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昨日に引き続き、吸収合併があった場合の納税義務の話です。
![スクリーンショット 2016-03-18 16.44.23.png スクリーンショット 2016 03 18 16 44 23](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/03/73f06e5c9916dedc203261224293441d-1.png)
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目次
翌々々事業年度まで特例の適用??
吸収合併があった場合の納税義務の判定の
基本的な流れはこちらを参照下さい。
<消費税>吸収合併の場合の納税義務の免除特例vol.1 〜基本編〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜
今回からは、少し意外な結果が出るパターンについて。
まず、本日取り上げるのが、「翌々々事業年度で
まだ特例の適用があるの?」というパターンです。
具体的事例
合併タイムテーブルはこちら。
![スクリーンショット 2016-03-18 16.44.23.png スクリーンショット 2016 03 18 16 44 23](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/03/73f06e5c9916dedc203261224293441d.png)
×4年5月1日に合併法人A社が被合併法人B社を
吸収合併しました。
そして、×4年12月31日でいったん事業年度を
変更して決算を迎え、その後さらに事業年度を
変更して、3月決算法人になった場合です。
吸収合併1年目
では、まず吸収合併をしたA3年度から確認していきます。
![スクリーンショット 2016-03-18 16.48.17.png スクリーンショット 2016 03 18 16 48 17](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/03/00b371e07cf45bf6844ca8d3729219eb.png)
A3年度の基準期間はA1年度です。
まず、基準期間における課税売上高で判定するのが原則です。
そして、それで納税義務ありにならない場合には、
課税事業者選択の有無、前年等の課税売上高を確認します。
選択をしていなければ、A2事業年度の開始から6月の
売上高・給与の両方が1,000万円を超えているときは
納税義務ありとなります。
逆に、どちらか片方でも1,000万円以下であれば、
納税義務ありとはならないので、次の特例により
判定を受けることとなります。
ここで登場するのが、“吸収合併があった場合の
納税義務の免除特例”です。
![スクリーンショット 2016-03-18 16.48.23.png スクリーンショット 2016 03 18 16 48 23](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/03/be02bebee0dc3219387d7fcacae42464.png)
基準期間に相当する期間をきちんと見定めて、
判定をしていきましょう。
吸収合併2年目
続いて、合併2年目にあたるA4年度について検討します。
![スクリーンショット 2016-03-18 16.48.39.png スクリーンショット 2016 03 18 16 48 39](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/03/f759608dc8ee82549cdc2c3c69408b84.png)
A4年度の基準期間はA2年度です。
以下、同じように判定していきます。
前年等の特例で納税義務ありとならなければ、
“吸収合併があった場合の納税義務の免除特例”が
登場します。
![スクリーンショット 2016-03-18 16.49.04.png スクリーンショット 2016 03 18 16 49 04](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/03/40da28d6073fafcda2ac49085883fb34.png)
基準期間に対応する期間が、1年目とは定義が異なる点に
注意が必要です。
そして、2年目以降は「相手だけ」で判定するのではなく、
「自分と相手の合計」で判定する点も注意して下さい。
吸収合併3年目
続いて、合併3年目のA5年度について検討します。
![スクリーンショット 2016-03-18 16.58.57.png スクリーンショット 2016 03 18 16 58 57](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/03/c7b70f95959941f7cebf8ae91bc294f2.png)
A5年度の基準期間はA3年度です。
そして、前年等の課税売上高による判定をする際に
イレギュラーが発生します。
A5年度の前年はA4年度です。
しかし、A4年度は7ヶ月しかありません。
いわゆる『短期事業年度』に該当するため、
特定期間にはなることができません。
この場合の特定期間は前々事業年度となりますが、
前々事業年度が基準期間である場合には、
特定期間なしとなります。
この事例では、A5年度がまさにこのパターンです。
特定期間なし、と書いて、次に進みましょう。
![スクリーンショット 2016-03-18 16.59.02.png スクリーンショット 2016 03 18 16 59 02](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/03/ab6e77b21c1cda638ed235412c5f0625.png)
ここでは、基準期間に対応する期間を正確に
把握して、「自分と相手の合計」で判定して下さい。
吸収合併4年目
さて、問題のA6年度について、検討します。
![スクリーンショット 2016-03-18 17.00.48.png スクリーンショット 2016 03 18 17 00 48](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/03/f7412c2b887335a0667f325dc5248b16.png)
A6年度の基準期間は、
前々事業年度(A4年度)が1年に満たないため、
×3年4月1日から×4年3月31日の間に開始する
各事業年度を合わせた期間となります。
<消費税>納税義務の免除制度vol.3 〜基準期間の特例と売上高の計算〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜
つまり、A3年度が基準期間となります。
次に、特定期間について考えてみましょう。
A5年度は3ヶ月だけですので、『短期事業年度』に
該当します。したがって、前々事業年度にズレます。
A4年度はA6年度にとっての基準期間ではありませんので、
A4年度の×4年6月1日から11月30日の課税売上高と
給与で判定を行います。
いずれかが1,000万円以下になった場合、
吸収合併の特例の適用があるのかどうかが
問題となってきます。
ここで、吸収合併があった場合の納税義務の免除特例の
条文が、どういう条件設定をしているかを確認します。
![スクリーンショット 2016-03-18 18.08.46.png スクリーンショット 2016 03 18 18 08 46](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/03/e5b67cc2ca5033ab594e90895d94a5ad.png)
「基準期間の初日の翌日から〜〜までの間に吸収合併が・・・」
あります!ありますよね!!
ということで、特例の対象となります。
以下の流れはA5年度と同様です。
![スクリーンショット 2016-03-18 16.59.19.png スクリーンショット 2016 03 18 16 59 19](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/03/645dc431b1b34cb3eb83cb016842343c.png)
「自分と相手の合計」で判定して下さい。
![スクリーンショット 2016-03-18 16.59.27.png スクリーンショット 2016 03 18 16 59 27](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/03/5af50d67e11854e8abcd3f32fbf4b969.png)
吸収合併5年目
続いて、A7年度について、検討します。
![スクリーンショット 2016-03-18 18.10.05.png スクリーンショット 2016 03 18 18 10 05](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/03/e68ab0fd0093be1316a1a9a331db0434.png)
特例適用の条件では、「2年前の日から〜〜」という言い回しではなく、
「基準期間の初日の翌日から〜〜」という言い回しになっています。
ということは、、、
![スクリーンショット 2016-03-18 18.10.10.png スクリーンショット 2016 03 18 18 10 10](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/03/e888aff32ebb5f2c30242c0a67d4d855.png)
“吸収合併があった場合の納税義務の免除特例”の
適用はありません。
合併の日は×4年5月1日で、A7年度からしたら
開始の日の2年前の日以降の合併なんですけど、
基準期間の初日はそれよりあとにやってきます。
なので、安易に“2年前”という感覚を
持たないことが大切です。
まとめ
このように、事業年度の変更が行われた場合には、
吸収合併のあった事業年度の3年後にまで特例が
及ぶことがあり、また、2年以内に行われた
吸収合併であっても、特例の対象から
外れることがあります。
(続く)
<消費税>吸収合併の場合の納税義務の免除特例vol.3 〜応用編その2〜
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【編集後記】
今日は母の誕生日。
いつまでも元気で
いてほしいものです。
【昨日の一日一新】
DIME
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❐石田修朗税理士事務所HP
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石田 修朗
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