スポンサードリンク

財務諸表論(税理士試験)受験シリーズです。
今回は棚卸資産(在庫)について紹介します。

DSC00151

スポンサードリンク

棚卸資産の資料からやるべきこと

財務諸表論受験において、避けては通れないのが
棚卸資産の資料です。

通常、棚卸資産については以下のような資料が絡んできます。

スクリーンショット 2014 10 02 8 02 15

この資料を与えられた受験生が行わなければならないことは2つあります。

(1)貸借対照表に計上する商品の評価
(2)当期の売上原価の算定

売上原価とは、“販売による商品の減少額”のことです。

スクリーンショット 2014 10 02 8 06 09

そして、その算定は受験上このようにして行われます。

スクリーンショット 2014 10 02 8 06 39

帳簿棚卸高と実地棚卸高の意味

ここで、帳簿棚卸高と実地棚卸高について、
その違いを見ていきましょう。

帳簿棚卸高とは、商品有高帳といった帳簿を基に認識する
期末商品量のことを指します。
つまり、商品管理部にあるPCにインストールされた
商品管理ソフトのデータから把握します。
商品管理ソフトからは、期首在庫と期中の受入(仕入)から
期中の払出(出庫)を差し引いた差額が判明します。
この差額が意味するところは「期末未販売商品量」です。

スクリーンショット 2014 10 02 8 37 04

これに対して、実地棚卸高とは、実地調査を基に認識する
期末商品量のことを指します。
つまり、決算日に実際に会社の倉庫において調査した
期末商品量のことで、意味するところは「期末実際在庫」です。

スクリーンショット 2014 10 02 8 45 49

この場合、

(1)貸借対照表にはどちらの金額で計上するのか?
(2)売上原価の算定において、控除するときはどちらを使うのか?

という点がポイントになってきます。

貸借対照表は、期末の会社財産の状況を明らかにする働きを持っています。
したがって、貸借対照表に商品として計上する金額は、
「期末実際在庫」である実地棚卸高となります。

損益計算書において計上される売上原価を算定する際には、
“販売による商品の減少額”を明らかにしなければなりません。
もし仮に実地棚卸高を控除すると、計算される売上原価には、
“販売による商品の減少額”と“販売以外の商品の減少額”が
混在することとなります。
したがって、損益計算書で計上される売上原価を算定する際に
期首商品と当期仕入高の合計から控除する金額は、
「期末未販売商品量」である帳簿棚卸高となります。

なお、“販売以外の商品の減少額”には2つに分類できます。

「モノ自体がなくなっている」
「モノはあるけど、価値が下がっている」

前者は“商品減耗損”として、後者は“商品評価損”として
損益計算書に費用計上されます。

スクリーンショット 2014 10 02 8 58 32

ちなみに、損益計算書において売上原価の内訳を示す場合には、
このような表示になります。

スクリーンショット 2014 10 02 9 02 09

受験ではもう少し複雑な形で出題されます。
そういった問題に対応するためには、
まず今回の基本事項をしっかりと
理解しておく必要があります。
まずはこの基本形をしっかりとおさえましょう。

==============================

【編集後記】
新しくなったスターバックスラテ。
久しぶりに飲んだスターバックスラテ。
肌寒い朝に、とても美味しいですね。

DSC00933

==============================

The following two tabs change content below.

石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。