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税理士試験がよりよくなるために。

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申告納税制度と税務調査

法人税や所得税、相続税など
多くの税目において
採用されているのが
「申告納税制度」です。

納税者自らが申告し、
納税する仕組みです。

当然のことながら、
人の行うことには
ミスがつきものです。

また、正直者ばかりとは
かぎりません。

そこで、申告内容を
チェックする制度として
「税務調査」が
備わっています。

税務署による調査が
控えていなければ、
はたしていったい
どれだけの人が
正しい申告のために
骨を折るでしょうか?

チェックされるが故に
貴重な資源である
時間とお金を使って
正しい申告を行う。

これが我が国を
支えています。

ミスと損失

ミスを好む人はいません。

ミスによって被害を受けることが
想定される者への怨恨もなく、
スポーツ賭博の八百長のように
利得が絡んでいないのであれば、
あえてミスするようなことは
ないでしょう。

しかし、そのミスに伴って
損失(被害)が生じないとしたら、
ミスの撲滅への意識が
どれほど高まるでしょうか?

他者からのチェックがなく、
ミスによる損失(被害)も
被ることがない場合には、
それがある場合に比べて
相対的に質は下がる
可能性が高いでしょう。

ミスした者には処罰を、
とはいいません。

ただ、ミスの隠ぺいが
可能な仕組みでは
ミスをなくすための
エネルギーがどうしても
低下してしまいがちです。

また、そのような仕組みでは
双方の信頼感が損なわれ、
有益なものにはなりません。

だからこそ、透明性を高めて、
両者が緊張感をもって
取り組むべきことです。

、、、何がって?

税理士試験です。

現在の税理士試験制度では
模範解答が公表されません。

「出題のポイント」というものが
毎年公表されていますが、
「コピペかよっ」というくらい
当たり障りのないことしか
公表されておらず、
まったくもって無意味です。

そう、投げたら投げっぱなし、
問題を出しっぱなし、なんです。

それゆえ、受験生サイドからの
不信感は拭い去れません。

とくに第66回の法人税法の問題では
不適切な資料が散見されました。

第66回では消費税法もしかり。

こうしたことが起きる背景には
模範解答の非公表があります。

非公表であることによって
出題者側の緊張感が
欠如しています。

模範解答の公表を望みます

ミスはつきものだが、、

もちろん、人が関わる以上
ミスはあります。

不備があった問題について
試験委員とされる方を
いたずらにやり玉にあげたり、
責任を問うようなことは
するべきだとは思いません。

試験問題のミスはある意味で
受験生にとっては平等であり、
それによって合否が大きく
変わることは通常はありません。

不備のあった問題で不合格だとしたら
それは残念ながらその人の力不足です。
他の受験生も同条件なのですから。。

問題の不備があった場合に
今まで培ってきた優位性が
失われることはあります。

しかし、そんな状況下でも
圧倒的な力があれば
合格してきます。

「優位性が失われること」と
「不利になること」は
同義ではありません。

不備があったとしても、
それによって一部の人が
著しく不利になることは
ありません。

本試験のテイストや傾向が
突然変わったとしても
税理士としての資質を
適切に問うものであれば
まったく問題ありませんし。

ただ、税理士試験の受験生の多くは、
少なくない時間とお金を投下して
年に一度の勝負に挑みます。

それこそ、人生をかけているんです。

できることであれば、
そうしたミスに心を乱すことなく、
持てる力を発揮しやすい環境下で
公平な試験が行われてほしいです。

もちろん、世の中の多くの事象が
その人の人生を左右することは
認識しています。

「電車さえ止まらなければ、、」
「車が壊れなければ、、、」
こんな人生もあるでしょう。

プロスポーツの世界でも、
審判のミスジャッジによって
試合の流れが変わり、
勝敗を左右することが
まれにあります。
その選手の一生を
左右することも。

ですので、税理士試験において
不条理が結果的に生まれたとしても
それは世の中の原理原則からして
ある程度仕方のないことなのかも
しれません。

最終的に問題に不備があったとしても、
競争試験では有利不利は生じないですし、
限られた情報の中で答えを推定する力も
実務において必要といえば必要です。
想定外のトラブルにも心を乱さず
冷静に対処する力も実務では必要です。

しかし、合格に向けて努力する姿を
間近で見ている講師の立場からは、
また、心血を注いで挑んだ経験を持つ
試験経験者としての立場からは、
できるかぎり不備のない問題で、
各人がもてる力をぶつけた結果として
合否判定をしてほしいです。

公表すればミスは確実に減ります

現行の制度(模範解答の非公表)は
どこに意義があるでしょうか?

試験問題に対する責任の所在を
不明確にすること以外に
メリットが見つけられません。

これっていうものがあれば、
(問合せフォームから)
ぜひ教えてください。

数人の専門家が目を通せば、
明らかにミスであることが
見抜けるようなことすら
スルーされて試験問題として
採用されているのが現状です。

模範解答の公表というたった一つの施策で
出題者側へのプレッシャーが適正化され、
不備のないようにいっそうの注意が
払われることが期待される以上、
模範解答の公表はぜひとも
実現していただきたい課題です。

取り組みの紹介

今日の記事は、Twitterきっかけです。

まあくさん(@mark_tempur)の取り組みを知り、
共感する部分がありましたので記事にしました。

まあくさんの取り組みはこちら。

税理士試験の現実 こんな試験で本当にいいのか – Markの資格Hack (税理士試験)

そして、Change.orgというサイトで
試験の適正化要望を掲げられています。

適正化要望

受験上の平等性の観点では意見は異なりますが、
上にリンクを貼った適正化要望については
「模範解答の公表」
「点数を含む試験結果の通知」という
2点について大いに賛同します。

あとは、受験生が減っている以上、
もう少し結果発表を早めてほしいですね。

わたしが最初に受験した第48回では
簿記論の受験生は3万人を
超えていたと記憶しています。

第67回では12,775人ですよね。

もっと早く結果発表できますよね。

結果発表が早くなれば、
それだけ次の試験に
対応しやすくなります。

ここもやってほしいところです。

おそらく、このブログの読者には
税理士受験生の方もいらっしゃると
思います。

別にこの取り組みを強要はしません。

強く推すこともしません。

受験生や受験OBの一人ひとりが考え、
そして行動すべきと思えば
行動していただければ。

知らないことによる機会損失は
もっとも避けるべきですので
紹介させていただきます。

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【編集後記】

週末の相談会では
うれしい報告が
いくつも届きました。

努力が実ったみなさん、
本当におめでとうございます。

【昨日の一日一新】

JR網干駅散策
姫路市立水族館(息子二人と三人で)

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❐石田修朗税理士事務所HP

開業支援・経営計画支援の石田修朗税理士事務所

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石田 修朗

1976年生まれ。B型。姫路出身。 (雇わず、雇われずの)“ひとり税理士”として活動中。テニスとカレーを愛する、二児の父です。経営者の不安を安心に変えることにこだわっており、脱力することと手を抜くことのちがいを意識しています。