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本試験まであと120日。狙いを明確にして鍛えましょう。
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目次
7月によくある相談
例年7月になったあたりから、相談が増えます。
「勉強が間に合っていません。外れてもいいので、理論の
ヤマをはりたい。絞る手伝いをしてもらえませんか?」
よくある相談ですが、これは現状を認識したうえで、
一点突破を狙うある意味ナイスな戦略です。
ただ、そうなる前に手を打ちたいところですが・・・。
「これから先、どんな方針で勉強を進めていけばいいか」
これもよくあります。
逆に「今までどんな勉強をしてきましたか?」を尋ねると、
「とりあえず各論点の気になるところを練習してきた」とか。
悪くないです。悪くないんですが、惜しいです。
とくに、十分な時間の確保が難しいことがわかっていた方には
もう少しの工夫をしてほしいんです。
今日はそんな話を進めてみたいと思います。
税理士試験の特性
一つ目の絞り込みはともかく、合格への学習戦略や
方針の確認は7月では遅すぎます。
それらは7月ではなくてこの4月、とくに学習時間をまとめて確保しやすい
ゴールデンウィークに入る前に明確にすることが大切です。
そうすることで、貴重な勉強時間を最大限に有効活用できます。
そこで、今回は財務諸表論という科目の特性を理解して、
有効な対策を考えていきましょう。
まずはじめに、税理士試験の特性を確認しましょう。
ある日突然閃くことはありません。
日々の積み重ねによってしか、レベルアップはしません。
それだけではダメですが、時間は絶対的に必要です。
(こちらの本でも「量と質」が大切だと書いてあります)
そして、上位1%ではありません。
上位10〜15%(財表は20%のときも)が合格する試験です。
これらを踏まえて、財務諸表論に対する戦略を考えていきましょう。
財務諸表論
第一問、第二問(各25点) 〜理論編〜
まずは、理論から考えていきます。
最近の理論問題の設問は二極化が進んでいます。
“平易な設問”か“とてつもなく難解な設問”です。
“平易な設問”が多い問題では、平均点が高くなります。
逆に、“平易な設問”が少ない問題では、平均点は下がります。
特徴は、中間の“適当なレベルの設問”が存在しないことです。
これによって、理論力の強い受験生は近年不利になっています。
なぜなら、平均点から5点以上の上乗せをすることが困難だからです。
“平易な設問”と“難解な設問”しかない場合、
“平易な設問”だけを解答しても、平均点を
大きく上回ることはできません。
“適当なレベルの設問”があってこそ、平均点から抜け出せます。
残念ながら、近年の“難解な設問”は理論力の強い受験生が
答えられる範囲を逸脱しています。
ここから点数を稼ぐことができる受験生は極めて少ないです。
したがって、理論では大勝ちは期待できません。
第三問(50点) 〜計算編〜
一方で、第三問はどうでしょう。
偏りはあるものの3つのレベルが混在した問題となっています。
そのため、ほどよく差がつくことになります。
平易な方に偏れば、平均点が35点近くになります。
標準レベルの問題だと、平均点は25点程度になります。
難解なものになると、平均点は15点くらいにまで下がります。
しかし、3つのレベルが混在しているため、
よほどのことがない限り、成績分布はばらけます。
どのタイプであったとしても、平均点を10点上回ることは可能です。
したがって、計算では大勝ちを狙えます。
総合的にみると
以上のことから、財務諸表論の特性は次のようになります。
これから4ヶ月、どこを強化するか
8月18日の時点で理想的なのは、理論・計算共に
圧倒的な力を有していることです。
時間が十分にある方は、それを目指してください。
絶対的に合格の可能性が高まります。
しかし、諸事情によりそれをかなえるだけの時間をかけることが
困難だと仮定した場合、合格に有効なのは、それなりの理論力と
圧倒的な計算力を身につけることではないでしょうか。
これらを手に入れるためにこれからの4ヶ月を使うべきです。
なぜなら、受験勉強は「次の一点を取るために何をするか」だからです。
どれだけ頑張るか、だけではなく、自己の努力の範囲内で鍛えたことが
有効に機能するか、得点に繋がるかを冷静に判断することが大切です。
理論について 〜浅く広くまんべんなく〜
上述のとおり、理論については、しばしばその範囲を逸脱します。
というか、逸脱したところでしかリードを稼げません。
となると、理論では「負けないこと」が重要になってきます。
そこで、理論については基本的に“浅く広く”というスタンスです。
理論対策は枝葉の理論に一喜一憂することなく、基本論点の
暗記と理解を粛々と努めるべきです。
基本論点の暗記と理解だけでもたいへんな量になりますが、
そこは頑張りましょう。
ただし、どうしても全範囲の基本論点の暗記と理解が
不可能であるならば論点の優先順位をつけて、
優先順位の高いものから精度を高めていってください。
30%の精度で全範囲をおさえるより、
特定の論点を80%の精度でおさえる方が
合格の可能性はいくぶん高いです。
計算について 〜ヒト・モノ・カネを意識する〜
計算対策は自力をつけるためにやるべきことを全てやりましょう。
総合問題を解いて、間違えたところをテキストで確認する。
これが計算論点のベースとなります。
このときに、「この資料だからこの処理」という理解ではなく、
「この資料だから、実態はこうなっていて、だからこの処理」と
いう理解を心がけてください。
↓のようにイメージするのではなく
↓のように理解するようにこころがけてください。
多くの受験生が戸惑うのが、資料の変化です。
・この資料についてはできるようになっていたのに
・こうなるとどうしていいかわからない
同じことを問われていたとしても、いつもと違う形で
資料が与えられると、とたんに正解率が下がります。
財務諸表論突破の鍵はここにあるといっても過言ではありません。
では、この症状を出さないようにするために、どうすればいいか。
「実態」をきちんと理解していれば、資料の与え方が変わっても
慌てることはありません。
「実態」の把握ってどうしたらいいねん、ってことですが、
そう難しく考える必要はありません。
いわゆる「ヒト・モノ・カネ」です。
ヒトがどうなったのか、モノがどうなったのか、カネがどうなったのか、
この部分をを意識しながら勉強していくようにしましょう。
ただ問題を解くのではなく、問題を解くことによって
“まだ見ぬ同系列の問題”を解く力を得なければなりません。
そのためには、資料を見るときは常に、ヒト・モノ・カネの観点から、
「実態」を把握するクセをつけておくことがとても有効です。
資料の指し示すことが会社のどのような「実態」を表現しているのか、
そこを常に意識しておくと、失点しがちな「棚卸資産」「有形固定資産」
「有価証券」「退職給付会計」もそんなにこわくないですよ。
では。
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【編集後記】
税理士試験の案内が16日に発表されています(こちら)。
初めて受験される方は、いろいろとそろえる資料が
ありますので、早めに確認しておきましょう。
【昨日の一日一新】
スタバ リコッタ&ハニー
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石田 修朗
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