電気通信利用役務の提供に係る内外判定基準の見直しについて、
国税庁が発表しているQ&Aを基に整理していきます。

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電気通信利用役務の提供の意義

電気通信利用役務の提供とは、インターネット等の電気通信回線を
介して行われる電子書籍や音楽、ソフトウェア等の配信のほか、
ネット広告の配信やクラウドサービスの提供、さらには
電話やメールなどを通じたコンサルタントなどが
これに該当することになります。

電話、FAX等の通信そのものに該当する役務の提供は除かれます。

具体例

電気通信利用役務の提供に該当する取引は、
対価を得て行われる以下のようなものが該当します。

① インターネット等を通じて行われる電子書籍・電子新聞・
音楽・映像・ソフトウェア(ゲームなどのさまざまなアプリ
ケーションを含む)の配信
② 顧客に、クラウド上のソフトウェアやデータベースを
利用させるサービス
③ 顧客に、クラウド上で顧客の電子データの保存を行う
場所の提供を行うサービス
④ インターネット等を通じた広告の配信・掲載
⑤ インターネット上のショッピングサイト・オークション
サイトを利用させるサービス(商品の掲載料金等)
⑥ インターネット上でゲームソフト等を販売する場所を
利用させるサービス
⑦ インターネットを介して行う宿泊予約、飲食店予約サイト
(宿泊施設、飲食店等を経営する事業者から掲載料等を徴するもの)
⑧ インターネットを介して行う英会話教室

電子書籍や音楽の配信、ネット広告の配信以外にも、
アジア諸国とSkype等を通じての英会話教室や、
飲食・宿泊のネット予約サイトなども該当します。

該当しないもの

① 電話、FAX、電報、データ伝送、インターネット回線の利用など、
他者間の情報伝達を単に媒介するもの(いわゆる通信)

② ソフトウェアの製作等

著作物の制作を国外事業者に依頼し、その成果物の受領や制作過程の
指示をインターネット等を介して行う場合がありますが、
当該取引も著作物の制作という他の資産の譲渡等に
付随したインターネット等が利用されていることから
電気通信利用役務の提供に該当しません。

③ 国外に所在する資産の管理・運用等(ネットバンキングを含む)

資産の運用、資金の移動等の指示、状況、結果報告等について、
インターネット等を介して連絡が行われたとしても、資産の
管理・運用等という他の資産の譲渡等に付随してインターネット等が
利用されていることから電気通信利用役務の提供に該当しません。
ただし、クラウド上の資産運用ソフトウェアの利用料金などを
別途収受する場合には、その部分は電気通信利用役務の提供に該当します。

④ 国外事業者に依頼する情報の収集・分析等

情報の収集・分析等を行ってその結果報告等について、
インターネット等を介して連絡が行われたとしても、
情報の収集・分析等という他の資産の譲渡等に付随して
インターネット等が利用されていることから電気通信
利用役務の提供に該当しません。
ただし、他の事業者の依頼によらずに自身が収集・分析した
情報について対価を得て閲覧に供したり、インターネットを
通じて利用させるものは電気通信利用役務の提供に該当します。

⑤ 国外の法務専門家等が行う国外での訴訟遂行等

訴訟の状況報告、それに伴う指示等について、インターネット等を
介して行われたとしても、当該役務の提供は、国外における
訴訟遂行という他の資産の譲渡等に付随してインターネット等が
利用されていることから電気通信利用役務の提供に該当しません。

⑥ 著作物の譲渡・貸付け等

著作物に係る著作権の所有者が、著作物の複製、上映、放送等を
行う事業者に対して、当該著作物の著作権等の譲渡・貸付けを
行う場合に、当該著作物の受け渡しがインターネット等を介して
行われたとしても、著作権等の譲渡・貸付けという他の資産の
譲渡等に付随してインターネット等が利用されていることから
電気通信利用役務の提供に該当しません。

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なお、電気通信利用役務の提供に該当しない取引については、
従来と同様に国内取引の判定を行い、消費税の課税対象と
なる場合には、これらの資産の譲渡等を行った事業者に
納税義務が課されることとなります。

内外判定基準の改正点

電気通信利用役務の提供に該当する取引については、
その役務の提供が消費税の課税対象になる国内取引に
該当するかどうかの判定基準を以下のように改正しました。

【改正前】
役務の提供を行う者の役務の提供に係る事務所等の所在地で判定

【改正後】
役務の提供を受ける者の住所、居所、本店もしくは主たる事務所等の
所在地で判定

これによって、電気通信利用役務の提供に該当する取引の、
改正前及び改正後の課税関係は次のようになります。
(国税庁ホームページより)

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内外判定上の留意点

電気通信利用役務の提供を受ける者の住所等が
国内であるかどうかについては、電気通信利用
役務の提供を行う事業者が、客観的かつ合理的な
基準に基づいて判定することになります。

具体的には、インターネットを通じて電子書籍、音楽、
ゲーム等をダウンロードさせるサービスなどにおいては、
顧客がインターネットを通じて申し出た住所地と顧客が
決済で利用できるクレジットカードの発行国情報とを
照合して確認する等、各取引の性質等に応じて合理的
かつ客観的に判定できる方法により行うこととなります。

また、国内に旅行に来ている外国人旅行者(非居住者)に
対して行うインターネットを介した電子書籍の提供は、
役務の提供を受ける者の住所等が国外となるため、
国内取引に該当しません。

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外国法人の日本支店が電気通信利用役務の提供を
受けた場合も、国外取引となります。

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逆に、内国法人の海外支店に対して行うインターネットを
介した電子書籍の提供は、その役務の提供に係る事業者の
本店又は主たる事務所が国内にあるかどうかにより判定する
ことから、国内取引に該当し、消費税が課税されます。

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【編集後記】
常にチェックしているブログで続々と1年を振り返るネタが・・・。
ブログを始めるまではなかった年の瀬の感じ方です(^^)

【昨日の一日一新】
星乃珈琲

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。