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リバースチャージ方式の税抜経理処理と
消費税計算について紹介します。
![DSC05085.JPG DSC05085](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/01/DSC05085.jpg)
(西宮神社 表大門)
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目次
リバースチャージ方式の経理処理
リバースチャージ方式が適用される役務の提供を受けた
国内事業者の経理処理について紹介します。
![スクリーンショット 2015-12-31 7.06.23.png スクリーンショット 2015 12 31 7 06 23](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/01/4f67a1264a89c82b0f8b8fc79fc79c17.png)
まず認識すべきこととして、事業者向け電気通信利用役務の提供に
該当する取引を受けた者は、リバースチャージ方式が適用されるため、
その取引について“課税売上”と“課税仕入れ”の両方に
含めることとなります。
このことについて、法人税法基本通達では
次のように規定しています。
特定課税仕入れの取引については、取引時において
消費税等の額に相当する金銭の受払いがないので
あるから、その取引の都度行う経理処理において
当該特定課税仕入れの取引の対価の額と区分すべき
消費税等の額はないことに留意する。
ただし、法人が当該特定課税仕入れの取引の対価の額に
対して消費税が課せられるものとした場合の消費税等の
額に相当する額を、例えば、仮受金及び仮払金等として
それぞれ計上するなど仮勘定を用いて経理処理すること
としても差し支えない。
このように、通達では特定課税仕入れに係る対価の額に
消費税相当額は含まれていないものとして会計処理する
ことを前提としています。
税抜経理方式
税抜経理方式では、特定課税仕入れについて消費税相当額を
支払っていないことから、支払対価をそのまま費用(原価)と
して処理し、“仮払消費税等”を計上することはありません。
ただし、消費税法上の考えでは、課税仕入れと課税売上が
両建てとなることから、支払対価の額に係る消費税相当額を
“仮払消費税等”“仮受消費税等”として両建てすることも
認められます。
では、具体的な経理処理と、消費税計算を見ていきましょう。
なお、具体例では流れを捉えていただくことが目的なので、
国税6.3%のみ、端数処理は行わずに紹介していきます。
課税売上が95%未満の場合
個別対応方式、かつ、課税のみ対応(A対応)
![スクリーンショット 2016-01-08 9.11.14.png スクリーンショット 2016 01 08 9 11 14](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/01/ff5e42b34b4b98867f30fe60638abf91.png)
<両建計上した場合>
![スクリーンショット 2016-01-08 9.11.28.png スクリーンショット 2016 01 08 9 11 28](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/01/7f00841520781d7aa4c01df4272179f1.png)
個別対応方式、かつ、その他のみ対応(B対応)
![スクリーンショット 2016-01-08 9.11.41.png スクリーンショット 2016 01 08 9 11 41](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/01/cc9fca90a9507288cc2471682a13c1b5.png)
<両建計上した場合>
![スクリーンショット 2016-01-08 9.11.50.png スクリーンショット 2016 01 08 9 11 50](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/01/c3092a5f80f9d76867160270b77f2852.png)
個別対応方式、かつ、共通対応(C対応)又は一括比例配分方式
課税売上割合は80%とします。
![スクリーンショット 2016-01-08 9.12.01.png スクリーンショット 2016 01 08 9 12 01](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/01/d6dfa309016f1f1cf2c9f476d9f0ad0a.png)
<両建計上した場合>
![スクリーンショット 2016-01-08 9.12.12.png スクリーンショット 2016 01 08 9 12 12](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/01/9b2dcd52f74a1a5394e8876cbba6417e.png)
課税売上割合が95%以上の場合
95%以上の場合は、リバースチャージ方式の適用がありません。
![スクリーンショット 2015-12-30 17.39.45.png スクリーンショット 2015 12 30 17 39 45](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/01/5684671a647beec5367e489948f705a7.png)
したがって、消費税計算は特に生じないことに留意しましょう。
![スクリーンショット 2016-01-08 9.12.19.png スクリーンショット 2016 01 08 9 12 19](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/01/27bcacb2a1b016848e5d74fde40dc97e.png)
<両建計上した場合>
![スクリーンショット 2016-01-08 9.12.30.png スクリーンショット 2016 01 08 9 12 30](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/01/a7bddb300712299d812033b9dda12a80.png)
まとめ
リバースチャージ方式は、
本来は役務受領者が役務提供者に支払う消費税(仮払消費税)を
支払わずに留保(チャージ)して、
本来は役務提供者が納めるべき消費税(仮受消費税)について
役務受領者に納税義務を転換(リバース)して、
受領者が直接税務署に納付するという仕組みです。
一言で言えば、
『売りと買いの消費税が同時に計上される』
方法です。
この仕組みを理解するのに本当に必要な基礎知識は
『多段階累積控除』という話でしょう。
こちらに関してはこの記事を参照ください。
消費税の基礎知識 その2 | 歩々是道場 〜脱力系税理士の熱血blog〜
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【編集後記】
明日から三日間、えべっさんが始まります。
関西中心の文化のようですね。
総本山の西宮神社の十日戎では
十日戎開門神事『福男選び』が行われます。
門から本殿までの約230mのかけっこです。
先日西宮神社を通ると、こんな掲示がありました。
![DSC05081.jpg DSC05081](https://ishitax-blog.jp/wp-content/uploads/2016/01/DSC05081.jpg)
今年はどんな方が福男になるんでしょうね。
【昨日の一日一新】
十番 ハラミ丼
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石田 修朗
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