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木曜日は税理士試験攻略シリーズ。先週に引き続き、消費税のお話。
(画像は本文と一切関係ありません。さっき横を通ってたら点灯したのでパシャリ)
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目次
小規模事業者に係る納税義務の免除規定の問題点
前回、「基準期間における課税売上高」の計算における
注意事項をお伝えしました。
この「基準期間における課税売上高」は、小規模事業者に係る
納税義務の免除の規定の適用があるかどうかの判定で用います。
この小規模事業者に該当するかどうかは、基本的に
2年前の売上高で判定します。
なぜ2年前なのか、はこちらで紹介しました。
<消費税>納税義務の免除制度vol.2 〜基準期間はなぜ2年前なのか〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜
事業年度開始時点で、課税か免税かを決めるためには、
直前事業年度の売上は使えない(確定に最大2ヶ月かかる)ので、
2年前の売上を使って事業規模を判定するしかないという考えです。
なぜ売上高で判定するのか、それは売上高が事業規模を
図る指標として適しているのと同時に、この規定の
元々の趣旨にこのような理屈があるからです。
しかし、例えば個人事業者が法人成りした場合など、
ある程度の基盤がある事業者においては、初年度から
相当額の売上が上がることが予想されます。
ということは、相当額の消費税を預かることになります。
そういった事業者についても、2年間免税というのは
課税の公平の観点からおかしいわけです。
そこで、この問題に対する歯止めとして
「納税義務の免除に対する特例」規定があります。
新設法人の納税義務の免除の特例
事業年度開始時点で資本金が1,000万円以上の法人については、
最初から一定の事業規模があると考えられるため、
基準期間がない課税期間(事業年度)においても
その納税義務を免除しないと規定しています。
前年等の課税売上高による納税義務の免除の特例
平成23年度税制改正において、次の規定が制定されました。
平成25年1月1日以後に開始する年又は事業年度について適用されます。
たとえ、2年前の売上高が1,000万円以下であったとしても、
前年の上半期(6ヶ月)における課税売上高が1,000万円を
超えるときは、その納税義務は免除しないと規定しています。
前年上半期の売上であれば、事業年度開始するまでの間に
確定させることができます。
上半期で課税売上高が1,000万円を超えているのであれば、
事業規模からして、免除する必要はない、ということです。
ただし、この場合の課税売上高は“給与等”に
置き換えることが認められていますので、
「上半期の課税売上高が1,000万円超、かつ、上半期の給与等の
合計額が1,000万円超」の場合にこの規定が適用されます。
通常の事業においては、売上高と給与等の合計額には
かなりの開きがあると思われますので、
実際には相当規模の売上がある事業でなければ
この規定の網にかかることはないでしょう。
では、この規定は何をターゲットとしたのでしょうか。
それはおそらく、人材派遣業です。
従来、経費のほとんどが人件費(不課税)の人材派遣業においては、
売上にかかる預かり消費税の大部分を納税することとなります。
課税事業者となるか、免税事業者となるかが、非常に大きな問題です。
人材派遣業では、売上高と給与等の合計額が比較的近い値となります。
この規定は、免税事業者となることで預かり消費税の大部分を納税せずに
自らの売上とする人材派遣業者の益税スキームを意識した規定でしょう。
(平成18年の旧税制調査会において、この話題があがっています)
このあたりの経緯は、税理士の金井恵美子先生のこちらの本に
詳しく記載されています。
<関連記事>
<消費税>納税義務の免除制度vol.1 〜基本編〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜
<消費税>納税義務の免除制度vol.2 〜基準期間はなぜ2年前なのか〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜
<消費税>納税義務の免除制度vol.3 〜基準期間の特例と売上高の計算〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜
<消費税>納税義務の免除制度vol.5 〜起業後2年間免税されるために超えるべき壁〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜
<消費税>納税義務の免除制度vol.6 〜基準期間における課税売上高の注意点〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜
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【編集後記】
先日、このブログで書いたダブルスの試合のこと、
一緒に出ていた友人も何か感じるところがあって
ブログに綴るそうです。近日公開予定とのこと。
同じ場所にいた人がどう感じていたのか、
その場でざっくばらんに話すのもいいですが、
そこで感じたことをそれぞれが好き勝手に記事にする。
これはこれでなかなか楽しみです。
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石田 修朗
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