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木曜日は税理士試験攻略シリーズ。今週は消費税のお話。

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消費税の納税義務

消費税法では、第5条において納税義務者に関する規定があります。

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第1項は国内取引についての規定で、“事業者”とあることから、
「個人事業者」と「法人」がその対象となります。

第2項は輸入取引についての規定で、“者”とあることから、
その対象を“事業者”に限定していません。

第2項の輸入取引については、とにかく誰であれ、保税地域から
課税貨物を引き取る者には、消費税を納める義務が生じます。

複雑なのは、第1項に規定されている国内取引に関する納税義務です。

なぜ複雑なのか?それは、この第5条第1項だけでなく、
納税義務を免除するという規定と、さらに
その免除をないものとする特例規定があるからです。

体系をまとめると以下のとおりです。
(相続・合併・分割等・吸収分割があった場合を除きます)

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まず原則、そして免除、そして免除に対する特例、と並びます。

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第9条第1項の「小規模事業者に係る納税義務の免除」とは
どういった規定でしょうか。

小規模事業者に係る納税義務の免除

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おおまかにまとめると、

「基準期間における課税売上高」が「1千万円以下」の事業者は、
国内取引について「消費税を納める義務を免除」する。

つまり、「小規模な事業者は国内取引についての消費税を
納めなくてよい」と規定します。

この対象となる事業者のことを、「免税事業者」といいます。

課税売上高が一千万円以下の事業者が、
「預かった消費税」から「支払った消費税」を引くと
そんなに大きな税額にはならないことが予想されます。
それに対して、消費税に関する事務負担を強いることは
酷であろうと考え、納税義務を免除しています。
また、税務執行面への配慮もあります。

消費者が免税事業者に支払った税金の扱いはどうなる?

免税事業者は国に対して消費税を納める義務がないのですが、
消費者はモノやサービスの消費に対して税金を負担します。

するとどうなるでしょう。

免税事業者から買い物をする場合、消費者は商品対価に
消費税を上乗せして支払います。
つまり、消費者は「免税事業者に消費税を預け」ます。

しかし、免税事業者は消費税を納める義務がありませんので、
その消費税分を国に納付することはありません。
法律上は、消費税分を含めた受取総額を売上げとして扱います。

消費者からすれば、100円の商品対価に消費税8円を上乗せして
108円を支払った(消費税8円を預けた)つもりが、
法律上は108円を商品対価(消費税は1円も預けていない)と
して支払ったことになります。

なんか納得しがたい点が出てきますね。

しかし、納得できるか否かは別として、現行規定に従って
税額を正しく計算することが試験では求められます。

売上金額「税込108円」となっている場合、
その事業者が課税事業者であれば、売上金額は「100円」ですが、
その事業者が免税事業者であれば、売上金額は「108円」となる
ことに留意しましょう。

来週は引き続き、第9条第1項について案内します。
次回のテーマは「基準期間」です。

<関連記事>

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<消費税>納税義務の免除制度vol.6 〜基準期間における課税売上高の注意点〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜

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【編集後記】

SIMフリーのスマートフォンZenfone5と
BIGLOBEのSIMカードがそろったので、
セットしたのですが、googleとの同期が
うまくできません。
また時間作ってチャレンジです。

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。