パナマ文書では、伊人画家モディリアーニの描いた
絵画の在処も明らかになりました。ナイス!

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タックスヘイブンに怒っても仕方ない

「金持ち優遇じゃないか!」と
声高に訴える朝5時台の情報番組。

発端はパナマのとある法律事務所から
流出した、いわゆる『パナマ文書』

日本の名だたる大企業や資産家の名前が
挙げられたとあって注目されています。

ただ、スポンサーがらみもあるでしょうし、
歯切れの悪いコメンテーターも多いので、
このまま収束するかも、ですね。

今回、なぜこの話題を冒頭に持ってきたのか、
この流れに沿って「タックスヘイブンを
利用していた企業はけしからん!」と
糾弾するつもりは毛頭ありません。

日本国という看板を後ろ盾に信頼を得て
事業を営んで稼いだお金を日本に納めずに
国外に持ち逃げする姿勢は個人的には
好ましく思わないので、ひそひそと
ひとり不買活動を続けます。

が、現行の法律に逸脱しない範囲で
お金と知恵を使い、リスクを冒して
キャッシュを守ったという点は、
一方であっぱれだとも感じます。

今回取り上げたいのは、
「いやいや、金持ち優遇税制って
もっと身近なところにたくさんあるから」
ってことです。

身近にある金持ち優遇税制はこれ

消費税の軽減税率

消費税の税率が10%にあがることになっています。

これに伴い、軽減税率の導入が決定されています。

飲食品などにのみ8%の税率を適用するというもの。

これこそが金持ち優遇税制です。

考えてみて下さい。

月50,000円の食費の家庭では
2%の軽減による恩恵は
1,000円しかありません。

年間にして、12,000円です。

一方で月500,000円の食費の
お金持ち家庭では、2%の軽減に
よる恩恵は10,000円です。

年間にして120,000円です。

どちらが優遇されているか、
火を見るよりも明らかですよね。

お財布からのお金が出ていくときの
痛税感を緩和するということで
軽減税率をプッシュする人も
いるようですね。

<関連記事>

軽減税率導入で政府が検討。プリペイドカード方式って?? | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜

給与所得控除

多くのサラリーマンにとっては、
税金の計算は身近ではないでしょう。

年末調整で完結してしまいますので。

ただ、このサラリーマングループにも、
金持ち優遇税制が存在します。

給与所得控除です。

(以下、平成28年分の数字です)

年間収入(額面)300万円の人は、
税金計算時に108万円の概算経費が
認められ、税金対象となる所得は
192万円です。

一方、年間収入2,000万円の人は
税金計算時に230万円の概算経費が
認められ、税金対象となる所得は
1,770万円です。

年収300万円のサラリーマンと
年収2,000万円のサラリーマンでは
スーツや鞄だってちがうでしょう。

けど、それは絶対的必要分ではないですし、
実際に年収2,000万円の人が高級な
スーツや鞄を持っているかどうかは
その人次第です。

にもかかわらず、一律で230万円の
概算経費を認めるというのは、
“金持ちだからお金かかるよね”という
金持ちへの優遇の現れではないですかね。

<参考サイト>

No.1410 給与所得控除|税について調べる|国税庁

所得税計算上の人的控除

人的控除としたのは、
所得税計算上において
認められている
①基礎控除、
②配偶者控除、
③扶養控除、
のことです。

現行法では、これらの控除は
金持ち優遇になっています。

なぜなら、これらを引いた残額を
課税対象にするということは
累進課税の高税率部分から
控除を利用できるからです。

具体例で考えてみましょう。

年収280万円の人がいたとします。
給与所得控除額は102万円です。
178万円が税金対象となります。

ここから、基礎控除として、
38万円を控除した金額が
この人の課税対象額になります。
140万円ですね。

課税される所得が190万円までの人の
所得税の税率は5%です。

この人の所得税は70,000円となります。

基礎控除の恩恵は、38万円の5%の
19,000円です。

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一方、年収2,400万円の人がいたとします。
給与所得控除額は230万円です。

2,170万円が税金対象となります。

ここから基礎控除として、
38万円を控除した金額が
この人の課税対象額になります。

2,132万円ですね。

この人の所得税は5,732,000円です。

基礎控除の恩恵は、38万円の40%の
152,000円なんです。

スクリーンショット 2016 05 10 11 41 36

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その差、133,000円!!

どうですかね。
お金持ちの方が優遇されていませんか?

これに配偶者控除や扶養控除が加わると、
同じような家族構成であったとしても、
お金持ちの方がはるかに税負担を軽減
されているのです。

同じように子育てしたり、介護したりしても、
お金持ちとそうでない人とではこんなにも
差をついているんですよね。

お金持ちはいい学校に通わせる?塾代がかかる?
いいヘルパーさんを利用する?

そんなの、税金払った後のお金で
払ってもらってよくないですか?

こんな考え方だってできますよね。

良し悪しを考えることが大切

これらについて、全員の意見が
一致することはないでしょう。

こうしたことを一人ひとりが考え、
意見を持つことが大切です。

言いっぱなしではよくないので、
それぞれについて個人的見解を。

①軽減税率

即刻廃止すべき。

本当に低所得者向けの
対策を考えるのであれば、
給付措置(現金等の支給)で
対応すべきでしょう。

マイナンバーによって、
国民の所得はそれなりに
捕捉できるのですから。

軽減税率をプッシュしている人は、
中間所得者層や富裕層に位置する
のでは、と勘ぐりたくなりますね。

軽減税率制度は、不公平なだけでなく、
現場の混乱や負担が相当なものになります。

システム費用だけでなく、
社員・アルバイト教育など。

②給与所得控除

現行法でいい。

実は昔よりもかなり改善されています。

昔は1,000万円よりさらに
給料が増えれば増えるほど、
その5%が永遠に給与所得控除額に
加算されていました。

それがここ数年で上限を設定するようになり、
かなり改善されてきています。

例えば、平成24年時点で年収1億円の人の
給与所得控除額は670万円でしたが、
平成28年時点では230万円(上限)です。

ですので、この点については、
現行法でじゅうぶん対応できていると
考えています。

稼ぎが多い人の方がつきあいでの
出費も総じて多くなるでしょうし、
持ち物もそれなりに高額になります。

そのあたりをある程度は認めても
いいのではないでしょうか。

③人的控除

税額控除に移行すべき。

税額控除にすれば、税率がいくらであっても、
一人当たり○○円という決まった金額に
なるので、公平感は保てるでしょう。

本当に公平感を出したいのであれば、
こうした人的控除については、
所得から控除するのではなく、
税額から控除すればいいんです。

肌感覚として、稼ぎの大小によって
国に「税金対象から外してあげますよ」
と言われる金額が異なるのは、
国が国民を値踏みしているみたいで
気持ち悪い気がします。

税額控除に移行するっていうのは
別に高所得者をいじめようと
いうものではないですし。

<関連記事>

配偶者控除制度は廃止すべきか? 〜制度の問題点と解決案〜 | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜

なぜ、こんな話題を取り上げたのか

それは、税理士は現行税制を
おいかけるだけではだめだと
考えるからです。

現行税制を理解・活用することは
もちろんですが、それに意見や
不満などがあるならば、それを
発信しなければなりません。

また、現行税制がどのようなものかを
一般の方々にも知ってもらい、
考えるための情報を出すことも、
税理士としての使命でしょう。

選挙も近々あることですし、
現行税制や政府の税制への姿勢を
知っておく必要があります。

税と政治は切っても切れませんので。

<関連記事>

税とは政治であり、税とは選挙である | 歩々是道場 〜脱力系税理士のblog〜

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【編集後記】
3月決算、順調に進んでいます。
この調子だと今週中に税額も確定し、
納付書をお渡しできそうです。
いつも早く資料をまとめて
いただいている顧問先に感謝です。

【昨日の一日一新】
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■ 石田修朗税理士事務所HP

開業支援・経営計画支援の石田修朗税理士事務所

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。