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吸収合併があった場合の納税義務の免除の特例について、
数回に分けてお伝えします。
![スクリーンショット 2016-03-17 23.56.49.png スクリーンショット 2016 03 17 23 56 49](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/03/b128dfb1342a6de4e8becc17c98477e7.png)
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目次
納税義務の免除とその特例
消費税の納税義務判定は、理論・計算ともに
重要論点です。
このブログでも、過去数回にわたって記事にしています。
<消費税>納税義務の免除制度vol.1 〜基本編〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜
<消費税>納税義務の免除制度vol.2 〜基準期間はなぜ2年前なのか〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜
<消費税>納税義務の免除制度vol.3 〜基準期間の特例と売上高の計算〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜
<消費税>納税義務の免除制度vol.4 〜免除に対する特例の存在〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜
<消費税>納税義務の免除制度vol.5 〜起業後2年間免税されるために超えるべき壁〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜
<消費税>納税義務の免除制度vol.6 〜基準期間における課税売上高の注意点〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士ブログ〜
今回は、今までに触れてなかった組織再編関係の中でも
特に受験する上でケアすべき『吸収合併』があった場合の
納税義務の判定について、紹介していきます。
まず、納税義務の免除というのは、
小規模事業者に認められる特典です。
“小規模事業者”に該当するかどうかは、
基準期間における課税売上高で判定します。
1,000万円以下であれば、“小規模事業者”に該当します。
基準期間は、原則として、前々事業年度(2年前)です。
しかし、相続や合併、分割などで、事業規模が大きくなったり
逆に小さくなった場合には、原則どおりの判定だけでは
不合理が生じるため、複数の規定を設けて、
『課税の公平』や『租税回避防止』を図ります。
![スクリーンショット 2016-03-17 23.20.23.png スクリーンショット 2016 03 17 23 20 23](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/03/379a0e11a4b728eca02da31ad942b839.png)
注目すべき点は、『分割等(新設分割)』だけが
その趣旨を異にすることです。
この点については、また別の記事で紹介します。
また、納税義務の免除に対するこれらの特例には
共通ルールがあります。
それは、特例計算の対象金額が、1年目とそれ以外で
異なるという点です。
具体的には、次のようになります。
![スクリーンショット 2016-03-17 23.24.45.png スクリーンショット 2016 03 17 23 24 45](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/03/4206026ed6ed6b6408e2fe43193fc6b2.png)
1年目は特例計算の対象となる金額は、
相手の売上高だけを用います。
(合計をすることは絶対にありません)
![スクリーンショット 2016-03-17 23.24.51.png スクリーンショット 2016 03 17 23 24 51](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/03/f6a9dc5862dbbc2ba40d8bfda26c9a85.png)
2年目以降の特例計算では、
自分の売上高と相手の売上高の合計を用います。
(一部、例外はあります)
吸収合併があった場合の基本形
では、標準的なモデルケースで検証します。
![スクリーンショット 2016-03-17 23.29.04.png スクリーンショット 2016 03 17 23 29 04](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/03/2f89888e099d868bca4e70f386ef7b95.png)
この事例では、合併法人A社が、×3年10月1日に、
被合併法人B社を吸収合併して拡大しています。
この場合、合併法人のA1、A2年度は、基準期間と
事業規模が変わらないので、特例は必要ありませんが、
A3年度は、事業規模が大きくなっています。
このときに、基準期間(A1年度)の売上高だけで
納税義務の有無の判定を行ってしまっては、
他の事業者との公平性を保つことができません。
そこで、吸収合併があった場合の特例が設けられています。
吸収合併1年目
![スクリーンショット 2016-03-17 23.31.49.png スクリーンショット 2016 03 17 23 31 49](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/03/2a9ba9b9d814426bcad4d38351a24686.png)
まず、自分の基準期間で判定します。
それで、納税義務がありとならない場合には、
次に、課税事業者の選択の有無、
そして、前年等の課税売上高(期首から6ヶ月)に
よる納税義務の免除の特例のチェックを受けます。
それでも、納税義務がありとならない場合に、ようやく
吸収合併があった場合の納税義務の免除の特例の出番です。
このときに、A3は吸収合併があった事業年度、
つまり、吸収合併1年目に該当するので、
特例の対象となるのは、相手(被合併法人B社)だけです。
具体的には、A3年度の基準期間に相当する期間の
B社の課税売上高だけで判定します。
さて、この“基準期間に対応する期間”とは
いったいどこを指すのでしょうか。
それは、施行令第22条にこのように規定されています。
![スクリーンショット 2016-03-17 23.37.25.png スクリーンショット 2016 03 17 23 37 25](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/03/61d36b6f2b9e7ff819540f3e60d5c796.png)
ということで、こうなります。
![スクリーンショット 2016-03-17 23.38.16.png スクリーンショット 2016 03 17 23 38 16](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/03/fb5c769729c9fd5bf42c1cded7aad358.png)
吸収合併2年目
次に、吸収合併があった事業年度の良く事業年度(A4)について
検討してみましょう。
このA4の基準期間はA2年度です。
A4は吸収合併によって、事業規模が大きくなっていますが、
A2は吸収合併前で、事業規模は小さい状態です。
この判定のみでは不合理ですので、特例が設けられています。
![スクリーンショット 2016-03-17 23.39.37.png スクリーンショット 2016 03 17 23 39 37](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/03/8c786ca0e76252ebb921249fb108ef13.png)
この場合の“基準期間に相当する期間”は実は、
先ほどとは少し異なる設定になっています。
![スクリーンショット 2016-03-17 23.39.44.png スクリーンショット 2016 03 17 23 39 44](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/03/53365f823315f7313ecd626449d64efc.png)
第2項なんですね。
これによって、判定はこのようになります。
![スクリーンショット 2016-03-17 23.39.50.png スクリーンショット 2016 03 17 23 39 50](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/03/c0c325e945a5e60412891f4742d47e8a.png)
これが、吸収合併2年目の判定です。
吸収合併3年目
続いて、吸収合併3年目(A5)について、検討します。
A5年度の基準期間はA3年度です。
A3年度は、吸収合併を行った事業年度で、
10月1日からは事業規模は大きくなっています。
しかし、9月30日までの6ヶ月間は事業規模は小さいので
原則の判定だけだと不合理です。
そこで、特例が設けられています。
![スクリーンショット 2016-03-17 23.44.51.png スクリーンショット 2016 03 17 23 44 51](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/03/438397b3972d2e1435deb008a1c0b7f7.png)
この場合の“基準期間に相当する期間”は
第2項ルールが適用されます。
そうすると、このようになります。
![スクリーンショット 2016-03-17 23.44.58.png スクリーンショット 2016 03 17 23 44 58](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/03/99a5cec0b5be7f53a73f13d73a47edac.png)
吸収合併4年目
吸収合併4年目(A6)はどうでしょう?
A6年度の基準期間はA4です。
すでに前年に吸収合併を終え、A4は事業規模が
大きくなってからスタートした事業年度で、
すでに大きな規模できれいな四角形を描いています。
まったく不合理な点はありませんので、
この場合には吸収合併があった場合の
納税義務の免除の特例は適用されません。
したがって、吸収合併があった場合には、
合併事業年度、
その翌事業年度、翌々事業年度、
が特例対象となってきます。
ただし、翌々々事業年度が特例対象と
なる事例もあります。
(続く)
<消費税>吸収合併の場合の納税義務の免除特例vol.2 〜応用編その1〜
<消費税>吸収合併の場合の納税義務の免除特例vol.3 〜応用編その2〜
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【編集後記】
ついに事務所のミーティングスペースの
テーブルを決定しました。
昨日注文して、届くのは6月末。
少し時間がかかりますが、
首を長くして待ちたいと思います。
【昨日の一日一新】
一蘭 三宮店
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❐石田修朗税理士事務所HP
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石田 修朗
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