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あれこれ手を出さず、ある一点にこだわりぬくことが大切です。

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(この和菓子屋さんには弁天まんじゅうとおやきしかありませんが
お客さんはひっきりなしにやってきます)

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非常識(?)な事務所スタイル

先日、TACの合格祝賀会があり、
同業界の先輩方と話す機会がありました。

そこでわたしの方針について驚かれたことはこんなことでした。

「人を雇うつもりがないこと」

「受注しない業務を決めていること」

「値引には(原則として)応じないこと」

上記方針が驚かれるということは、すなわち、
「人を雇って経営する事務所」が一般的なスタイルであり、
「受注しない業務を決めていない事務所」が多く、
「業務内容を変えない値引にも柔軟に対応する事務所」が
多いということでしょう。

そうした方針の事務所について、まったく否定はしません。

多くの雇用を生み出し後進を育て、どんな仕事も引き受けて、
お客様からの要望に首を横に振らない会計事務所は
素晴らしいと思います。

しかし、わたしが進みたい道とは違うだけです。

わたしは、人を雇用することで自分の時間と自由が
失われることを避けたいです。

仕事エネルギーは遅々として進まない従業員との
コミュニケーションではなく、お客様に使いたいです。

そして何より、
人を雇う→人件費を稼ぐ必要がある→仕事をとにかく増やす
→やりたくない仕事で時間と自由がなくなる
というスパイラルに身を置きたくありません。

小国寡民

先日、税理士の佐竹さんのブログで『小国寡民』という
言葉が紹介されていました。

小さいからこそスピード感と集中をメリットに。「小国寡民(しょうこくかみん)」

古代中国の哲学者である老子が
理想としていた国の理想像です。

国が小さくて、住民が少ない国が
理想というわけです。

本当は国が小さく、住民が少なければ
他の国に支配される危険がありますよね。

でも、危険が隣り合わせだからこそ
・小さい自国のことを理解して、
・できることだけをしっかりとやること
ことができるから、
「小国寡民」が理想とのこと。

わたしが目指すスタイルに見事に一致したこの言葉、
わたしはこの記事で知りました。

そして、佐竹さんがおっしゃっているように、
「スピード」と「集中」、この2つが小国のカギでしょう。

何もひとり税理士事務所に限った話ではなく、
中小零細企業においても、この思考はとても大切です。

実際にわたしの事務所のクライアントには、
「納期スピードの地域最速にこだわり、取扱い品目を絞り、
個々の社員の商品知識をハイレベルにキープする」ことで
後から参入してきて価格構成をかけてくる大手に対抗し、
しっかりと利益を計上されている会社があります。

いつも素晴らしいスタイルだなぁ、と感心しながら
ミーティングさせていただいています。

価格にこだわりをもとう

商売を始めると、モノやサービスの値段を
いくらに設定するか、を決めなければいけません。

これは経営者自身しかできません。

京セラ創業者の稲森氏も「値決めは経営である」と
おっしゃっています。

自身が決めた価格を、そして、他のお客様に
受け入れていただいている価格を、
特定のお客様だけ低くするというのは、
自分を否定し、他のお客様からの信頼を
損なう行為だと考えています。

したがって、値引をお願いされた場合には、
訪問回数を減らしたり、ある程度の業務を
ご自身で行っていただいたり、、、と
受注業務の一部を削ることを条件にしています。

そして、自分が値段交渉をする際にも
単なるお願い値下げをすることはやめました。

自分がされたら嫌なことを他人にするわけにはいきません。
(大手電機量販店など、あらかじめ交渉があることを予測して
値段を記載しているであろう店では少し聞いてしまいます・・・)

無理を押しつけず、受け入れない

今月、車の買い換えをするのですが、
車を購入する際には値引きを依頼するのが
常態化しています。

しかし、「どれだけひいてくれるん?」
「他はこれくらいしてくれるで」といった
交渉をするのは昔からあまり気が乗りません。

今回、最初の見積は予定額を上回るものでした。

ですので、先方に正直な予算を伝え、
その範囲で収めるために削れるところを
削っていきたい旨を伝え、結果的に
予算ギリギリで決定しました。

オプションでも本当につけておきたいものだけに絞り、
他については取りやめました。
ひょっとしたら、ごねたらつけてくれたかもしれませんが、
気持ちよく連絡ができているので、よかったと思っています。

近年、発注側が無理難題を押しつけるという、
誰もハッピーにならない風潮が
強くなっているのではないかと感じています。

そして、それを受注側が断れない最大の要因は
「人件費」や「家賃」といった固定費の存在です。

固定費は売上によって変動しない経費だけに、
たとえ薄利であっても売上があれば、
固定費の足しになるので、利益効率の悪い仕事も
どんどん受け入れてしまいます。

このようにして、受注側が断らなければ、
発注側の突きつける難題と利ざやは大きくなります。

そのしわ寄せは当然のことながら
従業員や下請け業者にいきます。
ブラック企業といわれる企業が後を絶たないのには
こうしたことも決して無関係ではないでしょう。

我々の業界でいうと、税理士紹介会社などが
まさにここを狙って商売されていますね。
登録されている会計事務所も多いようですが、
これは個人的に好ましい風潮ではありません。

だからこそ、固定費を圧縮し、時間と自由を生み出しやすい
ひとり税理士事務所というスタイルを目指しています。

ただし、声を大にして言っておきますが、
人を雇って組織を構築し、規模を拡大する方が
儲かる可能性は高いです。

実際にわたしのまわりの同業者を見ても、
高級車を何台も保有し、夜な夜なクラブで飲み歩く、といった
派手な生活をしている人はみなさん雇用し、組織化しています。

けっきょくのところ、“人生において何を優先するか”によって
スタイルに違いが出てくるのでしょうね。

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【編集後記】
とあるパーティーにて、主催者からの祝辞のときに
話を聞かずに歓談に夢中の方が数名いました。
成人式で好き勝手やっている若者と一緒ですね。
“人のふり見て我がふり直せ”
披露宴や二次会でスピーチや余興が始まったら、
どんなに話が盛り上がっていてもきちんと向き合い、
終わると同時に精一杯の拍手をするのが私の流儀です。

【昨日の一日一新】
ずんどうや 姫路南店

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。