによる受け取り
・カード決済による受け取り
でしょうか。
消費者向け店舗などでは、
現金での受け取りは
避けられないでしょう。
しかし、カード決済を
導入することは可能です。
一方、対事業者向けサービスの
場合には、その2つに加えて
銀行口座への振込を
利用することも可能です。
それぞれどんな特徴があるのか
整理してみます。
現金受取りのメリット&デメリット
メリット
・(すぐに使える)手元現金が増える
まずはこれ、でしょう。
他の方法だと、売上代金は
指定した口座に入金されます。
それをATMなどで引き出さないと
現金化できません。
現金での受け取りであれば、
ATMに行く必要がありません。
これはメリットでしょうね。
・必ず回収できる
モノやサービスと交換に現金を
受け取るようにすれば、
売上代金が回収できないという
リスクはゼロです。
デメリット
・受領額の確認とおつり計算&準備
売上相手から渡された
お金を数える必要があります。
そして、それに対するおつりを
準備する必要があります。
この作業ってかなりの
時間泥棒ですよね。
したがってデメリットと
言えるでしょう。
・領収証の発行
あらかじめ判っている決済なら
準備していけますが、
そうでなければ、その場で
領収証を発行することになります。
貼りつけるための印紙も
常に準備しないといけません。
こうした現場対応や事前準備も
デメリットと言えるでしょう。
・日々のレジ締め集計
現金で受け取る場合には、
社内の現金が変動します。
それに連動するデータが
ありませんので、
毎日残高を集計する
必要があります。
疲れた一日の終わりに
お金の勘定、
本当にしんどいですね。
ただし、これをやらないと
下のような事態に気づけません。
現金で受け取るのであれば、
絶対に必要です。
・おつり計算のまちがい
現金商売のお客さんの
資料を見ていると、
けっこう頻繁におつりの
まちがいが発生しています。
多く渡す分にはいいですが、
少なく渡してしまうと
お客さんから了承無しに
受け取ったことになります。
・横領(不正)リスク
魔が差したアルバイトさんが
売上代金をくすねる、とか、
現金回収の営業マンが
そのお金を私的に流用して
しまう、といったことも
おきないとは言えません。
現金回収をしているからこそ、
そんなリスクがあります。
他の方法だと起こりえません。
銀行口座への振込みの功罪
メリット
・領収証&おつり不要
その場で領収証を書いたり、
おつりを計算して渡したり、
といったことが不要です。
時間もミスも削減できます。
・横領(不正)リスクなし
前述した横領を
可能にするのは
現金での受け取りです。
振込にすれば、
そのリスクは
なくなります。
・データ管理
ネットバンクに申し込めば、
お金の動きをデータとして
取得&管理することができます。
デメリット
・入金タイミングの遅れ
商品やサービスの提供ののちに
請求書を発行し、それに基づいて
振込をしてもらう。
こうした流れでの決済だと、
代金受け取りのタイミングが
どうしても遅くなります。
その間の運転資金を
工面する必要があり、
それはデメリットでしょう。
できることなら、前金制を
導入したいところです。
モノではなくサービスを
提供するのであれば、
前金制も可能でしょう。
これは経営者の覚悟次第です。
・回収できないおそれ
その場で現金と交換すると、
回収できないリスクはゼロです。
しかし、あとで振り込むとなると、
いざ期限になったときに
本当に振り込んでくれるかどうか
わかりません。
当然、貸倒れ(回収不能)の
リスクを伴います。
・手数料負担
お客さんによっては、
請求額から振込手数料を
差し引いて振り込んで
くることがあります。
こちら側からの請求書に、
“手数料を差し引いて”と
一言を添えていれば別ですが、
勝手にされてしまうことも、、、
この慣習、キライです。
売り上げた側からすると、
勝手に値引実行されるのと
同じです。
経理処理も面倒になります。
無くなってほしい慣習の一つです。
カード決済の功罪
メリット
・領収証&おつり不要
・横領(不正)リスクなし
・データ管理
先に挙げた、銀行振込のメリットは、
カード決済についても同様ですね。
さらに、お客さんにとっては
次のようなものもあります。
・お客さんへのポイント加算
多くのカード会社が
ポイントを付与しています。
同じ代金の支払いなら、
ポイントをつけたいですよね。
お客さんからしたら、
カード決済できる、というのは
同じ支払でポイントがつく、という
とてもありがたいサービスです。
同じモノを求めるなら、
カードが使えるところ、という
意思決定は少なくありません。
・お客さんの経理事務負担軽減
クラウド会計を
利用する側からすれば、
現金でのやりとりは
極力なくしたいです。
それは、事務負担に
大きな差があるからです。
この点については
後日の記事に。
デメリット
・入金タイミングの遅れ
これは銀行振込と同様です。
カード決済会社を選べば、
最短で翌営業日に指定する口座へ
入金というサービスもあります。
・カード手数料
カード決済の導入をいやがる
最大の理由はこれでしょう。
「あの店はカードが使える」といって
店を選ぶ人は少ないでしょうが、
「あの店はカードが使えない」といって
店を敬遠する人は少なくありません。
この場合、手数料の負担だけを
意思決定材料とするのではなく、
販売機会のロスと手数料の負担、
この両者を天秤にかける
必要がありますね。
・カード決済システムの導入コスト
カードを読み取るリーダーの設置などが
面倒くさいという人もいるでしょう。
今はスマホやタブレットといった
携帯端末に取り付けるだけで
すぐに使えるリーダーもあります。
たとえばこのSquareという会社のもの、
ICカードリーダーでクレジット決済を受付 | Square (スクエア)
4,980円の端末を購入して
スマホやタブレットに
取り付けて、専用アプリを
ダウンロードすれば
それで準備OKです。
カード決済手数料は3.25%。
それ以外、月額基本料や
解約料金はありません。
ハードルはとても低いです。
最後に
こうしてメリットとデメリットを
挙げていくと、様々なことが
整理できます。
消費者向けの商売では、
現金での受け取りを
完全になくすことは
難しいかもしれませんが、
現金受け取りというスタイルは
多くのデメリットが潜んでいます。
これをなくすだけで数多くの
負担とリスクを軽減できます。
事業者向けの商売では
それをなくすことは
可能でしょう。
「その場ですぐ、現金で払いたいという
お客さんに対して申しわけがたたない」
といった声も想定されますが、
それを受け入れるかどうかは
経営者の判断次第。
自社の内部管理コストと天秤にかけて
判断すればいいでしょう。
もちろん、回収が疑わしいところへの
対策は必要になってきますが・・・。
大切なのは、「カードは手数料が
かかるからやめとこう」ではなく、
それぞれの方法に功罪があり、
そこにはお金だけで図れないロスが
生まれているということ。
ブラック企業という言葉がありますが、
そこにある問題は金銭のみならず。
むしろ、時間泥棒をどれだけ
削減できるかが大切です。
わが社の仕組み作りを
構築する際には、
金銭的な問題だけでなく、
時間や危機管理といった面も
含めて検討しましょう。
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【編集後記】
土曜日は同窓会幹事の
打上げを地元で。
楽しいひとときでした。
【昨日の一日一新】
市営コートで還付手続
徳之島の肉(ふるさと納税)
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■ 石田修朗税理士事務所HP
開業支援・経営計画支援の石田修朗税理士事務所
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石田 修朗
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