スポンサードリンク
冷蔵庫の中にも在庫は潜んでいます。
スポンサードリンク
目次
利益の計算要素は基本的に相手との照合がある
個人事業であっても、会社であっても、
利益の計算方法は変わりません。
本業での売上高(と預金利息などの本業以外の収入)から、
『売上原価』と『経費』をマイナスして、利益を計算します。
![スクリーンショット 2016-02-22 22.46.25.png スクリーンショット 2016 02 22 22 46 25](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/02/e3465920f8c92eae5794a02a9aadbc48.png)
収入については、相手からの入金に裏付けされます。
一方、控除される“マイナス項目”ですが、
『売上原価』と『経費』で異なる点があります。
『経費』は、支払先からの証拠資料を積み上げて
集計されますが、『売上原価』は必ずしも
そうなるわけではなりません。
『売上原価』の構成要素は、
「期首商品棚卸高」
「当期商品仕入高」
「期末商品棚卸高」
です。
このように計算されます。
![スクリーンショット 2016-02-22 22.46.32.png スクリーンショット 2016 02 22 22 46 32](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/02/525a29fe689ea7c7d8d4a69642295a40.png)
このうち、「当期商品仕入高」は、支払先からの
証拠資料に基づき、計上していきます。
しかし、「期首商品棚卸高」と「期末商品棚卸高」
(以下、「棚卸高」いいます)は、自社で
カウントすることで把握するデータです。
もちろん、その数字に根拠は必要ですが、
数え方によって大きく変動してしまいます。
相手先に支払うことで成立する他の経費では、
数字が変動するということはありません。
つまり、「棚卸高」は他社の目が入らない数字であり、
自分で調べる以外に出てこない数字なんです。
![スクリーンショット 2016-02-22 22.49.44.png スクリーンショット 2016 02 22 22 49 44](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/02/12300f8c7cfbb5bacc0381d138e4a173.png)
この「棚卸高」というのは、“在庫量”のことで
実在する在庫をカウントして把握します。
年に一度の在庫カウントで大丈夫?
卸・小売業や製造業、飲食業など、一定の在庫を抱える商売では
決算時にこの“在庫量”を把握して、最終利益を確定しますが、
毎年一回しか在庫カウント作業をしなければ、
必ずしも正確とは限りませんよね。
年に一回の作業で、ミスをするなという方が酷かもしれません。
この在庫カウント作業にミスが出ると、
どういった影響が出てくるでしょうか。
それは、最終利益にまで影響が及び、
結果的に税金の計算に影響します。
![スクリーンショット 2016-02-22 22.53.22.png スクリーンショット 2016 02 22 22 53 22](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/02/1801be610308620a6197be3e346a7cea.png)
たとえば、ここに年に一回の棚卸の結果の
売上原価の推移があります。
この中で、在庫カウント作業にミスがあるかどうか、
わかるかといえば、わかりづらいですよね。
![スクリーンショット 2016-02-22 22.47.20.png スクリーンショット 2016 02 22 22 47 20](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/02/26814018281f5109ccab9fec4b5989ed.png)
第3期の在庫が少なくカウントされていますので、
ここは少しおかしいのではないか、と感じます。
あと、第6期は少し多いような気がしますね。
第3期の期末において、仕入れを少し減らすなどの
在庫調整をされたかどうか、第6期の期末に
仕入先からの仕入要請を受けたか、などの
確認しなければいけません。
たとえば、第3期の在庫が本当は1,500であって
在庫が1,000少なくカウントされたとすると、
1,000だけ利益が少なくなり、このミスが
税務調査で明らかになると、修正申告による
追加税額が発生します。
また、第6期の在庫が本当は2,000であって、
在庫が1,000多くカウントされたとすると、
1,000だけ利益が多くなり、結果的に余分な
税金を第6期に納めていたことになります。
(その分は第7期の税金の減少に繋がりますが、
一時的にキャッシュがムダに流出してしまいます)
つまり、在庫カウント作業の精度が低いと、
追徴税金を後で納めたり、
一時的に多めに納めてしまったりと
いうことが生じるのです。
こういったムダはなくしたいですよね。
在庫カウントは月ごとにおこなうべき
しかし、これを月ベースで在庫カウント作業をして、
こんな感じで出てきたとします。
![スクリーンショット 2016-02-22 22.47.25.png スクリーンショット 2016 02 22 22 47 25](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/02/f44503ea958a3ec5b0605ec9eac63f8d.png)
こうして毎月在庫カウント作業をすると、
「棚卸高」に対する「仕入高」の割合が低くなるので、
“在庫量”の異常に、より気づきやすくなります。
月末棚卸高を比べると、5月の500と6月の3,000は
異常値っぽいですね。
これに、それぞれの仕入金額と月初棚卸高を加味して、
売上原価まで計算してみると、より見つけやすくなります。
売上のボリュームにもよりますが、
売上原価が6月は500,9月は200と、
明らかにおかしい感じがします。
逆に5月の売上原価は2,500で、
これは正常かもしれません。
売上のボリュームと仕入れのボリュームを加味して、
初めて在庫の適正性を探ることができます。
そして、年ベースでの数字よりも、月ベースの数字を見る方が、
在庫チェックの精度を測るのに適していますね。
![スクリーンショット 2016-02-22 23.43.42.png スクリーンショット 2016 02 22 23 43 42](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/02/accf838127dc9c6c4f294dac95616f02.png)
そして、在庫カウント作業自体の精度も
月ベースで行った方が間違いなく向上します。
担当者のカウントスキルの向上、
ミスの蓄積による防止策の改善が
期待できるからです。
月次決算を進めていく上でも、毎月の在庫カウントで
「棚卸高」を毎月把握していくことが不可欠です。
「今月の仕入れ」だけでは、
本当の売上原価が把握できないからです。
在庫カウントをすることによって
「棚卸高」を正確に把握することができ、
これによってはじめて利益が掴めます。
この在庫のカウントが適当だと、
本当の利益は把握できません。
まとめ
在庫を毎月カウントすることによる
メリットは主にこの3つです。
![スクリーンショット 2016-02-23 1.51.58.png スクリーンショット 2016 02 23 1 51 58](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/02/6ae6bf4e26ce7b4a58ae1cbc160667ea.png)
在庫カウントが決算の恒例行事になっている会社も
多いと思いますが、毎月末の恒例行事に格上げ?して
会社にとってより有益な作業にしましょう。
==============================
【編集後記】
締め切り効果を狙って23時クローズのスタバで
22時過ぎからブログを書き始めたものの
23時に間に合わず、近くのカフェバーに
移動して書いています。
最初からこっちに来ればよかった・・・。
締め切り効果の過信は禁物と学びました。
【昨日の一日一新】
パルナソスホール
せいかつ発表会
==============================
石田 修朗
最新記事 by 石田 修朗 (全て見る)
- 記念日に滝に行ってきた話 - 2020-09-01
- 【写真】2020年6月の活動報告 - 2020-07-05
- 【備忘録】2020年5月の姫路城写真活動報告 - 2020-06-01