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税理士試験攻略シリーズ。先週に引き続き、消費税のお話。
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目次
消費税が免除されるかどうかの基本的な判定材料は2年前の売上高
先週木曜日のブログで紹介したように、
「小規模な事業者は国内取引についての消費税を
納めなくてよい」という規定が消費税法にあります。
<消費税>納税義務の免除制度vol.1 〜基本編〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜
この対象となる事業者のことを「免税事業者」といいます。
具体的には、「基準期間における課税売上高」が
「1千万円以下」の事業者は、国内取引について
「消費税を納める義務を免除」する。
という内容です。
売上高が1千万円以下というのは事業規模の判定です。
この規定では、年間売上高が1千万円以下の事業者は
小規模事業者という扱いになります。
![スクリーンショット 2014-11-20 15.31.16.png スクリーンショット 2014 11 20 15 31 16](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2014/11/b8b22208ef1c2a04bbdeb667cf8b5ebf.png)
「基準期間」は、基本的には次のようになります。
![スクリーンショット 2014-11-20 8.07.10.png スクリーンショット 2014 11 20 8 07 10](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2014/11/5fa1b5a6009f75fc179666e7880ea8b4.png)
イメージとしては“2年前”ですね。
「基準期間における課税売上高が1千万円以下」とは、
「2年前における課税売上高が1千万円以下」という
意味合いになります。
なぜ「2年前の売上高」で判定するのか
なぜ、「今年の売上高」や「1年前の売上高」ではなく、
「2年前の売上高」を使うのでしょう。
「小規模事業者に係る納税義務の免除」という制度があります。
この規定によって納税を免除される事業者を「免税事業者」と呼びます。
この「免税事業者」は消費税を納める義務がありませんので、
お客さんから消費税を預かる必要がありません。
対価100円の商品であれば、100円だけもらえばいいのです。
一方で納税義務のある事業者(課税事業者)においては、
対価100円の商品を販売するときには8円(8%)の消費税を
預からなければ、100円の8/108(7円)を自己負担で納税し、
売上は93円ということになってしまいます。
消費税法では、国と事業者との間で納税義務関係を規定しているだけで
事業者と消費者との間の消費税の負担義務関係は規定していません。
したがって、事業者がお客さんから8%の消費税分のお金を預かろうが
預からなかろうが、知ったこっちゃないのです。
売上で受け取った対価の総額のうちの8/108分を消費税分と考えます。
こういったルールになっていますので、上述のような
自己負担の事態が事業者に生じないようにするために、
事業年度開始の日(個人事業者なら1月1日)の時点で、
売上について消費税を預かる必要があるか否かを
明らかにする必要があります。
そのためには、消費税の「課税事業者」となるか
「免税事業者」となるかは、その事業年度(年)の
開始時点で判明するような仕組みにしなければいけません。
「小規模事業者は免税事業者」という規定における
「小規模事業者」に該当するかどうかの判定は、
その事業者の売上規模で決定します。
本来、その事業年度(年)の売上で判定すればいいのですが、
その事業年度(年)の売上が確定するのは、その事業年度(年)が
終了してしばらく経ってからです。
通常、一年間の売上総額は、決算日を迎えてすぐには確定しません。
集計などの事務作業が必要となりますので、一定期間を
経過しなければ確定しない事業者がほとんどです。
(法人税や消費税の確定申告期限が、決算日から2月以内ですので、
2ヶ月以内には確定することが想定されます。)
では、前事業年度(年)での判定にすれば、となるのですが、
前年の売上が確定するのは、その前事業年度(年)が終了して
しばらく経ってから、すなわち今の事業年度(年)に入ってからです。
これでは開始直後の売上に消費税を上乗せすべきかどうか、
事業者はその時点で適正に判断できません。
そこで2年前の売上を使うことにしています。
![スクリーンショット 2014-11-20 15.27.57.png スクリーンショット 2014 11 20 15 27 57](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2014/11/f4c65386d68be478a4066f87131983e8.png)
次回は「基準期間」の特例について
なお、法人の場合、「基準期間」は“前々事業年度”です。
事業年度というのは自由に設定できますので、
場合によっては前々事業年度が1年(365日)で
ないということも考えられます。
前々事業年度が1年に満たなければ、
当然売上高も1年分よりも少なくなるでしょう。
これで判定しては他の法人と不公平が生じますので、
基準期間が1年未満の法人については、別途規定を設けて
不公平をなくすようにしてあります。
そのあたりについては、次回の内容として取り上げたいと思います。
<関連記事>
<消費税>納税義務の免除制度vol.3 〜基準期間の特例と売上高の計算〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜
<消費税>納税義務の免除制度vol.4 〜免除に対する特例の存在〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜
<消費税>納税義務の免除制度vol.5 〜起業後2年間免税されるために超えるべき壁〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜
<消費税>納税義務の免除制度vol.6 〜基準期間における課税売上高の注意点〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜
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【編集後記】
錦織選手が、ラケットを2015年から
新しいモデルでチェンジするそうです。
Wilsonの「BURN」シリーズ。
日本限定発売とのこと。
Wilsonの勢いが止まりません。。
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石田 修朗
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